見出し画像

【ブンデスリーガ第8節】ケルン 3-1 グラードバッハ

■ 2023年10月22日(日) 15:30キックオフ
■ Rhein-Energie-Stadion (Köln)

日曜日の夜にスカパーでリアタイ観戦した。日本時間で22時半キックオフなら翌日仕事でもまあなんとかできるが、もうすぐサマータイムが終わって23時半になってしまうと苦しい。

グラードバッハは中断前2試合を1勝1分と上向きの兆しを見せていたところ。アウェイとはいえ最下位のケルンに勝って流れに乗りたい。板倉が代表戦で負傷しベンチ外となり、フリードリヒが、中盤ではライツに代えてノイハウスが先発した。


布陣

ニコラス
エルヴェディ フリードリヒ ヴェバー
ヴァイグル
オノラ ノイハウス コネ ネッツ
チュヴァンチャラ プレア

前半

ケルンのゴール裏で盛大に発煙筒が焚かれ、ロケット花火も打ち上げられて煙が充満、キックオフが5分以上遅れた。試合は序盤からケルンが前がかりにボールにチャレンジ、グラードバッハは勢いに押され自陣からなかなかボールを持ちだせない流れになる。

7分、自陣エリア近くから敵が放ったシュートがコネの腕に当たる。主審はエリア外と見てFKを与えたがVARが介入、わずかにエリア内であったとしてPKに。ビデオも見たが正直なんとも言えない感じで、判定を変える必要があったのかと疑問だが仕方ない。

9分、このPKを決められて0-1と先制を許す。流れに乗れていないなかで押しこまれてPKから先制されたのはなかなかキツい。しっかり押し返したいところだが、その後もケルンがボールを支配、グラードバッハは攻撃の糸口がつかめず押しこまれる。

21分、ノイハウスからパスを受けたオノラが縦に運び角度のないところからシュートを放ったがバーの上。これがファースト・シュートとなるが、それ以外にはほとんど見せ場のないまま守備に追われる時間が続く。

結局前半はオノラのシュート1本に終わり、逆にケルンには15本ものシュートを浴びながら0-1で折り返せたのがむしろラッキーくらいの一方的な展開。積極的に前に出るケルンに対して強度も精度も欠いて、セカンドボールもほぼ拾うことができなかった。

後半

後半からネッツとノイハウスに代えてスカリーとライツを投入、スカリーは右SBに入り、ヴェバーを左SBに押し出して4バックに。ヴァイグルをアンカーにした4-1-4-1または4-3-3のような布陣になった。

これでやや中盤が落ち着き、前にボールを運べるようになる。やや拮抗した展開になったところで63分、オノラがけった左CKにニアのエルヴェディが頭で合わせボールはそのままゴールへ。1-1と試合を振りだしに戻した。

これで勢いが出るかと思われたが、69分、コネが自陣で敵MFにプレスをかけた際、アフターで足首にスパイクしてしまう。当初は警告となったがVARが介入、OFRの結果足裏がガッツリ入っているのが確認され退場に変更となった。リプレーを見た瞬間「これは赤かも」と思ったレベルで判定は妥当というしかない。

それでもグラードバッハは逆転を狙って積極的に前に出たが、74分、ゴール前に放りこまれたクロスの対応でニコラスが敵FWにパンチングを浴びせてしまいPKに。これも完全に遅れて行ってしまっていてしかたがない。

敵FWのPKは正面に飛びニコラスがこれをセーブしてお祭りになったが、キック前にニコラスがゴールラインを離れ前に出ていたとの判定になりPKはやり直しに。このPKを決められてしまい1-2と再びリードを許した。リプレーで見ても確かに足はわずかに離れていたが…。

79分、プレア、チュヴァンチャラ、オノラに代えてエングム、ヨーダン、ハックを投入、ヨーダンを1トップ、ハックが左、エングムを右に置いたにした4-4-1になったように見えた。その後もなんとかゴールを狙いに果敢に前に出るがなかなかゴールが遠い。

90分、右サイドの深いところに運ばれ、ここから戻しのパスを入れられると、エリア手前からシュートを打たれる。これが決まり1-3となって試合はほぼ決まり。6分のアディショナル・タイムも見せ場なく、そのまま敗戦となった。

戦評

立ち上がりからケルンに押しこまれPKで先制点を献上、それでも前半をなんとか1失点でしのぎ、後半修正してCKから追いついたところまではまだよかったが、その直後に退場者を出して一人少なくなった。今日2本めのPKで勝ち越しを許し、最後にダメ押しを決められた。PK2本と退場とで自滅した試合となった。

数字を見ればシュート数5-23、CK3-8、ポゼッション40-60と特に前半の劣勢が響いているが、それにしてもシュート5本では勝つのはむずかしい。守備でバタつくことが多く、ボールを持ってもパスがつながらず前線にボールを運ぶことができなかった。

いいとき(あんまりないが)に垣間見える、少ないタッチ数でボールを速く動かし、スピード感を失わずにフィニッシュまで持ちこむ攻撃は影をひそめ、パスの雑さだけが印象に残る残念な展開になってしまった。全体に自信というか確信のなさが試合運びに表れているように見える。

中断前に出かけた芽を摘んでしまうようないいところのない試合で、流れをつかむことができなかった。試合日程のあやもあってむずかしい試合が続いているが、さすがに言いわけも通りにくくなっており、このままでは監督の進退になりそうな雲行き。

アウェイとはいえ最下位のケルン相手にダービーで押し負けたのは痛い。個々の選手の頑張りがチームとして組織化されていない印象が強く、戦術に対する信頼性や監督の求心力が低下しているのではないかと危惧される。

成功体験を積み上げるのが対策としてはいちばん手っ取り早いが、この先2、3試合で期待するような結果が出ないといよいよ危機になる。残念だがクラブとしての対応が問われる局面になりつつある。

ここまで8試合を終えて1勝4敗3分、勝ち点6(1試合あたり0.75)で13位。笑顔で見守ることのできる範囲はとっくに終わっている。

ゲラルド・セオアネ監督談話

「前半は我々はまったく試合に入ることができなかった。手がかりがなく力を見せることができなかった。まったく弱々しいパフォーマンスだった。ケルンの中盤がポジションを交換するのに対応することができておらず、コンパクトにできず、ラインの間も間延びしてしまった。後半はマシになった。ゴールから力を得て、あの局面では少し流れをつかみかけたが、レッドカードでそれも途切れてしまった。ひどい気分で家に帰ることになるが、この当然の敗戦をしっかり乗り越えなければならない。こんなパフォーマンスで勝つことは覚束ないし、ハイデンハイムとの二連戦に向けてどうやってチームに新しい刺激を与えることができるか、コーチ陣とよく考えなければならない」

ホームのケルンが白ユニだったのでグラードバッハはスイカユニだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?