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室井光広日録(11)

2005.12.31(土)くもり。晴。己丑
2~3度のめざめ。しかし、一陽来復のムード。すべてに合掌。

プルーストと柳田の仕事が終ったら(2年後)神殿提出用の何かを、という師走の誓い?
頭痛(一年のシメ?)トンプク。休め、のシルシ。更なるふきそうじ。豆きんとん用のウラゴシを手伝う。民俗における休みの意味をうけとり直す。
きんしん、しょうじん、ものいみ。いのり。

〇〇氏より、小田原にもっている自家用のミカン畑からとってきたばかりという枝付きミカンをいただく。よきかな、よきかな。ハタケの香り。北国産のイワシにはあこがれの南国の匂い。礼状ハガキを書く。年賀を廃し、モノモライのためのセレモニーを。
柳田によれば、モノモライができると、他家へモノをもらいにゆくことによって治療する風習があったという。いつか〇〇氏のハタケへ行ってミカンをとらせてもらいたいものだ。

1944~45年の柳田「炭焼日記」――。
44年の大ミソカ……玉子をもらった…。巻たばこ、茶をくれた人のこと、パンをもってきてくれた人のこと…「わびしき年暮る」
45年の大ミソカ…前日に「ことしはもうこれでもらひ物は終る。数へて見ると百八十六件あり」と。「…年を淋しく送る」。

わびしさ、淋しさ――よし!

ほんの少し、MP稿のナワをなう。こぞことし、つらぬくナワのごときもの。ほんの少しでもかきつげば、イノチがのびる(と、シャハラザードのように)。

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柳田の、戦争末期の大みそかの日記――そのわびしさ淋しさを、大みそかの日録に書き写す室井さん。一年のシメくくりの手仕事として。(2024.2.10)


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