「デザインの力で社会を変えたい」グラフィックデザイナー Polly Tayarachakul l\\てんちびとインタビューVol.28
皆さんこんにちは! 天地人の学生インターンの田嶋です。
天地人は、2050年にも持続可能な地球環境を目指して活動するJAXA認定ベンチャーです。宇宙ビッグデータをWebGISサービス「天地人コンパス」で解析・可視化することで、まだ誰も気付いていない土地の価値や地球の資源を明らかにするサービスを提供しています。
このコーナーでは、毎月1回、天地人で働く社員を紹介しています。今回は、てんちびとインタビューの第28弾として、天地人のグラフィックデザイナー、 Polly Tayarachakul さんにインタビューします。
タイ出身の一流デザイナー!
タイのバンコク出身で、大学卒業までタイで過ごし、約8年前に日本に来ました。文部科学省のMEXTという奨学金を支給され、最初の2年間は研究生として活動していました。その後は、日本の大学院に進学し、日本で就職しました。去年の冬に天地人に転職し、今に至ります。
そうです! 母国語はタイ語ですが、英語、日本語、そして中国語も少し話せます。日本語は、高校生の時に基本文法を習いましたが、その後は学ぶ機会がありませんでした。来日と同時に勉強を再開したのですが、最初の2年間は苦労も多く、泣くこともありました。
デザイン学科に所属し、ビジュアルコミュニケーションデザイン(視覚情報デザイン)を学んでいました。イラストを描くのもとても好きだったのですが、大学の授業でグラフィックデザインに触れ、デザインを専攻に選びました。それが、今のデザイナー職に繋がっています。天地人に来る前も、ずっとデザイン関連の仕事をしてきました。
あくまで私の考えではありますが、漫画やアニメにおけるイラストは、”イラストそれ自体”がメインになるのに対して、グラフィックデザインは、”それを通して何かを伝える”ためのものになります。例えば天地人のプロダクトにおいては、デザインによって共通イメージを生み出し、情報やメッセージを視覚的に伝えることが大切だと考えています。
イラストは本当に好きなのですが、仕事としては向かないと考えました。私の中でイラストはアートに近くて、自分の内面から生み出す感覚なんです。自分の中からいっぱい引き出して、最終的に出来上がったイラストが気に入らなかったら、自分自身のことも嫌いになってしまうこともあります。一方でデザインは、外にあるものを組み合わせて創出するイメージなので、気持ちが楽なんです。もちろん、自身の好きなテイストが入ってはいるのですが、感覚として自分そのものではないというか......。
そうなんです! クライアントさんの希望や、解決したい課題に対し、自分なりの表現で最適解を生み出していくのがデザイナーの仕事かなと考えています。
デザイナーとしての使命。
前のデザイン会社に勤めていた時から天地人のことは知っており、声をかけていただいたことで転職してきました。私にとって初めての日本の会社で不安も大きかったのですが、入社してみたら全然大丈夫でした。
クリエイティブチームの仕事はブランディング、UX/UI、イベント関連のデザイン、動画やPR画像まで多岐に渡っています。メンバーのそれぞれが主担当の業務を抱えており、状況に応じて助け合いながらチームで仕事を進めています。私は、主に動画制作や、グローバル関連の仕事を担当しており、現在は英語・フランス語・ドイツ語の3ヶ国語でのKnoWaterleak ランディングページの制作を請け負っています。
KnoWaterleak:「天地人コンパス 宇宙水道局」グローバル版の名前
クリエイティブチームの仕事は、外部の方がもつ天地人のイメージに大きく関わってきます。そのため、ビジュアルやデザインだけではなく、色のトーンなども熟考の上でデザインを決めています。例えば、天地人のホームページでは紺色と金色が主に使われていますが、プロダクトによっては、その2色を基準に、少し明るいトーンのランディングページを作成することもあります。このように、様々な部分に意識を向けつつ、統一のイメージを作り出していくことが、面白いところでも難しいところでもあります。
意味のあるデザインを作りたいと思っています。私は、デザインは、社会的に大きな課題を解決していく手段にもなりうると考えています。そのため、本当に大きな問題を解決していくために、デザインで何ができるのかについては、日々考えながら仕事をしています。
両方ですかね。人にメッセージを伝える力も、それをみた人の心を動かす力も、デザインにはあると思っています!触れた時、なにかを感じてもらえるようなデザインを生み出せるよう、今後も経験を重ねていきたいです。
漫画家になりたかった幼少期
そうですね。はっきりとは覚えていませんが、幼稚園生の頃から姉を真似て絵を描いていました。私の家族はみんな「ドラえもん」が大好きで、家に漫画がたくさんあって。ドラえもんだったり、他の少女漫画のキャラクターだったりのイラストを、よくノートに書いていました。イラストだけでなく、ストーリーや構成も考えて、オリジナルの漫画作品を描くこともよくありました。
漫画家です! 小学校のクラスでは、私の漫画ノートが回し読みされていました。みんなが続きを楽しみにしてくれるのが、とても嬉しかったのを覚えています。
はい! 日本の漫画も多くあり、子供時代に日本の漫画やアニメを見ない子の方が少ないと思います。私は、中学生以降はジャンプ作品をよく読んでいました。一番好きだった作品は、アメフト漫画の『Eyeshield 21』です。作者の村田雄介さんの描かれる絵がとても好きなんです。
藤子不二雄さんのストーリー展開は凄いですよね。ショートストーリー等もよく読んでいましたが、40-50年前の作品なのに今読んでも全く古くないし、実際に現代の社会問題になっているテーマを描いた作品も多くて驚きます。それこそ「ドラえもん」は、わたしたちに未来のイメージを与えてくれたように思います。
日本で見た満開の桜。
子供の頃の長期アメリカ留学です。10歳の頃、姉と一緒に渡米し、親戚の家に2年間滞在しました。本当に何もわからなくて、カルチャーショックの連続でしたが、それがすごく面白かったです。まだ幼く、決まった価値観も何もないまっさらな状態だったので、文字通り世界が変わりました。小学生だったので、同級生の誰も、タイがどこにあるのかも分からなくて。それでもみんなすごくフレンドリーで、「英語話せる?話せないか!大丈夫だよ!一緒に遊ぼう!」って。アメリカの人たちは、みんな自由でいいなあと感じたのをぼんやり覚えています。タイに戻った時は、逆カルチャーショックにもなりました。
本当に行けて良かったです。あとは大学受験です。タイには美術単体の大学はないのですが、美術系の学科では、私の母校が国で一番の難関でした。対策するために、高校生の時から美術専門の予備校に通い、デッサンを沢山書いてきました。そのため、合格発表で自分の番号を見た時が、人生で一番嬉しい瞬間だったと思います。
そうですね。日本にいくための奨学金に受かった時が、人生で二番目に嬉しい瞬間だったかもしれません。新学期開始に合わせて来日したので、季節は春、4月初旬でした。初めて東京に降り立ったとき、人生初の桜を見たんです。ちょうど満開で、とても綺麗でした。不安な気持ちと相まって、非常に印象的で、今でもよく覚えています。
はい! 私、日本が大好きなんです。日本は、国民のデザイン認識が高いと思います。いつ、どこに行っても綺麗なものがある。プロダクトデザインにしても、お土産コーナーには未だに感動します。普通に生活しているだけでも、いつでも身の回りに素敵なデザインがあって、いつも勉強できるのが幸せです。
以上、Pollyさんのインタビューでした。
これからも天地人のメンバーにインタビューしていくので、お楽しみに!
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