【ブンデスリーガ第13節】グラードバッハ 1-1 BVB
■ 2024年12月7日(土) 18:30キックオフ
■ Borussia-Park
夜中の試合なのでスカパーを録画して日曜日に早起きした。前節アウェイでフライブルクに苦杯を喫し、ここで踏ん張れるかどうか問われる試合。ホームとはいえ敵は手ごわい。なんとか勝ち点3を確保したい。
前節負けたことを受けて布陣を一部入れ替え。最終ラインはこのところ先発していたフリードリヒに代えてエルヴェディを起用、前線ではハックをベンチに置きシュテーガーを先発させた。福田はベンチ入り。
布陣
ニコラス
スカリー 板倉 エルヴェディ ウルリヒ
ライツ ヴァイグル
オノラ シュテーガー プレア
クラインディーンスト
前半
グラードバッハは立ち上がりからハイプレスを敢行、展開されれば素早く自陣でブロックを形成してゴール前を固める守備的な戦いに。奪ったボールはワンタッチで前に運ぼうとするが起点が低く敵陣で形になるシーンは散発。
15分、オノラのCKにライツがダイレクトボレーで合わせるが、敵DFがゴール前でブロック、軌道の変わったボールはわずかにゴール左にはずれた。しかしここでVARが介入、ブロックしたDFの手にボールが当たっているのがリプレイでも確認できた。
審議の結果、おそらく不自然に身体を大きく見せたわけではないとの判断でノーファウルに。ゴール前でのプレーであり手にボールが当たったこと自体は明らかなので、OFRはしてほしかった。議論のあり得るシーン。
その後もボールを保持するBVBに対して奪ったボールを速い切りかえから前線に送ろうとするグラードバッハという流れになるが、ともにチャンスは少ない。自陣で守備をする時間が長いがしっかり我慢できている。
45分、シュテーガーからパスを受けたライツが遠めからねらったが大きく枠をはずれる。互いに大きな見せ場のないままスコアレスで前半を終える。どちらも決め手を欠きにらみ合っている。先制点が試合を分ける。
後半
後半立ち上がりの48分、シュテーガーがFKを直接ねらうがわずかにゴール右にはずれる。流れは変わらず、ボールはBVBが保持するがグラードバッハは奪ったボールからの切りかえをねらい、拮抗した攻防となる。
63分、オノラが右サイドから切れこんで落としたボールをヴァイグルがエリア外からねらうがGKがセーブ。すると64分、右サイドから切れこんだ敵FWがシュートコースが空いたのを見逃がさずシュート。これがバーをたたいてゴール内に落ちBVBが1-0と先制する。
しかし68分、オノラのCKに中央でプレアが合わせたボールがゴール前に落ちるがクラインディーンストが一歩遅れて押しこめず、そのままボールはファーに流れる。ここでVARが介入、クラインディーンストが敵DFに引っ張られたPKの可能性が確認される。
OFRの結果敵DFがクラインディーンストを引っ張って倒したとの判定になりPKが与えられる。71分、これをシュテーガーが冷静に決めて1-1の同点に追いついた。敵GKの動きを見て中央に決めた。
75分シュテーガーとプレアに代えてザンダーとハックを投入。ザンダーはボランチに入りライツを一列上げてトップ下に置いた。81分、ハックがCKからのこぼれ球をシュートするが敵GKのセーブに遭いバーをヒット、ゴールには入らなかった。
89分、オノラ、クラインディーンストに代えてエングム、チュヴァンチャラを投入、逆転をねらいに行く。しかし90+5分、前線でフィードを受けようとしたチュヴァンチャラが敵DFと競り合ったプレーがファウルとなる。
直前にも同様のプレーで警告を受けフラストレーションのたまっていたチュヴァンチャラはこの判定に不満でボールを投げ捨ててしまい二度目の警告で退場に。グラードバッハは土壇場で一人少なくなってしまう。
90+7分、ライツに代えてフリードリヒを投入、最終ラインを5枚にしてなんとか残り時間をしのぎきり、結局試合は1-1の引き分けとなった。
戦評
ボールを持たれながらも前半をスコアレスで終了。後半先制を許したが直後にPKで追いつき、逆転の目もあったが最後は無用の退場で引き分けで満足せざるを得ない状況になってしまった。
シュート数9-16、CK7-4、ポゼッション40-60と流れとしてはBVBが優位だったが、集中した守備で最少失点に抑え、逆転の可能性もあった。どちらに転んでもおかしくない試合で、引き分けの結果は妥当だが、それだけにしっかり勝ちきりたかった。
ワンタッチでパスをつなぎながら裏のスペースに一気に展開する戦術自体は引き続き機能しているが、ボールを握られると守備に割く時間が長く、消耗するしリスクも高い。早い時間帯の押しこんでいる局面で先制しておきたかったし、ライツのシュートが敵の手に当たったのがPKになっていればという感はあった。
ホームで最低限の結果は得たがここ2試合1敗1分とペースダウン。さいわい日程的にはホームゲームが続く巡り合わせとなっており、次節もホームでキールと戦う。ここでしっかり勝ち点3を稼ぎ、後ずさりに歯止めをかけたい。
ウルリヒが試合に慣れたかプレーの質が一定してきたように見え、スカリー、ライツらとともにはつらつとしたプレーを見せてくれているのが頼もしい。一方でシュテーガーは独りよがりのプレーが散見されてリスクを感じる。いい選手だがむずかしい。
真価の問われる局面が続く。13試合で5勝5敗3分と勝敗は五分のまま、勝ち点は18(1試合あたり1.38)で順位は11位に後退したが中位は混戦で、6位のBVBとは勝ち点3差のまま、一方で13位のアウグスブルクとも勝ち点2差となっている。
この中位争いから脱落しないためにも次節のホームゲームが大事な試合になる。勝ち星を先行させたい。
ゲラルド・セオアネ監督談話
「試合終了間際にBVBはギラシの大きなチャンスがあったとはいえ、パフォーマンスから見れば妥当な引き分けだったと思う。我々は守備面では、ビルドアップが非常に多彩で主導権を握ってくる敵にしっかりフォーカスしていた。特に前半はそうだったと思う。もちろんBVBには得点を決めたギテンスのように個で局面を打開できる選手がいた。いつも守りきることができるわけではないが、全体としての守備には満足している。満足できないのは攻撃のパフォーマンスだ。あまりにも技術的なミスが多く、いい状況を生かすことができなかった。それでも失点のあと意志を曲げずに同点にしたPKを獲得したことは素晴しかった」
結構激しい雨中の試合だった。