高級枕の末路 ~大変フツーの 新しい生活 その 78~
単身赴任中の 主人の使っている枕が ある。
たわし枕と言われるモノで
文字通り 表面が たわし状のトゲトゲになっている。
トゲトゲといっても 短いので
頭皮が適度に刺激され
しかも 通気性もよく などなどが
ウリの枕だ。
一時期 難民化していたワタシのおかげで
我が家には 枕が
住民の数倍 ある。
その中でも ダントツに 価格の高い
高級品だ。
「頭が蒸れないから 欲しい~」と
おっしゃる主人に負けて
買ってみた。
ところがっ
届いたその日
主人が 使ってみた感想は
「痛い」。
髪の短い主人のアタマに
トゲトゲが ダイレクトに刺さるのか
頭皮が硬いのか。
理由は 分からない。
が とにかく 痛いらしい。
ワタシが使ってみたトコロ
おおっ イイ。
ほどよい刺激が 今までの枕にナイ感触。
横を向いて使ってみても
別に痛くもなく(厚顔?) 厚みもちょうどイイ。
大変 使い心地のよい枕だったんだよ。
ちなみに 届いたこのとき。
ワタシは 主人のいる東京に いたけど
間もなく 自宅のある大阪へ 戻ったのだ。
後日 また 東京へやってきたの。
主人は 変わらず ベッドで たわし枕を 使ってたよ。
おっ 慣れたのかな?
しかし 何だかおかしい。
よぉく見ると
枕が表裏逆になっている。
このたわし枕。
トゲトゲしているのは 表だけで
裏面は 通気性のよい生地が 使われているのだ。
つまり たわし枕として 使ってナイ。
しかも 厚みの関係で
裏表逆にしていても 首もとにトゲトゲが当たるらしく
それを避けるために
首元には 小さなガーゼハンカチが 置かれている。
わざわざ。
…………。
それは ただただ 通気性のよい枕じゃないの。
合わないなら ちょーだいっ と 交渉したのだが
何故か イヤと おっしゃる。
たわし部分は ともかく
高さやクッション性が 気に入ってるのかなぁ
と 思ってたんだよ。
しかし その夜寝て 翌朝。
先に起きて 主人のベッドを見ると
枕が ナイ。
えっ なんで?
たわし枕 どこ?
布団の中???
枕は なんと 床に落ちてたんだよ。
おそらく
寝返りうってる間に
首もとに置いてた ガーゼハンカチがとれちゃった。
で たわし枕のトゲトゲが 首にチクチク刺さって
…………。
しかし それでも 主人は
たわし枕を 手放さない。
いつか おくれ~。
「正しく」使うから(笑)。