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【FC東京】2025年シーズンプレビュー(3) 中盤・攻撃
今回は中盤から攻撃的なポジションについて見てみる。
DMF
いわゆるボランチだが、このポジションは原川の移籍があったものの、橋本の復帰で非常に競争が激しくなった。高、小泉、橋本が第一選択だと思うが、この3人のだれか1人または2人をベンチに置かなければならないと考えるだけで頭が痛い。ここに京都からのレンタルバックである塚川、鳥栖へのレンタルから復帰した寺山、明治大学からの新人である常盤を加えた熾烈な争いとなる。
高のボールを多く触りリズムをつくるスタイルは好きで、調子がいいときは配球してまさに試合を演出する司令塔の働きをしたあとクリティカルなポジションに移動してこぼれ球を拾うところまでセットで信頼できるプレーヤー。松橋監督とは新潟で一緒に戦っており、今季の軸になる選手だと思っている。
これに対して小泉は、そこにだれかいてくれと思うポジションに必ずいてくれるセンスのよさ、攻守とも今やるべきプレーをわかっていて的確にそれを実行する能力の高さが持ち味だと思う。彼も好きな選手で東京にいてくれることがありがたい。高との組み合わせ、補完の関係も悪くない。
5年ぶりでポルトガルからの復帰となる橋本はしばらくプレーを見ていないので未知数の部分はあるが、もともとボール奪取やカバーリングの能力は高く、持ちあがりから攻撃参加にも特徴がある。3人の個性の組み合わせになる。
塚川は京都で出場機会を得られなかった。技術があり戦術眼も高いがいいときとダメなときのムラがある印象。彼がフィットすれば層はグッと厚くなる。実は大きな補強になるのではないかと思っている。
寺山は鳥栖でもあまり多くの出場機会を得られなかったようだが、このポジションになくてはならないクレバーさを具えている印象で、一段の成長が期待される。勝負の年になる。常盤はU18時代にJ3の経験もあり即戦力として期待。寺山とともに、主力の牙城に割って入ることができるか問われる。
WG
このへんのポジションは流動的だが、ウィングは仲川、安斎、遠藤、俵積田、西堂、荒井、野澤零、ガウディーノ、そして新たに加わった佐藤らがおりここも競争は熾烈。右に仲川、左に遠藤が第一選択だと思うが、安斎、俵積田の若手も計算できる。ガウディーノはまだ未知数の部分もあるが、昨季出た試合での動き自体は悪くなかったし、野澤零は昨季苦労しながら成長した。
仲川はプレーだけでなくモチベーターとしてチームを引っ張ることができる大きな存在。ケガが多いためフル稼働が見こめるか微妙な部分もあるが、フィットであればまず外せない。松橋監督とも旧知。遠藤も同様に勝ち方を知る選手でありプレーの引き出しも多彩。昨季(5得点)を上まわるゴールを期待したい。
安斎はSBなど他のポジションもこなせるため出場機会自体は得られそう。昨季新人ながらレギュラーで試合に出続けた。結果にこだわりたい。俵積田は間違いなく突出したものがあるが、あれだけのプレーをしながら昨季2得点は少ない。フィニッシュの精度やプレー選択などにまだまだ甘さがあるということで、この壁を破れるかどうかが将来を大きく左右する。無双まであと少し。
ここにブレーメンから加入した佐藤が加わる。佐藤は技術というよりは力で割って入ってくるタイプだと思っているが、代表でのプレーしか見ておらず未知数。まずは見てみたい。
野澤零は昨季出場時間自体は長くはなかったが14試合で終盤に投入され、1ゴールを挙げた。絶好機にシュートを外し続けた印象が強いが、逆に見ればそれだけチャンスにからんだということで、特に裏抜けのタイミングなどのプレーセンスは天性。チャンスはある。ガウディーノは力強さ、前進力、突破力はあるように見受けられる。ひとつゴールが出ればイケそうな気がする。
西堂、荒井はレンタル先(岐阜、富山)でほとんど出場機会を得られなかった。層の厚いポジションだが、まずはカップ戦などでアピールするところからか。
OMF・FW
トップではオリヴェイラが引退して大きな穴が開いたが、鳥栖からヒアンを獲得、期待がかかる。オリヴェイラと異なり、ポストや中盤でさばくプレーではなく裏抜けやクロスから決めきるストライカーの動きが持ち味か。守備への貢献も限定されると思っていた方がよさそう。力は間違いなくあるがうまくチーム戦略に組みこみたい。
期待したいのは小柏。昨季はケガで離脱が長く、継続して出場することができなかった。先発2試合、2得点は正直期待外れ。ただ出た試合でのパフォーマンスは高く、フィットさえすればと思わずにいられなかった。セカンドトップまたはウィングが適職だと思うが、能力は高く、稼働率の向上がそのまま成績につながると思っている。
山下にも期待がかかる。一昨年湘南への期限付移籍中に負傷、昨季レンタルバックとなり、シーズン終盤にようやく復帰して短い時間ながら出場機会を得た。2021年には鳥栖で9ゴールを挙げた実績をもつ。捲土重来を期しているはずで、まずは1ゴールから。チャンスは必ずめぐってくる。
山口はユースからの昇格。出場機会をうかがう。
そして最後になったが、東はトップ下もボランチもできる中盤のオールラウンダーだ。ロンドンオリンピックの10番も34歳。ベテランの域に達した。戦術理解、プレーセンスは定評がある。そのうえに経験に裏打ちされた強い意志が加わった。昨季もシーズン終盤になってレギュラーを勝ちとったのはどんなときも腐らない不屈の闘志があるからだ。自らのプレーに加え、チームを支えるリーダーとしての役割も果たす。大分に戻るのではないかと正直思っていた。今季も東と戦えることがうれしい。
想定布陣
以上を総括して布陣に落としこめばこんな感じか。
野澤大
白井 木本 トレヴィザン バングーナガンデ
小泉 高
仲川 小柏 遠藤
ヒアン
控え:波多野、木村、長友、橋本、俵積田、安斎、佐藤、山下、ガウディーノ
あかん、ポジションが足らん。