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【卓球】分かりづらい強さ 脚運びの細かさ編


卓球は繊細なスポーツだ。我々が普段打ち合っている球は重さわずか2.7gしかない。そのため数センチのズレがミスに繋がる。

さっきまで入っていた攻め球が入らなくなる、あるいは少し意識を変えるだけで調子がガラリと変わる。
よく「流れがいい」「流れが変わった」なんて表現が使われるが、それだけ卓球は微調整や身体操作のメンテナンスが難しい競技だと言うことではないだろうか。

冒頭に貼った
「卓球ストーカー」こと岩城禎さんと、関東のカリスマ・めしだ会長の試合なんかはまさにそれだった。

序盤はお互い球が合わない中、画面越しでも分かるほどの剛腕ドライブを打ちまくるめしだ会長。勢いそのままに1ゲーム目を先取する。
岩城さんのブロック力を持ってしてもこれほどの攻撃をさばき続けるのはかなりしんどそう…そんな印象を受ける。

だが、2ゲーム目以降状況は一変する。
1ゲーム目では豪速球を何度も打ち込んでいた会長だが、その率は徐々に落ちていく。攻撃のミスによる焦りからか、ショートやツッツキにも狂いがではじめる。
対して岩城さんは全然ミスらない。会長のような派手さのある球ではないが、何でもないようなスイングから淡々と攻め続ける。

結果的にこの試合は3-1で岩城さんの勝利となる。

フットワークに注目して試合を眺めてみると、あることに気づく。
タイトルの通り、脚運びの細かさだ。

「フットワーク」「脚運び」と聞いて多くの人がイメージするのは、
台の端から端まで豪快に動き回る姿だったり、
延々と振り回されても姿勢を崩さない脚力だったりするのではないだろうか。もちろん、それらが大事なのは言うまでもない。

だが、打球の安定感を大きく左右するのは「脚運びの細かさ」「ステップの多さ」ではないだろうか。
これについては上に貼り付けた「わった」こと池田亘通さんのツイートがとても勉強になる。ブックマーク推奨。

その視点で冒頭の試合を見返してみると、岩城さんのステップの細かさに気付かされる。
返球した後にその場で1ステップ踏んでいる。
(テニスだと"スプリットステップ"なんて言われたりする)

筆者を含め、初級者〜中級者レベルのプレーヤーは往々にしてフォームや回転量、球の速さなどの分かりやすい凄さに注目してしまいがちだ。
フットワークの細かさ・微調整のうまさに注意して上級者の試合を見ると、また違った景色が見えるかもしれない。

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