あいつと働けて良かったと思ってもらえる上司になる
僕は新卒であるアパレル会社に就職し、約13年間店長として働いていました。現在はその時の経験を活かしながら、違う会社で人事採用担当という仕事をしています。
今回は僕が店長として就業しているとき、常に意識していたことを書いてみたいと思います。というよりも、こんな店長でいたいと思っていた理想像です。
アパレルに限らず、店長という仕事をしている方は全国でも数えきれない程の人数がいますが、その人数分の考え、目標などがあり、そして人それぞれに強みや弱みがあり、日々数字と戦っていることでしょう。
僕も元々はその中の一人であり色々なことを考え、悩みながら自分の理想とする店長像に向かい前に進んでいました。
お客様応対やデータ分析、レイアウトを作ったりとアパレル店長としての仕事はもちろん嫌いではなかったのですが、今思い返すと一番得意で好きだったのは『皆が楽しく仕事のできる環境を作る事』でした。
言い換えるとすれば『チームワークの構築』といったところでしょうか。
各店長にそれぞれ得意・不得意な分野はあり、僕の場合はどれかと言えば、これが得意分野に入るということです。
と言うのも、複数の上司にスタッフの雰囲気やお店全体のまとまりなどを評価してもらい、気難しいスタッフのいる店舗の立て直しの為に異動をする事もありました。
前置きが長くなりましたが、そんな僕が店長として理想に掲げていたのが『あいつと働けて良かったと思ってもらえる上司になる』というものです。
これは23歳で店長になってから、今に至るまで常に頭にある僕の信念です。
なぜこれを考えるようになったのかと言えば、スタッフは店長を選べないですが、店長は面接でスタッフを選び、自分の思うように接して育成していきます。
同僚の店長と話をしたり、上司と話をしていると知識のある方、仕事のできる方、ユーモアのある方など沢山素晴らしい方がいました。
そんな事を考えていると、今一緒に働いてるスタッフはもしかしたら僕なんかの下で働くより、他の店長の下で働いた方が良いのではないか?と考えるようになっていました。ですが、それは仕事放棄と同じですし、何より自分が周りから認めてもらえる人間になればいいだけの事だと考えを改めた結論でした。
では、この理想とする店長になる為に僕の強みを活かして出来ることは何かを考えました。
『一つでもスタッフの人生においてプラスになる事を提供する』
今後、一生は一緒に働くことはないスタッフの方達。同じ会社内で働く可能性はありますが同じ空間で働く可能性は極めて低いです。
特に女性は結婚、出産、旦那さんの転勤などでいなくなってしまう事も考えられます。
会社を辞めて違う人生を歩むことになったスタッフに後々『あの時あいつに教えてもらった事が役に立ってる』、『あいつが言ってた事はこのことか』など、少しでも記憶に残り、何かの役に立てれば僕と一緒に働いた時間に意味ができるなと考えました。
これはアパレルや販売に限らず、趣味やプライベートなど内容は何でもいいと思っています。
では、どうしたら皆の人生においてプラスの影響を与えられるのか。
『信頼される事』
第一前提がこれです。この信頼関係がないとどんなにこちらが伝えようとしても相手は聞いてくれません。
勿論、相手は自分のスタッフなのでこちらの話は聞かないといけない立場です。なので、話はちゃんと聞いてくれます。
でもそれはただ『聞いてる』だけです。理解しようとしては聞いてくれてはいません。特に仕事の話は聞いてるだけ、こちらの趣味などの話をした時は聞いてもいません。
あなたが仕事や人間性において信頼していない上司から指導されたら、素直に聞き入れてそれをやろうと思いますか?一度はやってみて、ダメだったら間違ってますと言ってみようと考える方もいるでしょう。
ですが、皆が皆そのように思ってくれる訳ではありません。ほとんどの方が最初から『理解しようという心の扉』を半分以上は閉めた状態で話を聞いています。
それはスタッフが悪いのではなく、上に立つ人間の責任です。なぜ聞いてくれないのか、どうしたら理解してくれるのかを考えるべきです。
まずはスタッフからの信頼を勝ち取る事が第一です。
時間はかかるかもしれませんが、そんなに難しい事ではないです。
こちらから挨拶する、変化に気付いてあげる、話を聞いてあげる、イライラしない、たまに雑談をする。
他にも沢山ありますが、これをするだけでも全然違います。今すでに信頼されてない方はマイナススタートなので、より時間はかかると思いますが根気強く継続したらどこかでスタッフも変わります。そこからが本当のスタートです。
せっかく一緒に働くスタッフなのですから、自分と一緒に働けて良かったと思ってもらえる方が上の人間からしても嬉しい事ですよね。
今は転職して部下はいませんが、今後部下や後輩ができたらこの信念は貫いていこうと思い頑張っています。
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