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【ブンデスリーガ第24節】ハイデンハイム 0-3 グラードバッハ
■ 2025年3月1日(土) 15:30キックオフ
■ Voith-Arena (Heidenheim)
スカパーでリアタイ。前節ホームでアクシデンタルな負け方をしておりアウェイとはいえ落とせない一戦。ヨーロッパがねらえるギリギリの位置におり、この試合で勝ち点3が積み上げられないと苦しくなる。
オムリンが前節退場となり出場停止のためカルドーゾがGKで先発。カルドーゾは18歳でレギオナルでも3試合しか出場がないがルクセンブルクの代表。トップ下ではプレアがケガ明け以降初めて先発、シュテーガーがベンチスタートに。福田はベンチ入り。
布陣
カルドーゾ
スカリー 板倉 エルヴェディ ウルリヒ
ヴァイグル ザンダー
エングム プレア ハック
クラインディーンスト
前半
序盤はグラードバッハがワンタッチでボールを動かしながら押し上げるいつもの展開。8分、ザンダーが自陣からスルーパスを通し、これを追って裏に抜けたハックがGKとの一対一を決めきって1-0と先制、早い時間にアドバンテージを得た。
18分にはエングムが左サイドから中央に切れこみ、プレアからワンツーの返しを受けてダイレクトでゴール右隅に流しこんだ。早くも2-0とリードを広げ一気に試合の主導権を握る。身体の向きを変えながら右足でけりこんだ技術が高かった。
その後もグラードバッハが優位に試合を進める。25分、敵のパスをカットしたザンダーがエリア外からねらったがゴール右にはずれる。しかし、33分にハイデンハイムが交代からフォーメーションを変更、中盤のスペースを埋めてきたことで徐々に流れは拮抗。
40分には敵DFのクリアボールを拾ったプレアがダイレクトボレーでねらったが左にはずれる。42分にはザンダーがカウンターで持ちあがり中央にクロスを入れる。ハックは合わせられず、ファーのエングムが角度のないところからシュートしたがGKがセーブ。2-0で前半を終了した。
後半
後半スタートからウルリヒに代えてネッツを投入。ハイデンハイムがギアを上げて前に出てくる。51分、グラードバッハのエリア内で敵FWが倒れ、リプレイでは板倉と接触があったように見えたがノーファウルの判定で胸をなでおろす。接触は軽微で倒れるほどではなかったと見られたか。
自陣に押しこまれブロックをつくって守る時間帯となるが、59分、左サイドを持ちあがったハックがネッツとのワンツーで切れこみシュート。これが決まって3-0と貴重な追加点を挙げる。これはメンタル的に大きな支えになった。
62分、エングムとプレアに代えてフリードリヒとシュテーガーを投入、板倉を真ん中に置いた3バックにして守備を整える。シュテーガーとハックがシャドーのイメージか、あるいはヴァイグルがアンカーでザンダーとシュテーガーがインサイドハーフ、クラインディーンストとハックが2トップか。
67分、ゴール前でザンダーからパスを受けたハックがゴールにけりこみハットトリックかと思われたが、ゴールチェックの結果その前の動き出しのところでオフサイドがあったとの判定になりノーゴールに。ゴールシーンそのものには問題なかったのに残念だ。
その後は3点のリードを背景に、グラードバッハがハイデンハイムの攻撃を受けながらカウンターからの追加点をねらう流れに。自陣で守備に追われる時間が長くなるがハイデンハイムの攻撃は精度を欠き、後ろを厚くしたこともあってしのぐ。
78分、ハックとスカリーに代えてチュヴァンチャラとライナーを投入。83分、ネッツからのクロスにファーのチュヴァンチャラがダイレクトボレーで合わせたが大きく枠をはずす。86分にはクラインディーンストからのクロスを受けたチュヴァンチャラがゴール前でGKと一対一になるがシュートはGKにセーブされる。結局試合はそのまま終了、3-0での完勝となった。
戦評
序盤に2点のアドバンテージを得て主導権を握り、ハイデンハイムが修正して圧を上げてきたところもしっかり守った。いい時間帯にダメ押し、さらにはオフサイドになったもののハックの幻のハットトリックで脅威を与え、クリーンシートを守りきった。
シュート数13-20、CK2-6、ポゼッション56-44と後半守った分数字はハイデンハイムにも分があったように見え、実際攻撃を受けた時間帯もあったが、試合そのものの主導権は手ばなさなかった。
ニコラスのケガ、オムリンの出場停止でいきなり先発になったカルドーゾはなんどか試されるシーンもあったが手堅く守り無失点の活躍。おそらく次節はオムリンが戻ってくるので出番はなくなると思うが、大事な試合で仕事をしてくれた。
ハイデンハイムの守備網が緩かったこともあってボールを持ったときのパス交換はスムーズだったが、その分やや雑になった部分もあったように見えた。こういう試合で型を崩してしまわないよう、次以降に向けて締め直す必要を感じた。
オノラが長期離脱中だがエングムが調子を上げており、特にプレアとのワンツーから決めきったゴールには成長を感じる。ハックも昨季終盤の調子がよかった時期に感覚を取り戻しつつあるように見え、クラインディーンスト単騎ではない厚みが出てきた。
この試合ではザンダーが特によかった。こういう選手だったというのがようやくわかってきた感じがする。ライツが不在のなか、ザンダーが存在感を高めてくれるのはうれしい。一方で、この試合でも使われなかったノイハウスが不憫。
チュヴァンチャラはもうちょっとしっかり決めきらないと使ってもらえなくなる。この試合でも終盤に二度大きなチャンスがあったがモノにできなかった。福田を使ってみてくれと言いたくなる。好きな選手だしここをブレイクしてほしい。
これで24試合を終了、11勝9敗4分で勝ち点を37(1試合あたり1.54)に伸ばし8位に浮上。暫定ながら5位のフライブルクとの勝ち点差が2、4位マインツとは4差となっている。次節ホームでのマインツ戦はいわゆる6ポイントマッチ。今季のヤマになる。
ゲラルド・セオアネ監督談話
「我々は最初から競り合いで存在感を見せた。立ちあがりにしっかり戦うことが重要なのはわかっていた。我々はボール保持で非常にクリーンに戦い、ポジショニングもよく、フィニッシュでは一貫して効果的だった。後半の立ちあがりは、無失点をキープしこの局面をしのぐために守備に全投入した。終盤になるにつれてカウンターのチャンスが増えて行った。チームは大きな自信と確信をもって戦ってくれた。妥当な勝利であり、前の試合に対するいい反応だった」
RINTIの犬が歩くサイネージがよかった。ボルシアパークでは最近RINTIやってないからな。