スタートアップの登竜門・ICCサミットKYOTO 2022にCEOの櫻庭が登壇。サミット参加レポート
2022年9月5日~9月8日に、「Industry Co-Creation (ICC) サミット KYOTO 2022」が開催されました。
本記事では、ICCサミットに登壇したCEO櫻庭へのインタビュー形式で、サミットの様子を振り返ります。
ICCサミットとは?
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る」をコンセプトとしたカンファレンスで、福岡と京都で年2回開催されています。登壇者は毎回300名以上、参加者は1000名以上に上ります。参加者の多くは起業した事業家であり、サミットの多様なプログラムを通して、質の高い意見交換が行われます。
ICCサミットのプログラムの一つに、企業ごとに7分間のプレゼンテーションで競う「カタパルト」があります。
天地人は、9月7日に行われたリアルテック・カタパルトに登壇しました。
また、宇宙業界について話し合うセッションにも登壇し、「宇宙開発技術の展望 - 商用人工衛星やロケット開発は世界をどう変えていくのか?」というテーマで議論を行いました。
ここからは、天地人CEO・櫻庭がICCに参加した所感を、インタビュー形式でお伝えしていきます。
ICCサミットに参加して
ICCサミットは、スタートアップの登竜門のような場だと思っています。多くの企業の経営者の方と話して、競って、どのような評価が得られるか、チャレンジしてみたいと思いました。また、他のスタートアップとの情報交換により大きな学びを得られるだろうと感じたので、今回初めて参加しました。
サミットは、ホテル全体を貸し切って行われているんです。多くの企業の方が宿泊し、広い会場を使い、連日交流会が行われていました。
夜にはパーティーがあり、お酒や料理を楽しみながら、様々なスタートアップのトップの方と話すことができました。初めに話しかけた方は、国内の塾や予備校向けにAI教材で市場をリードするatama plusの稲田社長でしたね。
他にも毎日色々な方と普段は話せないような情報交換や会社の悩みを相談することができ、非常に刺激的な場でした。
カタパルトは、各登壇者が順番に発表し、審査員が順位をつけるピッチコンテストです。プレゼン時間は7分間。天地人が参加した「リアルテック・カタパルト」では、最新の技術を使ったスタートアップ7社が登壇しました。
天地人のプレゼンテーションでは、特に「天地人コンパス」について強調して説明しました。天地人コンパスは、衛星データを解析して、土地の評価や新しい土地の発見をすることができるツールです。宇宙ビッグデータを分析することで、農薬やエネルギーの無駄のない使い方が可能となり、地球環境の改善に繋がります。
登壇後、視聴者の方から「今は海外でも実績出てるんだね」とか、「自治体からの依頼もたくさんあるんだね、そんな成長してるんだ、知らなかった」等の声をかけていただきました。今まであまり実績を公表できていなかったので、この機会に知ってもらえて良かったです。
恐らく、今までは天地人=農業分野というイメージが強かったのだと思います。農業に限らず、水道管の漏水の検知や、エネルギー分野の課題解決など、幅広い分野のプロジェクトを行っていると知ってもらえた良い機会になったのではないかと思います。
また、リアルテック・カタパルトのグループワークセッションでは、登壇者と審査員と参加者の全員でグループになってブレストする、凄まじいプログラムがありました。そうそうたるメンバーと、付箋を貼ってブレストをする。僕も信じられない光景だなと思いました。
ブレストでは、「世界に勝つには」というテーマで話し合いました。海外で成功している先輩経営者からヒントを得ることができ、非常に勉強になりました。
参加して得た最も大きな気づきは、”今までの伝え方では、お客様に会社の魅力が全く伝わっていなかった”ということです。
会社の魅力を伝える時に、「宇宙」「ビッグデータ」「AI」というキラキラした言葉で説明したら、会社が魅力的に見えるだろうと、今まで無意識のうちに胡坐をかいていたんです。
宇宙業界にいると、例えば宇宙ビッグデータと言えば、当たり前のように衛星データのことだと想像できる。でも関係ない人からしてみると、「何それ?」となりますよね。
そのことに気が付かないまま、宇宙分野に詳しくないお客様に会社の紹介をしていました。
それではだめで、もっと詳しく説明しないと魅力を理解してもらえないんですね。他社のプレゼンは上手で、一つ一つを細かく説明して魅力的に伝えていて、非常に勉強になりました。
宇宙系スタートアップの展望
まだまだ頑張らないとな、と思わされました。
カタパルトの登壇とは別に、宇宙というテーマで、SPACETIDE 代表理事の石田さん、Axel space 取締役CTOの宮下さん、デザインファームのTakram ディレクターの谷口さんと4人で話すセッションにも登壇しました。
そのセッションを通じて、宇宙業界自体の認知度の低さを体感しました。
宇宙が成長産業であるのは間違いないと思います。政府も今年はさらに宇宙関係の予算を増やしています。
ただ、スタートアップが新しいサービスをつくったり、儲けたり、上場したりするには、宇宙分野は時間がかかるし、扱いが難しい。ビジネスとしての成果が出にくいので、スタートアップが宇宙に参入するハードルは高いと思います。
実際、宇宙系スタートアップを起業した人の多くは宇宙分野を専門に学んだ人なので、それ以外の人にはとっつきにくい業界なのではないでしょうか。多くの企業にとって、宇宙はまだまだ遠い存在なのだと思います。
現在、日本の宇宙系スタートアップは70社くらいだと聞きました。早い企業だと2000年代後半には会社を設立しています。
天地人は、活動自体は2016年に開始したので、今あるスタートアップの中では中盤くらいにできた会社です。その中では、着々と実績を伸ばしている方かなと思っていましたが、世界はやはり広くて、上には上がいることを、ICCで思い知らされました。
今後の目標
今まで大地、海、空と人間の活動域が広がっていき、次は宇宙やデジタルだと言われています。人間の次の新しい世界である宇宙のデータを活用することで、人類が今後地球環境と共存できるよう世の中を変えていくことが、天地人の使命だと考えています。それを実現するために、エネルギーや資源の無駄をなくすことに役立つ、一般の人たちが使えるソリューションを提供していきたいです。
また、まだまだ認知度は低いですが、いつか上場して、「宇宙って儲かるんだね、私もやってみようかな」と思う人が増えるきっかけになればいいですね。皆の背中を押せる会社になれればいいなと思っています。
写真出典:INDUSTRY CO-CREATION (https://industry-co-creation.com/)
(記事作成:ビジネス開発インターン 龍崎)