「サラミ・スライス戦略」とは
サラミ・スライス戦略とは、大きな目的を達成するために、全体を小さく分割して少しずつ進めることで、周囲に気づかれにくくしたり、反発を抑えたりする戦略です。
この名前は、サラミを薄くスライスする様子から来ており「一度に全部を取るのではなく、少しずつ削り取る」事をそのまま象徴しています。
日常生活から軍事まで、かなり多くのケースで使われており、近年では政治にまつわる分野でかなり多用されています。
現在のステルス増税路線も、このサラミ戦術が行われ続けた結果であり、国民が茹でガエルになっている状態です。
具体的な例
政治の場面
ある国が隣国の領土を取りたい場合、一気に侵攻すると国際的な反発を受けるリスクが高まります。
以下のように段階的に進行します。小さな島や領土を「歴史的に自国のもの」と主張する。
小規模な軍事基地を建設する。
経済活動(漁業や資源採掘)を進める。
企業の戦略
競合他社を買収したい場合、一気に大規模な買収を行うと反トラスト法(独占禁止法)に引っかかる可能性があります。まず、小規模な子会社を買収する。
さらに関連事業を少しずつ買い足す。
最終的に競合を吸収してしまう。
個人の日常の例
子どもが「テレビを1時間見たい」と言うと親が断るかもしれません。「5分だけ見ていい?」と少し許可を得る。
次に「あと10分だけ」と言い足す。
気づいたら1時間以上見ている。
ポイント
目立たない:一度に大きな変化を起こさないことで、相手の警戒心を和らげます。
段階的:目標に向けて小さなステップを繰り返すことで、反対を受けにくくなります。
不可逆性:一度スライスを切ったら元に戻すのが難しい状況を作ります。
サラミ・スライス戦略は、非常に狡猾な手法であり、倫理的な問題を伴うことが多いです。
使われる状況や背景を理解することが重要です。