【ブンデスリーガ第29節】グラードバッハ 1-2 BVB
■ 2024年4月13日(土) 15:30キックオフ
■ Borussia-Park
ドイツがサマータイムになってこの時間帯の試合がグッと見やすくなった。スカパーでリアタイ観戦。前節ヴォルフスブルクにアウェイで逆転勝ちをおさめて迎えるホームゲーム。まだ降格の危機は去っていないだけに、強敵とはいえ勝ち点はしっかり積み上げたい。勝ったチームはいじらない鉄則どおり、前節と同じ布陣でのスタートとなった。
布陣
オムリン
フリードリヒ エルヴェディ ヴェバー
ライナー ヴァイグル 板倉 ネッツ
エングム プレア オノラ
前半
立ち上がりからBVBがボールを握って攻撃をしかけるが、グラードバッハはコンパクトな布陣で守備時は実質的に5バックになりピッチ幅をカバー、最後のところは自由にやらせない戦術を徹底して奪ったボールから素早く前に展開する狙い。
BVBの攻撃が停滞するのに対しグラードバッハがカウンターからなんどなチャンスをつくるが決定機には至らず。グラードバッハの方がプランに沿った戦いができているように見えるが全般に拮抗したにらみあいで時間が過ぎる。
試合が動いたのは22分、中盤からDFラインの裏に浮かして出されたパスに反応できず、オムリンもDFラインと見合うかっこうになって飛びだせないまま頭越しのシュートを決められ0-1と先制を許す。なにもないところからの失点でもったいなかった。
さらに27分、エリアに入った敵FWをエングムが倒したとしてファウルの判定。これで与えたPKを決められて短い時間のうちにたてつづけにゴールを許し0-2と点差を広げられる。このあたりの試合はこびがつたなかった。
しかし36分、オノラの右CKに中央でヴェバーがヘディングシュートを放ちこれを決める。前半のうちに1-2と1点差にし流れを再びひき寄せようとする。ヴェバーはマークを振りきりフリーでヘディングできていた。
勢いを得たグラードバッハは、39分にもオノラが角度のないところからシュートを放つがGKにセーブされる。いい流れの時間帯に一気に追いつければよかったが流れからは得点できず結局1-2で前半を終えた。
後半
後半に入るとグラードバッハはギアを上げる。48分、敵にロングボールを放りこまれ、対応に出たオムリンが敵FWと交錯する。これがPKの判定となり敵FWがこれを決めたが、VARがレビュー中であり主審はまだプレーをスタートしていなかったとして認められず。
主審はVARとのコミュニケーションののちOFRへ。オムリンがわずかだがボールに触っていたことが確認され、ファウルの判定は取り消しに。PKがけられてからのOFRでスタジアムはざわついたが結果的にPKがなくなったのはラッキーだった。
55分、敵MFがライナーにトリップしこの試合二度目の警告を受けて退場に。グラードバッハは一人多くなる。これで得たFKをオノラがけると再びヴェバーがフリーで合わせるがシュートはファーに流れ、板倉が詰めたが押しこめず。
64分、エングムとライナーに代えてハックとチュヴァンチャラを投入、オノラを右のウィングバックに下げ、チュヴァンチャラは右ウィングに。一人少ないBVBを押しこむ展開となるが、割りきって自陣で守るBVBに対してなかなか有効な手が打てない。
74分、ヴァイグルとヴェバーに代えてライツとジーバチュを投入。4バックにしてオノラを右SBに、板倉とライツのダブルボランチにし前を厚くする。数的優位を生かしてなんとしてもBVBのゴールをこじ開けたいがなかなか効果的な攻撃ができない。
85分、敵と交錯したジーバチュが傷みやむなくヘアマンを投入、10分でのイン・アウトに。90+1分にはチュヴァンチャラがスルーパスに抜けだしてシュートを放つがGKにセーブされプレアが詰めたがこれもDFにブロックされる。
結局一人少ないBVBの守備を崩すことができずタイムアップ、引いた相手に対して崩せるだけのアイデアや工夫、動きが乏しく、攻めあぐねているうちに時間を使いきってしまった形で、1-2でホームでの痛い敗戦となった。
戦評
なんかだまされたような失点とPKで2点のビハインドを背負ったものの、前半のうちにCKから1点を返し、後半は一人多い状態で押しこんだが結局攻めきれずにもったいない勝ち点ロス。前半のマズいゲームマネジメントが最後まで重かった。
シュート数18-12、CK2-4、ポゼッション46-54とシュートは放っているが、CKの1ゴールのみで流れからは得点できておらず、一人少なくなったBVBがしっかり自陣でセットするとこれを崩す力はなかった。そういう練習をしていないのかもしれない。
試合終了の笛とともにBVBの選手はへたりこんでおり、プレッシャーはかけられていたのだと思うが、それを結果につなげるだけの組織力が足りなかった。チャンスがないわけではなかったものの選択肢が少なくうまく対応された感があった。
前節うまく行った3-4-3で、中央にヴァイグルと板倉を置く布陣だったが、ゴールシーンは裏に簡単に放りこまれて対応がはっきりせず、PKは失点直後の時間帯でやらなくいいファウルだった。次節、メンバーをイジってくるかどうか注目だ。
なんだかんだでシーズンも残り5試合。グラードバッハは29試合で7勝12敗10分、勝ち点31(1試合あたり1.07)で11位。降格圏16位との差は5とカツカツ。最低でも勝ち点を40まで上げないと残留争いに巻きこまれ大きな事故を起こしかねない。
チーム作りや戦術はともかく、それを試合で発揮する表現力がシーズンのこの時期になっても付いてこず、お粗末な失点を繰り返す。今季はここまで来たら残留が第一と割りきるしかないが、一年をムダにした悔しさはハンパない。
ゲラルド・セオアネ監督談話
「前半はチームは引いて守るところをうまくやれていたが、二つの局面で注意深さが足りず、そのために2失点してしまった。その後はボールに落ち着きを取り戻すことができた。敵が二度めの警告で退場になったことが、試合の流れをすっかり変えてしまった。最後の30分はひとつかふたついいチャンスもあり、もしかしたら同点にできるチャンスもあったかもしれない。しかしこの局面では我々にエネルギー、賢さ、技術的な集中などが欠けており、深く守るBVBのブロックを崩すことができなかったもっと危険なチャンスをつくりだすこともできなかった」
寂しいシーズンやなあ。降格はないと信じているが、勝ち点は危機的水準。先が見えない厳しい戦いが続く。
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