YeYe「おとな」弾き語りワンマン・ツアー
お礼にかえて
令和3年10月3日。
10 COFFEE BREWERS dot.店を会場に行われた音楽イベントYeYe「おとな」弾き語りワンマン・ツアー。
前日に行われた「CHILL CAFE」同様、入場定員を50名に抑えた中での当日。関わって下さった方お一人お一人に支えられて、大きな問題もなく、無事にイベントを終えることが出来ましたこと、まずお礼申し上げます。
さて、 連日行われたdot.での音楽イベント二日目の主役は、
RALLYE LABELのYeYeさんでした。
⚪︎about YeYe
1989年生まれ。2011年に発売されたデビュー・アルバム『朝を開けだして、夜をとじるまで』は作詞作曲は勿論、全ての楽器の演奏までをセルフ・プロデュースで行い、翌年のCDショップ大賞ではニューブラッド賞を受賞。2013年4月には、日本でも人気のドイツのポップ・デュオIt’s a Musicalのジャパン・ツアーに参加。同年9月に2ndアルバム『HUE CIRCLE』をRallye Labelよりリリースし、自身初となる全国18カ所に及ぶツアーも敢行。浜田淳(Lainy J Groove)、妹尾立樹(senoo ricky/LLama)、田中成道(TANAKA OF THE YEAR!)とのバンド編成でのライブもその世界観を確立させ、各地で高い評価を獲得。その後も、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の全国ツアーにバンド・メンバーの一員として、フジロックやRSRといったフェスを含む全公演に参加。NANO-MUGEN FES2014にも初出演を果たし、話題を集める。また、古川本舗、永野亮、SAKANAMONといったアーティストの楽曲にもゲスト・ヴォーカルとして参加。更に、キューピー「アヲハタ ジャム」、ららぽーと、日本郵政、任天堂3DSソフト「ファンタジーライフ」、ワコールなど数々のCMへの楽曲提供や出演を行うなど、現在その活動の幅を広げている。
まずはYeYeさん、
東京は吉祥寺からはじまった今回のワンマン・ツアー本当にお疲れ様でした。
「久しぶりに関西弁でもなく標準語でもない方言を聞いて、わ!わしいま遠くに来たんや・・」
なんてライブ後に仰っていたのがとても印象的でしたよ。
久しぶりの福岡でのライブということで、
様々な思いが一気に去来されたのでしょう。
終始高揚されている様子も見てとれました。
本当に。
ツアー最後の場所にdot.を選んで下さったこと、
幸せなことだと感じています。
ご一緒させて頂いたこと、
一生の財産です。
この御恩は忘れません。
いつになってでもいいので、
なんらかのカタチでお返しできるようにわたしも頑張ります。
では・・・
せっかくなので、
天下のRALLYE LABELのYeYeさんのライブを体験して、
私個人が感じとったことを綴ってみようと思います。
では(折坂さんなら「さて」とするのかな。)、
いいとか悪いとかではなく、
はじまりから土曜のライブ時の空気感とは大きく異なっていました。
一種の緊張感のようなものが、
演奏の開始を待つオーディエンスの皆さんを覆っていたように思います。
時計の針が16:50分を回った頃、
スタッフによって会場への移動アナウンスが。
感染対策から間隔をゆったりととったたくさんの椅子それぞれに吸い寄せられるように、
皆さんがスッと席に座られたシーンは台湾あたりのインディーズ映画のワンシーンを見ているようでもありました。
静寂に包まれた会場の薄明かりの中、
グリーティングMCをスキップし、
「小声すら出しにくい世になってしまった・・」(祈りより)
と彼女が歌い始めたその曲は、
「祈り」。
「見栄を張るだけ張って だけど心は折れている」(祈りより)
丁寧に届けられるYeYeの歌詞とその声に、
文字通りのっけからグッと心を鷲掴みにされました。
僕らはきっと二度とは戻れない、
そんな素晴らしい日を重ねている。
でも愚かな私たちは、
こんな当たり前の事にも気付かず、
無尽蔵に続くものが実在するかとでも考えるかのように、
日々の小さな幸福を見落とし続けてさえいる。
どうしてかこんな思いと共に角のある感情が込み上げ、
切なくてどうしようもなくて涙が頬をつたったことをつい数時間前の出来事のようにありありと覚えています。
手段して歌うという行為を選んでいるYeYeだけれど、
それは彼女の心の叫びを拡張する為の一つの方法でしかない。
無論、
何年も一線で体を張り続けてきた天才です。
天使の声とも形容されるその美声に聞き惚れない理由など一つもないのですが、
どういうわけかあの日わたしは、
1時間ちょっとの演奏の間ずっと、
無音の中、
彼女によって投げられる心の声を聞き続けているかのような不思議な次元に居たように思います。
「壁をつくって あなたを正当化して 心を読まない 生憎道は外れていた」(No Longerより)
それはひょっとしたら、
わたしだけではなかったのではないでしょうか?
心の救済を求めてあの場所に足を運んでいた方がきっと他にもいただろうって。
頭ごなしにではなく、
やさしくあたたかく、
ただ寄り添ってくれるだけで救われることもある。
流暢に器用に編まれる慰め言葉なんかじゃなくて、
言葉が通じなくてもいいから誰かにそばにいて欲しいだけの時だってある。
たとえそれが人でなくても。
コロナ禍がはじまってもう2年近くの時間が流れました。
どれほど彼女自身もが戸惑い、
先行きの不透明な世の中を恨んだだろう。
不謹慎にもそんなことすら感じました。
それでも彼女はあゆみを止めない。
自分を鼓舞して歌うことをやめないことがきっと自分以外の誰かの心を救うと、
直感的に感じているのだろうと。
「失ったものは目に見える 失った気持ちは目に見えない」
「諦めることを恐れずに 立ち向かうくらいが強さになる」(暮らしより)
誰もがたいへんな時を生きています。
ここまで、
数ヶ月後先さえもが霧がかった景色の中に埋もれているような時代が過去に果たしてあったのでしょうか?
匙を投げてしまいたくなった事もありました。
タイミングを恨んだこともありました。
周りのせいにして逃げ出してしまいたくなった事だって、
一度や二度ではありません。
それでも、
わたしが明日も生きようとなんとか踏みとどまれている理由は、
全て彼女が歌にしてくれた歌詞の中にあるような気さえ今ではしています。
当然・・あまりに短すぎる時間だと感じられ、
これぞ相対性理論だな、
なんていうチープな感想も持ちましたが、
本当にお会いできて良かった。
次お会いすることがいつかもし叶うのなら、
少しだけでいいので世間話とか・・してみたいです。
お世話になりました・・・・・
と。
これでこの夜は終わるはずだったのですが、
偶然にも900メートル程先のDRUM Be-1にて、
同じレーベルのTENDREがツアー初日をしているというではありませんか。
職権をここぞとばかりに濫用して、
急遽ノープラン全開で潜入させて頂きました。
(会場へ移動:ここからは番外編です)
TENDREには、
10 COFFEE BREWERS大分店を会場とした2019年5月27日の「TENDRE Cafe in Oita」と、
2019の10月22日、
IN SIGHT RELEASE ワンマンツアーの中でお会いさせて頂いています。
恋でもしてんだろうか?
と自身の高揚っぷりに辟易としながら押し開けたその扉の向こう側に、
眩しすぎる光を煌々と放つ6人の姿が飛び込んできました。
懐かしい旧友に再会した時のようなあたたかい気持ちで感情の蓋が壊れてしまって。
涙でステージがよく見えず大変でしたw
彼らがまた舞台上で、
そしてファンの前で演奏できることの喜びを爆発させている様子を見るだけでも超弩級の感動っぷりなのに、
途中際に河原太朗が、
「おんがくが好きなだけなんだ。何が悪いんだ。」
なんて叫ぶものだから、
周りの事も視界に入らなくなり、
嗚咽めいてしまった程です。
「そろそろ・・生きたい。」
誰がこんなことを彼に言わせたんだって。
怒りなのか困惑なのかよくわからない思いばかりが溢れました。
終盤、
腰から崩れるように膝頭をステージに落としてオーディエンス一人ひとりに礼を伝えるTENDRE。
それを2FPA席傍から歯を見せて見守るレーベル代表の近越さん。
同じステージ上傍で彼にあたたかい眼差しを送るのはsaccharinの松浦大樹であり、象眠舎の小西遼であり、AAAMYYYであり、BREIMENの高木祥太でした。
なんていいチームなんだろう。
もうこれアベンジャーズじゃんか。
皆さんに再び、
少々トリッキーな再会になりましたが、
お会いできて本当に気持ちが晴れました。
次はまたきっと大分で。
並走とまではいかなくても、
皆さんにまかれないよう、
いつか来るその日まで、
脚力を鍛えておきたいと思います。
メジャー第一弾アルバム「IMAGIN」リリースおめでとうございます。
全国ツアーの成功を心よりお祈り申し上げます。
とんでもなく長くなりましたが、
わたしが伝えたいことは一つで、
「音楽ってなんて最高なんだ」
ってことです。
先日のライブのおかげで、止まってしまっていた音楽イベントの火へ、薪をくべることができたと恥ずかしくも少しホッとしていた自分が恥ずかしくなりました。
「見えない先よ 止まないで これからも進ませてください」(YeYe 祈りより)
音楽に携わる人間みながまだまだ苦しんでいます。
神様なんていないとどこかでタカをくくりながらも、
手を合わせて祈ってしまうのも、
弱き私たち人間のらしさであったりします。
わたしに何ができるかは正直わかりません。
そんな余力ないだろって、
自身の会社の仲間にも言われるかもしれません。
でも、
一人で向こう岸に仮に渡ることができても、
誰もいない場所で見える景色なんてしれてます。
これまでわたしを支えてきてくれた音楽に、
少しずつであっても恩を返していけるように。
また一つ、
明日も生きようと思わせてくれる理由が見つかりました。
関わって下さっている皆さんお一人お一人への感謝の気持ちを忘れずに、
今後もカジュアルに諦めたりする選択肢も合わせ持ちながら、
それでも止まらずいじけずに愚直に、
自分らしく前を向いて歩んでいきたいと思います。
懲りずにそばに居てくれる仲間達と手を取り合って。
Special Thanks:YeYe「おとな」弾き語りワンマン・
ツアーカメラマン / 立川裕一
令和3年10月6日。
10 Coffee Brewers 川平大介