世の中の階層探求 地獄模様 vol.3-1「等活地獄」
地獄とはどんな世界なのでしょうか?「地獄」というのは、中国の言葉で、
インドの言葉では、「捺落迦 」と言われます。日本語でも「奈落 の底」といわれるときのるときの「奈落 」という言葉となって使われています。
地獄は、私たちが、生まれ変わり死に変わり、輪廻転生する世界でも、最も苦しみの激しい世界です。
そして最も転生する可能性が高い世界でもあります。
今苦しんでいる人は、死んだ後もジゴクの苦を受ける。
この世のジゴクから、死後の地獄へと堕ちてゆく、この世の地獄で苦しんでいるので、その結果、死後の地獄に堕ちていくのです。
この世のジゴクとは、何のために生きているのか分からず、毎日が不安で暗いことをいいます。
この世のジゴクを「自業苦」と書くこともあります。
このような現在が真っ暗闇の生活を送っている人は、死後も必ず真っ暗闇の
地獄へ堕ちて苦しまねばならないことを苦より苦に入り、やみよりやみに入る、と説かれています。
地獄には8つの世界があると言われております。
1.等活地獄(とうかつじごく)
八大地獄の中で最も苦しみの軽い地獄が等活地獄です。
殺生罪によって、等活地獄に堕ちます。
この等活地獄に堕ちた人は、お互いに顔を見合わせると憎しみが沸いてきて、つかみ合いのケンカを始めます。
みんな手に鉄の爪が生えて、鋭い刀のように相手をひっかき合い、鮮血はあたりに飛び散り、果ては肉もなくなるまで争います。
白骨だけが残ると、そこへ獄卒がやってきて骨を粉々に砕きます。
すると、一陣の凉しい風が吹いて、どこかで「活!活!」と叫ぶ声がします。この声を聞くと粉々になった骨がいつの間にかくっついて、元の骨組みになり、辺りに飛び散っていた血や肉もたちまち、元の身体になります。
そしてまた、鉄の爪でひっかき合って、苦しみが絶えない世界です。
それがどれくらい続くかというと、人間界の900万年を一日一夜にして500歳の寿命と説かれているので、約1兆6千億年という気の遠くなるような長さです。
「現代人の仏教教養講座」~仏教ウェブ入門講座より抜粋
生きている間は大丈夫かも知れませんが、死んだらどの階層の地獄に堕ちるのかそれとも天国に迎え入れられるのでしょうか?