【Jリーグ第37節】磐田 2-1 FC東京
■ 2024年11月30日(土) 14:00キックオフ
■ ヤマハスタジアム(磐田)
秋晴れの土曜日だが風は冷たい。新横浜から新幹線に乗り、浜松経由でヤマハスタに向かった。ここに来るのは何年ぶりだろう。おそらく三回めだと思う。御厨駅ができて歩けるようになったと聞いていたが、歩くと思っていた以上に遠かった。
オリヴェイラが今季限りの引退を発表、残り二試合のみとなり急に重要性の増した試合。一方の磐田は降格の瀬戸際にあり、残留のためには連勝しなければならない。互いに「勝つしかない」事情を抱えてのガチ勝負となった。
三週間のインターバルをおいての試合。仲川が負傷離脱から先発に復帰、安斎が左SBに。また、前節ベンチスタートだった高が先発、小泉がベンチに。CBは木本とトレヴィザンのコンビ。俵積田、小柏がベンチ入り。
布陣
野澤大
中村 木本 トレヴィザン 安斎
東慶 高
仲川 荒木 遠藤
オリヴェイラ
前半
互いに失点を嫌って固い立ち上がりに。速い切りかえから前線に当ててくる磐田に対して東京は最終ラインから組み立てようとするが、中盤で時間が作れずなかなか前進できない。交互にボールを握るが磐田がやや優位か。
15分を過ぎたあたりから徐々に東京が攻撃の手をくり出せるようになる。19分、荒木からのスルーパスを受けて左タッチライン際を裏に抜けた遠藤からのクロスにオリヴェイラがニアで合わせたがわずかにゴール左に。いい形だった。これをくり返して行きたい。
23分、荒木の左CKを中央の中村が頭で伸ばし、ファーでフリーになった木本が頭で押しこもうとしたが逆サイドにはずれる。絶好機だったが枠をとらえられず。
30分過ぎからは東京がやや優位に磐田陣内でボールを動かしシュートの数を増やす。32分、CKからの流れで磐田ゴール前での攻防となり、中村、トレヴィザンらがシュートを放つが磐田の身体を張った守備にブロックされる。
前半終了間際、オリヴェイラが敵MFとの交錯で傷み担架でピッチ外へ。両手で顔を覆っておりまさかの重傷かと思われたが治療しなんとかプレーに復帰。次節味スタでの現役最後の試合に向けて負傷は避けたい。そのままスコアレスで前半を終了。
互いに「勝たなければならない」意識が強く神経質な展開に。緊張感を保ったまま前半を無失点で乗りきったのは悪くないが、気持ちが切れると一気に決壊する怖さがある。あとオリヴェイラのケガが心配。
後半
後半からオリヴェイラに代えて小柏を投入。オリヴェイラはカード累積の出場停止がリーチでもあり、負傷と合わせて大事をとったのだとは思うが負傷が本当に心配だ。とはいえ小柏が長い時間見られそうなのはそれはそれで嬉しい。
53分、左CKを荒木がショートでリリース、仲川を経由してボールを受けた東慶が上げたクロスに、安斎が頭で合わせてゴール。1-0と先制する。リードを得て動きのよくなった東京に対し、後のない磐田は選手を交代、リスクを取って前がかりにしかけてくる。試合が動きだした。
66分、傷んだ荒木に代えて俵積田を投入。俵積田は右ウィングに入り、仲川がトップ下もしくはセカンドトップに。遠藤を左に据え置いての俵積田の右サイド起用は意外だが試みとしては悪くない。
77分、木本が自陣で高く上がったボールの落下点を見誤り、裏を取られそうになった敵FWを引っかけて止めてしまう。これが決定的な得点機会の阻止と判断されて退場に。ボールが強い風に流されて判断を誤ったように見えた。退場の判定自体はやむなしか。
これを受けて79分、東慶と仲川に代えて小泉と岡を投入。しかし、80分、これで与えたFKを浮き球で裏に放りこまれ、敵FWに頭で流しこまれて失点、1-1と追いつかれてしまう。状況からは引き分け上等で守るか、勝ち越しをねらいに行くか、むずかしい判断になる。
ここからは逆転をねらって攻勢を強める磐田に対して東京が自陣で防衛する戦いに。前線を一枚削り4-4-1でもちこたえるが、84分、敵CKからの流れでいったんエリア外にこぼれたボールをシュートされ、ブロックした中村の手にボールが当たったということでエリア手前からのFKの判定となる。
しかしここでVARが介入、OFRの結果ハンドはエリア内であったとの判定でPKに変更に。89分、このPKを決められて1-2と逆転を許す。ハンドがエリアの中か外かはファクトの判断であり、OFRする意味が理解できない。主審はモニタでなにを確認したのか。
アディショナルタイムは10分のコール。90+4分、中村に代えて野澤零を投入、野澤零は右サイドで高めの位置を取り、小泉がカバーに入る形でリスクを取ったが、いかんせん一人少ない状況で攻めきれず、1-2で逆転負けを喫して三連敗となった。
戦評
前半は互いに警戒感が強く固い内容になったがスコアレスで乗りきり、後半の早い時間帯に先制したところまではよかったが、これで試合が動きだし、木本の退場から同点、VARでのPKから逆転と流れをもって行かれた。
シュート数8-16、CK8-4、ポゼッション49-51と、数字からもむずかしい試合だったことがわかる。枠内シュートは1-2で、決定機の少ない守備戦だったことを裏づけており、実際どちらも流れからのゴールがなく、セットプレーの応酬となった。
東京のモラルの柱であったオリヴェイラを前半で失いながらも後半先制したが、磐田が終盤になってもあきらめない強みをもっていることはわかっていたはずで、リードした試合をコントロールできなかったことがもったいない。
終盤押しこまれ、退場者を出したところからは大きな流れに抗することができなかった感が強い。主審の基準が一定しなかったようにも思え、フラストレーションをためて自滅した部分もある。OFRについては説明がほしいと思う。
これで戦績は37試合14勝14敗9分となり、勝ち点51(1試合あたり1.38)で順位は9位に。シーズン通しての1試合あたり勝ち点1.50となるシーズン勝ち点57は達成できないこととなり、また東京に本拠を置く東京V、町田の後塵を拝することも確定した。
次節、ホームでC大阪とシーズン最終戦を戦う。クラモフスキー監督の今季限りでの退任も発表されており、この体制でのラストマッチとなる。オリヴェイラをスタンディングで送り出したい。軽傷であることを祈るしかない。
評点
[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
野澤大(3.5) 好セーブあり。失点は責められない。
中村(5) あのハンドを責めるのは酷。
木本(5) 痛恨の退場で流れを変えた。
トレヴィザン(4.5) 思いきりのいい守備は健在。
安斎(5) やはり前で使いたい。
東慶(4.5) 地道にスペースを消し続けた。
高(4.5) もっと高を活用したい。
仲川(5) 見せ場は少なかった。
荒木(4.5) 冴えを感じさせるパスあり。
遠藤(4.5) 可能性を感じさせた。
オリヴェイラ(5) とにかく軽傷であってくれ。
===
小柏(5) 引き続き使って行きたい。
俵積田(5) 縦勝負からのクロスは可能性あり。
小泉(-) 時間短し。SB先発でよかった。
岡(-) 時間短し。
野澤零(-) 時間短し。
使えそうなマフラーをもらった。浜松駅でお土産に買ったこっこがおいしかった。