【ブンデスリーガ第30節】VfB 2-1 グラードバッハ
■ 2023年4月29日(土) 15:30キックオフ
■ Mercedes-Benz-Arena (Stuttgart)
やはりブンデスリーガは土曜日のこの時間だ。もう全部の試合をこの時間にしてほしい。残留を争っているVfBに対し、残り試合の目標を見失い主力の流出も報じられるグラードバッハはモラルを保つのが難しい。気持ちの上がらない試合。
テュラム、ベンゼバイニ、コネらが負傷離脱。代わってネッツ、エングムらが先発し、プレアをトップに置く布陣となった。また、右SBにはライナーが先発、スカリーはベンチ・スタート。
オムラン
ライナー 板倉 エルヴェディ ネッツ
ヴァイグル ノイハウス
エングム ホフマン シュティンドル
プレア
グラードバッハがボールを保持しパスをつないで前進しようとする一方で、VfBは中盤でからめとったボールをシンプルに裏に放りこんで勝負するスタイル。グラードバッハがフィニッシュに工夫を欠き守られる一方でチャンスはVfBの方に多い。
22分、左サイドのスローインから裏に落とされたボールをゴール前にけりこまれ、敵FWがこれをヒールで流しこんでゴール、0-1と先制点を与える。裏に通されたパスがオフサイドではないかということでチェックを受け、OFRも行われたが、ノイハウスがつついたボールが裏にこぼれたとの判定になりゴールは認められた。
とはいえノイハウスは敵と競り合いながらのボール・タッチであり、ボールをコントロールした意図的なプレーとは言いがたく、オフサイドの判定でもよかったのではないかと思うがまあ負け惜しみか。
グラードバッハはボールを持つもののなかなか決定機を作れず。33分、プレアが角度のないところからようやくシュートを放つが敵GK正面。残留という目標がはっきりしているVfBに比べればこの試合にかける意気ごみはレベチでありペースを上げるのがしんどい。
追加点を浴びないように守備意識は高いが、前線での動きも工夫も乏しく、VfBの一撃必殺の刺しこみに脅かされながらなんとか前半を終了する。
後半になるとVfBがリスクを意識、グラードバッハが敵陣で攻撃をしかける時間が長くなるが最後のところはやらせてもらえない。ボールは保持するもののVfBのブロックを崩すにはいたらず、パスの本数だけが増えて行く。一方VfBはカウンターからチャンスを作り、こっちの方がよっぽど効いてるのが悲しい。
77分、板倉がドリブルで持ちあがり、エリア手前でシュートを放つと、これが敵DFの挙げた腕に当たりPKを獲得する。78分、ヴァイグルがこれを中央下に強いキックで決め1-1と同点に追いつく。板倉の「もうええ、オレがやる」的な持ちあがりがカッコよかった。
ところが直後の80分、敵FWがドリブルでエリアに侵入するところを板倉が抱えるように並走、ホールディングを取られPKとなる。ここでVARが介入、もしかしてファウルがキャンセルされるのではと期待したが、逆に決定的な得点機会の阻止と判定され板倉は退場に。世の中は甘くない。
83分、これを決められ1-2とリードを許す。84分、プレア、シュティンドル、ネッツに代えてフリードリヒ、フラウロ、ヴォルフを投入。フリードリヒが最終ラインに入り、フラウロが左SBに、ヴォルフが左ウィングに入ってホフマンをトップに置いた4-4-1的な布陣になったか。
さらに87分にはライナーとノイハウスに代えてヘアマンとテラロヴィッチを投入、ヘアマンが右SBに、テラロヴィッチがトップに入る。ホフマンはボランチに落ちたと思う。グラードバッハはひとり少ないにもかかわらず、残り時間リスクを取って前に出たがゴールは遠い。
アディショナル・タイムにはテラロヴィッチが中央エリア手前から強烈なミドル・シュートを枠に飛ばしたが敵GK正面に。結局PKの1点以外ゴールを陥れることができず1-2で2連敗となった。
全体になんとしても勝つという気迫が感じられず、淡々と試合をして淡々と負けたという印象。せっかくのPKでのゴールも板倉が自らフイにしてしまい、勝つしかないVfBに対してなかなか勝ち筋が見出しにくい試合になってしまった。
数字を見れば、シュート数9-17、CK8-5、ポゼッション59-41と、ボールは持ちながらも効果的に攻めきれなかったことがわかる。ちょっともう今季は若手を積極的に起用するとか先のことを考えた方がいいかもわからんね。漫然とやることでむしろチームの瓦解が懸念されるレベル。
30試合を終えて9勝12敗9分で勝ち点36(1試合あたり1.20)。順位は10位で変わらず、16位とは勝ち点差8あり降格の心配はほぼないが、かといって6位とも12の差がありヨーロッパはもうムリ。寂しいシーズン終盤となった。
ダニエル・ファルケ監督談話:
「今日の結果には落胆している。前半は非常に拮抗していた。どちらにも相手が組み立てに問題を抱えている局面があった。我々にはどちらのペナルティ・エリアでも鋭さとエネルギー、突破力が欠けていて、そのために前半に作り出すことのできたチャンスはわずかなものだった。そしてひとつの局面でしっかり守備をすることができず0-1にされてしまった。ハーフタイムに我々は基本的な約束ごとを徹底し、よりリスクを冒していくことにした。我々は多くのエネルギーと熱意で試合に再びコミットし、同点にすることができた。流れは本来は我々の方にあったが、ルーズなボール・ロストがあり、シュトゥットガルトのカウンターを受けて、レッドカードとPKを受けてしまった。ひとり少なくなっても最後まですべてを試みたが、敵のゴール前での最後の一手が足りなかった」
板倉来季も残ってくれ。