第73回『ホストの色恋営業が大嫌いだった僕を変えた、ある女性のひと言とは?』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
夜職の世界には「色」と言われる業界用語があります。
最近では、色恋営業とも呼ばれてるっすね。キャスト側がお客さんのことを好きな素振りを見せたり、気になってるとにおわせて、お店に呼ぶ営業方法っす。
ホストになってから数年、僕は色をかける営業を全然してこなかったんすよ。
ホストには「女好きなんでホストになりました」という人間も少なくありません。こういうタイプにとってホストは、ほんま天職やと思います。
でも僕はまったくそういう人間やなかったんで、ホストとして働き始めてから女性心理を学んでいきました。
やっぱどこかで一線を引いてるのって、お客さんにバレてまうんですよ。
塩対応を重ねる僕に「もっと私のことを見てほしい」「なんかいっつも冷めてる」「何考えてるかわからんから寂しい」と不満をもらす人もちらほら。
そういえば、以前の記事で当時、付き合っていた彼女について書いたことがあったすね。
詳しくは👆この記事を読んでもらいたいんすけど、なぜか彼女といるとき、常に幸太郎が一緒におったんで、最後は「私と幸太郎のどっちが大事なの?」と泣かれたんすよね。
それくらい当時の僕は、女心を理解できていなかったってことっす。
実はこの彼女が僕に言ってくれたある一言で、僕の色恋についての認識はがらりと変わりました。
今回、書くのはその話っす。
彼女も夜職で、僕より歴が長くかなりやり手だったんすね。
なので当時の僕を見ていて、きっと「わかってへんなあ」「まだまだやなあ」と感じていたはずっす。
ある日、なんかの拍子に彼女と「夜職と色恋」というテーマで話すことになりました。
僕が「俺、色をかけるの嫌やねん」と本音を言うと「それは、ちがうで」とぴしゃり。
いつになく真剣な様子だったんで「どういうこと?」って尋ねたら、「ホストはお客さんをドキドキさせてなんぼや。色をかけた方が、お客さんは喜んでくれるねん」と、丁寧に教えてくれました。
この発想はなかったんで「なるほどな!」と、めっちゃ納得しましたね。
「ほとんどの人が日常でドキドキしてないねん。ドキドキを与えるというのは非日常を与えること。ディズニー、ユニバ、非日常の空間を人は求めてんねん。求めてるものをあげて何も悪いことはない」
恋愛は脳内麻薬がドバドバ出るんで、とんでもない快感なんすよね。
当時の彼女は、「色をかけるっていうのは、日常という真っ白なキャンパスに彩りを与えてる最高のサービス」って、教えてくれたんです。
僕は納得したらすぐ行動を変えられるタイプ。翌日の営業からお客さんに好意を伝える「色恋アプローチ」をどんどんするようになりました。
もちろん、好きだとかそういう安い色じゃないっす。
相手に人としても女性としても好意的に接し、一緒にいる時間を最高に楽しむ。
これがホントの色っす。
ほんならお客さんにある変化が……。
ときめいたり表情が明らかにちがってたんで「なるほど、こういうことか!」と、めっちゃ腹落ちしました。
こうして振り返ると、当時の僕は何もわからない状態で無我夢中にホストをやってたんすよ。
当時の彼女もふくめ、いろんな人に助けてもらって教えてもらったことで、ホストや人間としてのレベルを少しずつ上げられたんやなあと思いますね。
今でこそ、えらそうに人を導いたりしてますけど「あのときの僕は傍から見て激ヤバやったんやな」という感じがします。
まあ「色恋営業は彩りをプレゼントすること」って、決め顔で言ってきた彼女に「こいつ、この台詞、俺以外にも言うとるな。間も顔の角度も完璧やんけ」と思わんでもなかったすが、
ほんまにこの一言を教えてもらったことで、僕のホストとしてのレベルが上がったんで、今でも感謝してるっすね。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!