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【ブンデスリーガ第32節】BVB 5-2 グラードバッハ

■ 2023年5月13日(土) 18:30キックオフ
■ Signal-Iduna-Park (Dortmund)

実家に帰省中だったのでスカパーを録画して日曜日の夜に見た。結果情報の遮断はそれほどむずかしくなかった。

前節ホームでボッフムに快勝してのアウェイ・ゲーム。優勝争いの渦中にあるBVBが相手とあって厳しい戦いになることは予想されるが、なんとか勝ち点を持ち帰りたい。

板倉が警告累積の出場停止から復帰したもののベンチ・スタート。プレアが出場停止のためエングムがトップで先発となった。オムランはケガで欠場となりオルショフスキがゴールを守る。

オルショフスキ
ライナー フリードリヒ エルヴェディ ベンゼバイニ
コネ ヴァイグル
ホフマン ノイハウス ヴォルフ
エングム

ホームの圧のあと押しを受けて高いモラルで試合に入るBVBに対し、特に目指すものもないグラードバッハは立ち上がりから押しこまれる。5分、中央から攻めこまれシュートを打たれる。ベンゼバイニがブロックに入りゴール前に上がったボールを頭で押しこまれ失点、早くも0-1とビハインドを背負う。

12分、中央のノイハウスからパスを受けた左サイドのベンゼバイニがワントラップから右足でシュートを放つが敵GKがセーブ。

17分、敵FWが中央でパスを受けたところに後ろからノイハウスがあびせ倒すかたちになりPKとなる。18分、PKに対しオルショフスキが飛んだ方向は当たっていたが身体の下をボールが抜けゴールに。0-2となる。

さらに直後の20分、ポケットに入られここからの戻しのパスをヒールで引っかけられてたて続けに失点、0-3とされる。この時点で試合としては決まった感があった。人は揃っていても連携して守る意識が足りなかったように見えた。

グラードバッハはそれでも攻撃をしかけ、27分にはヴォルフからのパスを受けたエングムが左サイドから切れこんで巻いたシュートをファーに狙うが枠の外に。攻撃も連係よりは散発、個人の踏ん張りの集成という感じで意図が見えてこない。

逆に32分、ワンタッチで左サイドの裏を取られ、ここから折り返されたボールを中央でダイレクトで合わされ失点、0-4とリードを広げられる。すべてワンタッチでボールがつながっており下がりながらの対応で後手にまわった。頭のなかでチーンと音がした感じ。

36分、左サイドで得たFKをホフマンがけるとファーのフリードリヒが頭で合わせるが敵GKに押さえられる。着々と加点され気がつくと4点差で前半を終えた。

後半からヴォルフに代えて板倉を投入、フリードリヒを中央に置いた3バックに移行し、3-5-2のフォーメーションに。これで後ろが安定し、攻撃にも連続性が出てくる。48分、ホフマンの右CKから後ろにこぼれたボールをノイハウスがダイレクトで狙うがバーの上。

その後はリスクを取る必要のないBVBに対し、グラードバッハが積極的に攻める展開に。68分、ノイハウスに代えてクラマーを投入。ノイハウスはそれほど悪くなかったと思うが、まあクラマー投入自体は悪くない。

73分、パスを受けて左サイドからエリアに入りこもうとしたベンゼバイニが競り合いで倒される。これがPKとなり、75分、ベンゼバイニが自らこれを決めて1-4に。ここでエングムとコネに代えてシュティンドルとネッツを投入。クラマーがボランチに落ちたと思う。

76分、シュティンドルのスルー・パスを受けて裏抜けしたネッツがループ・シュートをねらうがボールの勢いが足らずゴール直前で敵DFにクリアされる。決めておきたかった。82分、エルヴェディに代えてヤンチュケを投入。ケガか。

86分、ベンゼバイニの長いボールを追ったネッツが敵陣深いところでこれを収めると、ここからの戻しのパスをエリア外で受けたシュティンドルがワン・トラップからけりこんでゴール。2-4と2点差にする。

さらに88分、敵陣で引っかけたボールを右サイドに展開、ライナーが深いところから折り返したボールを再びシュティンドルがダイレクトでねらうがシュートは敵GKにセーブされる。これも決まっていておかしくないシュートだった。

アディショナル・タイムには敵FKが枠に来たのをオルショフスキがセーブするがボールを確保しきれず、これを押しこまれて失点、最終的には2-5で試合を終えた。

そこまで個々の動きが悪かったわけではないと思うが、チームとして試合に入るなかでの焦点が絞りきれず、意思結集ができないままズルズルと失点を重ね自ら試合を難しくした。後半フォーメーションを変えて立て直し、2点差まで詰め寄ったが4点差は重く、最後にダメ押しを受けて試合終了。モラルを保ちにくいチーム状況が出た。

シュート数13-34、CK4-10、ポセッション45-55とBVB優位は動かせず、特に前半やられすぎた。もっと悪い結果になる可能性もあったが、なんとか一矢は報いたと考えるべきか。後半の逸機が悔やまれる。

この試合のどこを見るかで評価は変わってくると思うが、チーム全体の目標を設定しにくいなかで、なんのために戦うのかの「意味」を設定するのは監督の仕事であり、組織的な動機づけができていない感じがする。

終盤、ネッツがいい動きをしたのと、シュティンドルがモラル高くチームを引っ張ってくれているのが救いだったが、今季残り2試合、今のメンバーのいいところをあらためて見てみたい。

これで32試合を終え、10勝13敗9分で勝ち点は39(1試合あたり1.22)で11位。このままでは終われないだろう。

ダニエル・ファルケ監督談話:
「我々はこの結果に落胆しているし、非常に満足できないまま家路につくことになる。我々の前半のパフォーマンスを見る限り妥当なものだ。そこでは事前に考えていたことがなにひとつできなかった。我々はボールを持っているときも持っていないときも非常に規律に欠け、攻撃面でもしっかりやりきることができていなかった。そのためにBVBはトランジットから多くのチャンスを作っていた。我々の一対一の競り合いは今日はのっそりしたものだった。後半はまったく問題がなかった。しかしこんなふうに前半をプレーすれば、ここで勝ち点を得ることからはほど遠い状態になるということだ」

オルショフスキはいい経験になったと思う。

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