「変化を恐れず、柔軟に生きる。」エンジニア 伊藤 拓弥 l\\ てんちびとインタビューVol.31
皆さんこんにちは! 天地人の学生インターンの田嶋です。
天地人は、2050年にも持続可能な地球環境を目指して活動するJAXA認定ベンチャーです。宇宙ビッグデータをWebGISサービス「天地人コンパス」で解析・可視化することで、まだ誰も気付いていない土地の価値や地球の資源を明らかにするサービスを提供しています。
「てんちびとインタビュー」のシリーズでは、毎月1回、天地人で働く社員を紹介しています。今回はその第31弾として、天地人のエンジニア、伊藤 拓弥さんにインタビューします。
リモートセンシングとの出会い
一貫して、リモートセンシングエンジニアとして働いてきました。新卒から約17年間は、リモート・センシング技術センターに勤め、衛星画像の解析を行っていました。2024年の3月に天地人に転職し、半年ほど経ちます。
学生時代は、大学院を含めて6年間、農学部の森林科学科に在籍していました。もともと動物や自然が好きで、生物の生態や農学の勉強がしたくてこの学科を選びました。ただ、学ぶうちに、森林をモニタリングするためのリモートセンシング技術やGISなどの技術への関心が大きくなって。自然とその分野に特化した研究室を選び、就職もこの業界に入ってきたような感じです。
そうですね。振り返ると、リモートセンシングとの出会いは自分にとって大きな転機だったと思います。それまではデジタルに全く関心がなく、むしろアナログなものが好きでした。しかし、大学の授業で衛星画像やGISのデータをあつかう実習があり、実際の画像を扱ったり、プログラムを書いたりするうちに、まるでパズルを解くような楽しさを感じたんです。画像処理やプログラミングがこんなに面白いとは、そのとき初めて気づき、今でもその時の感覚は覚えています。
そうですね。実はプライベートでも、趣味で写真撮影をすることがあります。F1のような自動車やバイクのレースが好きで、大学生の頃から見に行っていたのですが、友人の影響で次第に撮影もするようになって。今では、レースだけでは勿体無いなということで、風景や、野良猫の撮影もしています。そのため、仕事でも趣味でも画像を扱ってると言えますね。
新天地としての天地人
同業他社だったため、以前から存在は知っていました。転職を考え始めたタイミングで、前職の同僚から募集があると聞き、紹介してもらったのがきっかけです。キャリアを見据えたとき、リモートセンシングから離れるつもりはなく、自分の強みを活かして新しいフィールドに挑戦したいと思っていたので、天地人には大きな魅力を感じました。
事業会社であり、自社で独自のプロダクトを開発している点ですかね。前職では、JAXAさんの受託業務が多く、やりがいはあったものの、新しいものを自ら生み出したいという気持ちも抱えていました。また、前職は大きな組織で安定感がある一方で、天地人はまさに組織作りを進めている真っ最中なので、その新鮮な雰囲気も魅力的に感じています。
衛星リモートセンシングエンジニアとして、衛星データ解析チームに所属し、新規事業の開拓に携わっています。がっつり開発するというよりも、天地人の基盤となる技術を蓄積するような事をやっています。イメージとして、衛星画像の解析やAIの機械学習は、全プロダクトに共通する技術の土台のようなもので、そこから枝分かれして各プロジェクトに特化したものにカスタマイズされていきます。私は、その土台部分を担う衛星画像解析を進めつつ、再生可能エネルギー関連など新規事業のプロジェクトにも関わっています。
解析結果が視覚的に画像として見える点は、面白いなと感じますね。うまく結果が表示されるよう試行錯誤して、プログラムを組むのも楽しいです。
新規事業の開拓は、社会実装に近いところでもあるので、社会に役立つものを作りたいと思っています。また、特別なことではありませんが、天地人の役に立ちたいという思いも強いです。もう若手という年齢ではなく、キャリアを積んでから天地人に来たので、やっぱり「天地人に来てくれて良かった」と思われたいという気持ちはありますね。
子供の頃から動物がすき!
動物が好きだったことは覚えています。幼い頃から、生き物や生態系のある森林に興味がありました。地元は山のふもとで、家の周りには田んぼが広がっていたので、虫取りとかもよくしていました。夏にはカブトムシを採りに山へ行ったこともあります。
シートン動物記とファーブル昆虫記は確かに読みました。小説ではなく、写真や解説があるような本が好きで、野生動物図鑑でどんな種類の動物がいるか、生態はどうかなどを見るのが楽しかったです。また、NHKで放送されていた『生きもの地球紀行』が大好きで、毎回欠かさず見ていました。そこから生き物や生態系への興味が膨らんで、今に繋がっている気がします。
動物学者や獣医を目指していた記憶がありますね。漠然としたものではありましたが、小中高にかけて長くイメージしていましたし、動物や生き物が好きだという思いはずっと変わりませんでした。
新しいことを恐れない
小学校4年生くらいの頃、当時のピアノの先生に『伊藤さんは、一つのことを突き詰める、学者さんみたいな職業が向いているのかもね』と言われたことがあり、それを不思議と今でも覚えています。憧れていた先生だったので、その人に言われたのも大きかったのかもしれません。私の中で、将来大学とかでしっかり学びたいなという思いを持つきっかけになった出来事でした。
そうですね。一つのことを極めて、自分の強みと言えるものを持つのは大切だと感じています。ただ同時に、自分の考え方や価値観に関しては、『これがいい』と思った時にはどんどん変えていきたいと思っています。今の時代、常識や技術、ビジネスが次々と新しくなっていくので、自分が一点に留まり続けていると、過去に取り残されてしまう気がして。もちろん、なんでも変えればいいというわけではないのですが、試しに変えてみて良ければ取り入れる、そのくらいの柔軟なスタンスで居続けたいと思っています。
まさにそうです。どうしても年齢を重ねると、新しいものを取り入れるハードルは上がる気がしていて、一般的にも30代後半くらいになると、無意識に拒否反応が出やすいと聞きます。でもだからこそ、一瞬「なんだこれ?」と思ったことも、そこで拒むのではなく、一度取り入れてみてから良し悪しを判断したいですね。見たことない料理も食べずにイマイチだと決めつけるのではなく、とりあえず口にしてみる、そんな感じです。
働いていく中でですかね。私も学生時代、同じように漠然とした不安を抱えていた時期がありました。先が見通せないことによる不安は今でもありますし、居心地の良い場所に留まりたくなる気持ちもよく分かります。でも、どうせ未来は見通せないのであれば、一見安定に見える場所が本当にそうなのかもわからないですよね。1〜2年はよくても、5年後や10年後は分からない。それならば、どこにいても結局は同じかと思います。変化を恐れすぎるのは勿体無いと思うので、時には思い切って、新しい方向に動いてみるのもいいかなと思います。
特に環境については、ひとつの場所に長くいることで深い経験が積める一方で、良くも悪くもその環境に染まる部分もあると思っています。だからこそ、たまには思い切って環境を変える、いわゆる“味変”も必要なのかなと。これは社会人になってから、マインドが変わった点だと感じます。
もちろん良かったとは思っていますが、ある選択が本当に良かったかどうかは、何年か経った後に結果論でしか言えないような気はしています。今のところ後悔は全くありませんが、本当の意味で「良かったな」と思うのは将来的になるかなと。大事なのは、何を選択したかというよりは、ちゃんと自分で選択したよっていう自覚なのかなと思います。
以上、伊藤さんのインタビューでした。
これからも天地人のメンバーにインタビューしていくので、お楽しみに!
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