【無料で使える】天地人コンパスの新機能を使って、ニューヨークと気候の類似性が高い「日本のニューヨーク」を探してみた!
天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス『天地人コンパス』を提供しています。
2022年9月29日に、天地人コンパスに新たに2つの新機能「類似度分析」と「計測」がアップデートされました。
今回はその新機能を使って、日本全国からニューヨークと気候の類似性の高い都市「日本のニューヨーク」を探してみたいと思います。
皆さんも、このnoteを読みながら一緒に天地人コンパスを使って分析してみましょう!
こちらからアカウント登録をすることで、天地人コンパスが利用できます。
『天地人コンパス』にアカウント登録しよう
天地人コンパスは、宇宙ビッグデータを扱うことのできる "WebGISサービス" です。
天地人コンパス上には、各種データ(衛星データ・地上データ)が揃っているため、ユーザはデータ収集を行うことなく、すぐに分析できる環境が整っています。
『天地人コンパス』フリープランを利用するためには、アカウント登録が必要です。アカウント登録は下記サイトから行えます。
アクセスすると、以下のような画面が表示されます。氏名・メールアドレス等の必要事項を記入して、作成ボタンをクリックします。
入力いただいたメールアドレス宛に「メールアドレス認証」に関するメールが送付されるので、本文記載の認証URLをクリックして、アカウント登録を完了させてください。
※アカウント登録に関して、ご不明な点等がございましたら、info-compass@tenchijin.co.jp よりお問い合わせください。
『天地人コンパス』フリープランを使ってみよう
まず、「天地人コンパス」フリープランでどのようなことができるのかをご紹介します。以下の機能が利用できます。
★マークは9月リリースの新機能です。
地図表示機能
世界中の地図と写真(衛星写真/航空写真)をベースマップとして表示できます。画面右下で表示の切替ができます。
オーバーレイ機能
国土地理院等が公開する地図(例えば、地形の凸凹がわかる地図や土壌の性質を示した地図)を重ね合わせて表示できます。フリープランでは、日本国内に限り表示可能です。レイヤの重ね順や透過率は、画面右側より変更ができます。
下の2つの画像は、オーバーレイ機能を使って、色別標高図の上に洪水浸水想定区域(想定最大規模)を重ねています。
2つの画像を比較してみると、標高が低い(青~緑色部分)かつ、周囲を標高が高い(赤色部分)山などで囲まれていて、谷のようになっている地域は、洪水の被害に遭いやすいことが視覚的にもわかります。
フリープランで閲覧可能な地形・地質等データ
以下の 9種類のデータを扱うことができます。
色別標高図
陰影起伏図
傾斜量図
洪水浸水想定区域(想定最大規模)
土地利用土地被覆図
地質図
土壌図
植生図(植生区分/植生自然度)
森林非森林
気象データ表示機能
世界の地表面温度(1 km分解能)と降水量(10 km分解能)、日本の日射量(1 km分解能)をグラフ表示できます。地上観測の難しいエリアにおいてもデータの取得が可能です。
フリープランでは、データ期間を限定して公開しております。また、同時にデータ取得できる地点数を3地点に限定しています。
【気象データ表示機能の使い方】
① 画面左上のツールバーの「ピン」アイコンをクリック。
② 気象データを表示したい地点を、地図上でクリック。
③ データの種類を選択(地表面温度・降水量または日射量)。
④ データの取得期間を指定。
⑤ データを読み込みボタンをクリック。
衛星から取得した気象データのグラフが表示されます。
なお、グラフにマウスオーバーすると値が表示されます。
フリープランで閲覧可能な「衛星から取得した気象データ」の特徴
地表面温度(日中/夜間)
取得可能範囲: 世界の陸域のみ
期間: 2020年1月~前月
空間分解能: 1km
降水量
取得可能範囲: 世界の北緯60°~南緯60°に挟まれるエリア
期間: 2020年1月~前月
空間分解能: 10km
日射量
取得可能範囲: 日本の陸域のみ
期間: 2019年1月~2019年12月
空間分解能: 1km
メモ機能
地図上にピンを立てて、メモを追加できます。フリープランでは、登録可能なメモの件数は3件です。
ファイルインポート機能
お持ちの地図ファイルを、天地人コンパスにインポートできます。フリープランでは、KMLのみ対応しております。
類似度分析機能(★)
2点間の地表面温度や降水量の類似度を分析する機能です。
詳細については、4章でご紹介します。
計測機能(★)
2点間の距離や、面積を計測することができます。
ここでは、『天地人コンパス』フリープランの大まかな機能や扱えるデータを説明しました。次からは、いよいよ新機能を使って「日本のニューヨーク」を探します!
みなさん、アカウント登録とログインはできましたか?
「ニューヨーク」の気象情報を取得してみよう
まずは気象データ表示機能を用いて、ニューヨーク「セントラルパーク」にピンを立て、周辺エリアの気象情報を取得してみましょう。気象データ表示機能では、衛星から取得した地表面温度と降水量の情報をピンポイントでグラフ化することができます。
こちらは月ごとの地表面温度と降水量のグラフです。
折れ線グラフ【赤】は、日中の地表面温度(平均値)を、
折れ線グラフ【青】は、夜間の地表面温度(平均値)を、
棒グラフは降水量(1ヶ月分の降水量合計)を示しています。
ニューヨークの気候の特徴として、日本と似たような四季があることがわかります。夏の日中の地表面温度は25~30℃程度で、最も暑い月には30℃を超え、降水量も多くなります。また、冬には夜間の地表面温度がマイナスになることがあるようですね。日本の東北地方と気候が似ていそうですね。
この情報をもとに、ニューヨークと気象条件がそっくりな「日本のニューヨーク」を探していきましょう!
「ニューヨーク」と「日本の都市」を比べてみよう
つぎに、9月リリースの新機能「類似度分析機能」を使って、ニューヨークと日本の各都市を比べていきます。
類似度分析機能とは、任意の2地点間の気象条件がどの程度似ているのかをパーセントで算出する機能です。指定した期間における、気象データ(地表面温度・降水量)を用いて、値の変化の仕方や値の大きさの類似性を総合的に評価し、離れた2地点の ”似ている度合い” を定量的に表現します。
【類似度分析機能の使い方】
① 画面左上のツールバーの「類似度分析機能」アイコンをクリック。
② 基準となる地点(今回の場合は「ニューヨーク セントラルパーク」)を、地図上でクリック。
③ 比較の対象となる点(今回の場合は「日本の都市」)を、地図上でクリック。
④ 分析期間と比較を行う項目(地表面温度・降水量)を選択。
⑤ 分析ボタンをクリック。
各項目の類似度と総合的な類似度が表示されます。
前章にて、「ニューヨーク」と「日本の東北地方」が似ていそうだと予想できたので、東北地方のいくつかの都市にピンを立てて分析してみましょう。
まずは仙台からスタートです!
各都市にある「大きな公園」にピンを立てていきます。皆さんもぜひ気になる地点にピンを立てて、分析してみてください!
類似度分析の結果から、地表面温度の類似度89%、降水量の類似度81%、総合評価85%の 青森県の「あの場所」が、ニューヨークと最も気候が似ている「日本のニューヨーク」と言えそうですね。
それでは「日本のニューヨーク」はどこなのか、ズームして見てみましょう。
気象データ表示機能を使って、月別の地表面温度と降水量のグラフを見てみましょう。
ニューヨークと青森市の地表面温度はそっくりですね。地表面温度類似度が89%と高くなっているのは納得です。
一方、降水量については、雨の降る時期に違いが見られるため、降水量類似度は少し低くなっていますね。
今回ご紹介した類似度分析機能を使うことで、現地に行かずとも、複数の地点を比較分析することが可能です。それにより、農業分野における栽培適地や自然の力を使う再生可能エネルギー施設の建設地などを検討できることが期待されます。
また天地人では、衛星や地上センサによる観測データや地形情報などの様々なデータと機械学習を活用することで、お客様のニーズに合わせたオーダーメイドのコンパス機能の開発も行っております。
具体的な天地人コンパスの活用事例は、こちらに掲載しております。
ご質問等ございましたら、info-compass@tenchijin.co.jp までお気軽にお問い合わせください。
(ビジネス開発インターン 髙橋)