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【ブンデスリーガ第16節】グラードバッハ 0-1 バイエルン
■ 2025年1月11日(土) 18:30キックオフ
■ Borussia-Park
日曜日未明の試合だったので日中にスカパーの見逃し配信で見た。ウィンターブレイク明け、2025年最初の試合。シーズン前半17試合を消化したところでブレイクに入りたいところだが日程の都合かこれが第16節。
いきなりバイエルンとの対戦は厳しいが、必ずしも相性は悪くなく、中断前の好調を持続したい。守備的な試合になることが見こまれるが我慢強く戦って勝ち点をもぎとりたいところだ。
オノラが欠場し、ライツとザンダーをインサイドハーフで併用、ヴァイグルがアンカーに。前線はプレアとハックを両翼に置いた形とkickerの布陣には出ているがよくわからず。守備時は4-4-2になっており、ライツを右ウィングに置いた4-2-3-1にも見えた。
布陣
ニコラス
スカリー 板倉 エルヴェディ ウルリヒ
ヴァイグル ザンダー
ライツ プレア ハック
クラインディーンスト
前半
立ち上がりからバイエルンがボールを支配、ほぼハーフコートマッチとなる。しかしグラードバッハは自陣深いところで強固なブロックを構築、最後のところは身体を張って守り、バイエルンにゴールを許さない。
ブロックしたボールを拾ってカウンターからチャンスをつくりたいところだが、いかんせん起点が低く、セカンドボールも大半はバイエルンに回収されてしまい自陣から出ることすらままならない状況。それでも集中は切らさない。
いくつか決定機もつくられるが中央をガッチリ固め、枠に飛んだシュートはニコラスが好セーブを連発し抑えこむ。37分には自陣エリア内でヴァイグルがクリアしようとしたボールが顔面を守ろうとしたライツの手に当たった可能性でVARチェックが入るがOFRに至らずノーファウルに。判断はおかしくなかったと思う。
45分、最後にスカリーがカウンターで持ちあがるが敵DFにスライディングがクリアされる。チャンスになりそうだったがアディショナルタイムなくここで前半終了。試合指揮にやや疑問を残したが前半スコアレスは悪くない。ただこのまま最後までもつとは思えない。
後半
後半に入るとグラードバッハが前に出始める。49分、右サイドのライツからのクロスにファーのクラインディーンストが頭で合わせるがシュートはわずかにバーの上に。枠に行っていればゴールの可能性あったが惜しかった。
前半よりラインを高く設定し、ハイプレスからのショートカウンターをねらう戦いにシフト、前半よりボールを奪えるようになっている。その後の対人で上まわることができずフィニッシュまで持ちこめないシーンもあるが、明らかに戦い方を変えている。
一方でのぶん後ろのリスクも増え、交互に攻撃をしかける流れになるが、引き続きニコラスが当たっておりクリティカルなシーンもなんとかしのぐ。62分、ハックとプレアに代えてネッツとシュテーガーを投入、ネッツはそのまま左ウィングに入った。
66分、エリア内でしかけられ、ウルリヒがこれを引っかけてPKを与えてしまう。判定はやむなし、もう少し慎重に対応してほしかったが若さが出たか。68分、このPKをガッツリ決められて0-1と先制を許す。痛恨のPKで大きなビハインドを背負う。
その後もグラードバッハはリスクを取って前に出るがチャンスは多くはない。82分、CKにエルヴェディが頭で合わせるがバーの上に。直後、スカリーとザンダーに代えてライナーとチュヴァンチャラを投入。2トップにしてライツをボランチに下げたか。
86分には敵陣でボールを持ったシュテーガーが遠めから狙ったが大きくはずす。他にも選択肢はあった。89分、ライツがエリア内で敵DFと交錯し倒れるが笛は鳴らず。リプレイを見ても微妙な感じで判定はやむなしか。VARにならず。
90+3分、ウルリヒに代えて福田を投入、ネッツがSBに落ちて福田が前に。その後もバイエルンの決定機をニコラスがセーブし希望をつないだがゴールは遠い。最後は90+6分に得たスローインでライナーがロングスローを試みたがファウルスローを取られ試合終了、0-1の惜敗となった。
戦評
前半守って後半リスクを取るというゲームプランは悪くなかったが、後半支えきれずに与えたPKが命とりとなった。ニコラスのセーブもあってもちこたえていたが、ギリギリの勝負になって地力の差が出たということか。
実際シュート数5-23、CK4-10、ポゼッション33-67と数字上は一方的な試合で、それでも可能性を感じさせたのはチームとしての規律がはっきりし、守備のときの意識が共有されていることが大きいのかもしれない。
ただ、守ってからのワンチャンに賭けるにしてもチャンスが少なすぎ、後半立ち上がりの主導権を握った時間帯に先制しなければならなかった。ライツの奮闘が目を引いたが、オノラの不在でクラインディーンストへのホットラインが繰り出せなかったのは痛かった。
板倉も含め持ち場では踏んばったが、ウルリヒの若さが出た。状況を考えれば彼を責められないし、ここまで敵を引きこんでしまったところに真因がある。割りきって引くならエリア内での守備についても落としこみが必要だった。
内容からは受け入れるべき敗戦で、むしろPK1本のみに抑えたことは評価されるべき。判定のせいで負けたとは思わないが、主審の試合指揮が今ひとつでフラストレーションがあったことは間違いない。ヴァイグルの受けたカードは明らかに不当だった。
リーグ戦3連勝ならず、16試合を終了して7勝6敗3分で勝ち点24(1試合あたり1.50)となり順位は11位に後退。中位グループのいちばん下になり、このまま置いて行かれるわけには行かない。6位との勝ち点差は3でひとつの勝敗が大きな意味をもつ。
次節のヴォルフスブルクはアウェイ戦だがここで続けて勝ち点を落とすようだとリカバリーが苦しくなる。この敗戦を受け入れざるを得ないとすれば、次が大きなヤマだ。チーム状態自体は悪くなく、シーズンの中間点となる次節は真価を問われる。
ゲラルド・セオアネ監督談話
「私のチームはすべてをピッチで出しきった。彼らは非常にしっかり連帯し、極端に強い相手に対して防衛した。負けたのだから満足はしていないが、多くの守備的な局面で我々はとてもうまくやりきったと思う。フィジカル面ではその値段どおりだが我々としてはベストのパフォーマンスを出した。我々はとても集中していたし、スペースを非常に狭くしていた。前半うまく行かなかったのは、ボールをもったあとで息をつく時間がつくれなかったことだ。後半は切りかえてよりビルドアップで主導権を取った。PKになるまでは守備面ではほとんど思うようにやらせてなかった。終盤はすべてを試みた。自陣ではニコラスがいくつかビッグセーブを見せてくれた」
勝てたかどうかはわからないが、引き分けにはできたゲームだった。残念だ。