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【ブンデスリーガ第1節】アウグスブルク 4-4 グラードバッハ

■ 2023年8月19日(土) 15:30キックオフ
■ WWK-Arena (Augsburg)

いよいよブンデスリーガ2023/24シーズンが開幕。すでに前週のDFBポカール1回戦で格下相手とはいえ新加入戦力が機能し7-0と大勝、セオアネ監督の手腕に期待がかかる。帰省していたのでリアタイでは見られずあとから時差視聴した。

ノイハウスが中盤で先発し板倉はCBに。フリードリヒがベンチ・スタートとなった。それ以外はポカールと同じ布陣。移籍が噂されるエルヴェディはベンチ入りしなかった。


布陣

オムリン
スカリー 板倉 ヴェバー ネッツ
ヴァイグル ノイハウス
オノラ プレア エングム
チュヴァンチャラ

前半

試合は立ち上がりから強度の高いぶつかり合いになる。特にアウグスブルクはシュートの意識が高く主導権を握る。これに対しグラードバッハは奪ったボールをすばやく前線に当てて押し上げる目論見でカウンターに近い戦い方になった。

13分、右CKをオノラがけるとファーの板倉が頭で合わせてゴール、1-0と先制する。グラードバッハの今季最初のゴールを板倉が決めたのは素直に嬉しい。さらに15分には敵GKがクリアしようとしたボールがチュヴァンチャラに当たり無人のゴールに転がり2点めかと思われたが敵DFが線上でクリアした。

その後もアウグスブルクのポゼッションに対してグラードバッハがカウンターを狙う流れは変わらず。27分、ヴァイグルが裏に通したパスを受けたチュヴァンチャラがGKとの一対一を冷静に流しこんでゴール、2-0とリードを広げる。チュヴァンチャラはブンデスリーガ初得点。

しかし直後の29分、エリア外からのミドルを突き刺されて失点、あっという間に2-1と再び1点差に。このへんで「なんかおかしいぞ」と思うべきだった。

次は37分、オムリンのフィードを追ったエングムが敵DFにからまれながらも裏に抜け、中央に入りこんでシュートを決めて3-1と再び点差を広げる。昨季今イチよくわからなかったエングムのスゴみというか「こういう選手なんだね」というのがよくわかるファイン・ゴールだった。

これで勝ったと思ったが、41分、左サイドから放りこまれたボールをファーで折り返され、これを至近から押しこまれて3-2に。この試合は簡単には勝てないのではないかとようやく思い始める。

さらに前半アディショナル・タイム、敵FWをネッツがエリア内で倒したとしてVARが介入、OFRの結果PKとなる。たしかにネッツの足が敵FWに触れているようには見えるが、敵FWはその前にすでに体勢を崩しており、また接触もわずかでプレーに影響したかは微妙だがファウルの判定に。これを決められて3-3となり前半を終える。

絵に描いたようなバカ展開となったが、アウグスブルクが想像以上にいいフットボールをしており、受けに回ってつきあわされている印象。点は取れているがシュートはゴールになった3本のみで、敵の攻撃を抑えきれておらず、後半は主導権を奪還したい。

後半

後半も互いにアグレッシブに前に出るが最後のところの正確性を欠き勝ち越し点を奪えない。一進一退の攻防が続く。48分、カウンターで持ち上がったプレアが左サイドを並走したエングムにパス、エングムが切れこんでシュートを放つが敵GKがセーブ。

67分、こぼれ球にノイハウスが強烈なシュートを放つが敵GKがセーブ。ノイハウスはやはりいいシュートを持ってる。

75分、板倉とプレアに代えてフリードリヒとハックを投入。板倉は足をつっており交代やむなしか。しかしその直後の76分、ゴール前で起点を作られ、落とされたボールを左からけりこまれて3-4とついに逆転を許す。「こういう展開か~」と頭を抱える。

80分にもクリティカルなミドルを打たれるがこれはオムリンがセーブ。アウグスブルクの思いきりのいいシュートは見るべきものがあった。

追いこまれたグラードバッハは86分、ネッツとエングムに代えてボルゲス・サンチェスとラノスを投入、リスクを取ってゴールを狙いに行く。ボルゲス・サンチェスはおそらく左SBに入って上がりめのポジションを取ったと思う。

さらに90分、ノイハウスに代えてライツを投入。なかなか攻撃の糸口がつかめなかったが、6分のアディショナル・タイムも終わりに近づいた90+6分、エリア内で浮き球をトラップしようとしたボルゲス・サンチェスが敵DFと接触し倒れる。これがファウルと判定されPKに。これも接触は強くはなかったがネッツのやらかしよりはよほどPKだったと思う。

90+7分、チュヴァンチャラがこれを落ち着いて決め4-4としたところで試合終了。バカ試合は結局痛み分けに終わった。

戦評

一時は3-1としながら前半のうちに追いつかれ、終盤に逆転を許したが、最後にPKでなんとか帳尻を合わせ、シーズン黒星スタートだけは免れた試合。終りよければすべてよしではないが、合計8つもゴールシーンがあって見る側としては面白くはあった。あとアウグスブルクが強かった。

まだ初戦なのでなんとも言えないし、やろうとしていること自体は期待をもって見守りたいが、いいところとダメなところというか、できていることとまだできていないことがどちらもはっきり出た試合。課題はまだまだ多いと感じた。

この試合での奪ったボールを早めに前線に供給してポストから一気に押し上げる疑似カウンターのようなスタイルが目指すところなのか、アウグスブルクがボールを保持してきたので対抗上そうなったのか、セオアネ監督の基本的な戦い方はもう少し試合を見て行きたい。

数字的にはシュート数10-20、CK7-8、ポゼッション44-56とアウグスブルクの積極的なスタイルに押されたが、効率よくゴールを決めて4点取ったのは評価できる。得点シーンはどれもケチのつけようのないもので、狙いがはっきり出た再現性のあるゴールだったと思う。

次節はホームにレバークーゼンを迎える。厳しい相手だが引き分けの後でもあり、ホーム開幕戦で勝ち点3を取りたい。

ゲラルド・セオアネ監督談話

「最後の最後に勝ち点1を持って帰ることができたので、終わってみればポジティブな気持が強い。モラルを示した選手たちを称賛したい。彼らは追いつくべく最後まで挑戦を続けた。交代で入った選手も試合をかきまわしもう一度動きを作りだしてくれた。全体としていろいろなことのある試合だった。一方ではいい守備ができていた局面もあったが、他方ではあまりにミスが多く、ディフェンディング・サードでボールに対してプレスが弱すぎた。アウェイで4点も決められたら監督としては満足するわけには行かない。この試合を克服するためには長い取り組みが必要だ」

この試合ではアウグスブルクが白基調のユニだったこともあり、緑色のセカンド・ユニ(通称スイカ・ユニ)を着用。

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