CompassAI ビジネスでの活用例をご紹介
天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。
地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス『天地人コンパス』を提供しています。
8/1に配信させていただいた【期間限定】Compass AIを使って夏休みの自由研究をやってみよう!に引き続き、今回はCompass AIをビジネスの場面を想定した導入イメージを紹介させていただきます。
これを読んだ方々が、ご自身のビジネスのシーンでの活用やCompass AIとのコラボレーションにつなげていただけたらいいなと思っております。
※Compass AIの使い方や機能についてまだ知らないという方は【期間限定】Compass AIを使って夏休みの自由研究をやってみよう!の記事を先に読むことを推奨します。
1.Compass AIに質問する時のコツ
ビジネスの場面で活用する場合には、ストレスなく使用したいという方も多いと思います。以下にCompass AIへの質問のコツをピックアップさせていただきました。これを参考に質問していただけると、より短時間で欲しい情報にアクセスできると思います。
①複数の情報を一度に聞くのではなく、1つずつ確実に聞いたほうが効率が良い。2つ以上の情報を分析したいときは、1つずつ質問し、その後それぞれの回答をコピーして1つに合わせて分析をお願いするなどして活用する。
②場所や情報によっては予報値の情報がでずらいものがあるため、数回質問しても返答がされない場合は諦める。
③すぐに使える質問テンプレート:
「(今日or明日)の(場所の名前)の1時間ごとの(気温or降水量or日射量orUVインデックス)の予報値を教えて」
2.実際に使ってみよう!
それでは、実際にビジネスシーンでの活用イメージを紹介させていただきます。
①レストランやカフェでの限定メニューの提供
ここでは、日射量や気温に応じた限定メニューの提供について紹介させていただきます。商品をより効率的に売りたい場合に、気温や天気の変化に合わせて商品の提供メニューを考えることで、競合との差別化や売り上げアップに活かしていただけます。
実はこのような気象データを活かした販売戦略は、ウェザーマーチャンダイジングと呼ばれています。天気の変化に応じて変わる顧客の購買志向を捉え、それに合わせて商品の陳列やプロモーションを行うことで売上を向上させるマーケティング手法です。
一番分かりやすい例として、気温が25度を超えるとアイスクリームが売れやすくなり、32度を超えるとアイスクリームからかき氷が売れるようになることがあるそうです。それほど顧客行動と連動した施策がこのCompassAIによって期待できます。
今回の想定ケース:渋谷のイタリアンレストランで限定メニューを提供を検討する
実際の使用イメージ
①Compass AIへの質問:「明日の渋谷の1時間ごとの気温の予報値を教えて」
②Compass AIへの質問:「明日の渋谷の1時間ごとの日射量の予報値を教えて」
2つの質問を通して、渋谷の気温と日射量のデータを得ることができました。次はこのデータの分析をCompass AIに行なってもらいます。
③Compass AIへの質問:この気温と日射量の2つのデータからどんなことが言える?
午前中から3時ごろまで気温と日射量が共に上がり、その後涼しくなっていくということが分かりました。このデータを元に限定のメニューを考えていきます。
④Compass AIへの質問:実は渋谷でイタリアンのお店を経営していて、明日の気温と日射量に合わせたメニューを提供したいと思っているんだけど、明日は時間帯ごとにどんなメニューが売れそうかな。
いつもお昼時の来店が多いため、日中の15時までの時間に限定メニューを提供することにしました。
また、「イタリアンで冷たいパスタ」というコンセプトが新しいと思い、限定メニューを「カッペリーニ」と呼ばれる冷たいパスタにすることにしました。
④Compass AIへの質問:冷たいパスタは人気が出そう!限定メニューとして3時くらいまでに冷たいパスタを提供したいと思う。どんなキャッチフレーズにしたらいいか10個ほど案を出して欲しい。それをお店の外の張り紙に貼りたいと思う。
店舗にはインスタ映えを狙って来店する女性客が多いため、おしゃれを意識した6番「夏のおしゃれランチにぴったり!冷たいパスタが新登場!」にしたいと思います。
⑤Compass AIへの質問:カッペリーニを「"夏のおしゃれランチにぴったり!冷たいパスタが新登場!"」というフレーズを用いて打ち出してお店の前に張り紙を作りたい。デザインの提案をしてみて。
アドバイスをもとに、下記のような形でメニューを作成してみました。文字の色など多少は変更しましたが、 キャッチフレーズや背景の色などは参考にしました。
いかがだったでしょうか。このようにCompass AIを用いることで、他のお店と差別化したメニューの提供が行えるようになります。「あそこに行くと自分の気分に合ったメニューがある」と顧客に認識してもらえるようになるのではないでしょうか。
②天気連動型広告
次は天気依存型広告についてです。先ほど出てきたウェザーマーチャンダイジングの考え方に基づき、天気予報データを利用して最適な広告を表示しようという施策です。
例えば、自社でパネル型の広告ディスプレイを導入しており、顧客単価を上げたいと考えている企業さんに活用いただけるのではないかと考えています。
今回の想定ケース:宇都宮の駅から徒歩10分ほどの場所にある広告ディスプレイの広告主を募集
実際の使用イメージ
①Compass AIへの質問:天気によって売れる・売れないものとはどんな特徴がある?ウェザーマーチャンダイジングの考え方に基づいて教えて。それに合わせて自社のパネル型広告の広告主を探したいと思ってる。
天候ごとに売れる商品とそうでない商品の詳細についてまで回答してくれました。次は実際にこれを活かした広告主の募集を検討していきます。
②Compass AIへの質問:ありがとう。そのことを念頭に広告主にリーチするための戦略を考えてほしい。どんな企業にそれぞれどんなふうにアピールしていったらいいと思う?
今回はコスト効率の高さをアピールでき、またコストパフォーマンスをアピールでき「小規模の地元の企業」に募集をかけることにしました。これを元に広告主の募集を行います。
③広告主の募集後、実際に広告を天候に合わせて配信する準備をします。
Compass AIへの質問:「明日の宇都宮市の1時間ごとの気温・降水量・日射量・UVインデックスの予報値を教えて」
気温・日射量・UVカットのデータを得ることができました。それら3つのデータを再度Compass AIに読み込ませ、分析をしてもらいました。
④明日の天気を元に、表示する広告の切り替えを行うように設定し、配信します。
これを優位性にしてより単価を上げた集客を行っていきます。
こちらは募集した広告主によって変わりますが、イメージとして以下に具体例を挙げておきます。
①徐々に気温・日射量がが上がっていく午前中:日焼け止めの広告
②気温が比較高く、日射量やUVインデックスも高い日中:地元でかき氷を提供するレストラン
③だんだんと涼しくなっていく夕方から夜:仕事帰りに寄れるバッティングセンターや娯楽施設
このようなリアルタイムでの広告の切り替えは、他の広告手法と比較しても非常に優れた効果を持ちます。消費者は、その時々の天気に合わせた商品やサービスを求めているため、天気に応じた広告は高い購入率を期待できます。様々な広告媒体がある中で、よりターゲットにリーチできる手段として選ばれる理由になるのではないでしょうか。
3.終わりに
今回はCompass AIのビジネスシーンでの活用例を紹介させていただきました。この記事をきっかけに、CompassAIが様々なビジネスシーンで活用されるきっかけになると嬉しいです。
「Compass AI」は、天地人コンパスの新たなニーズを探る目的もあり、開発を行いました。「こんなことに活用してみたい」「こんなコラボレーションができないか知りたい」などがある企業様は、ぜひ天地人まで(info@tenchijin.co.jp)お問い合わせください。
(記事作成:ビジネス開発インターン 渡邊)