ロゴデザインができるまで
はじめに
はじめまして!テナアダムの新人デザイナーのたなです。
今回、ロゴデザインができるまでを投稿したいと思った理由は一つ。
学生の頃から漠然と思っていた、「クライアントの思っていることをカタチにするには、なぜデザイナーが必要なのか」という疑問について、
入社して1年、様々なお客様やデザインと関わらせていただく中でなんとなく答えが見えてきたからです。
想いをカタチにする行為=デザインを、ロゴデザインに焦点を当て
新人デザイナーの視点から、書き綴ってみます。
この記事を読んで、「デザインするひとの頭の中ってこんな感じなんだな〜」と思ってもらえれば幸いです!
ロゴデザインのプロセス
ロゴを作成するにあたっての手順は、ざっくり以下の通りです。
1.ヒアリング
2.アウトプット①(キーワードの選定)
3.アイデア収集
4.アウトプット②(ラフスケッチ)
5.アウトプット③(清書)
6.社内共有
7.クライアント共有
8.完成
今回は「クライアントがデザイナーにロゴデザインの依頼をした」という想定で1つ1つ説明していきます。
(本当は依頼するデザイン会社の選び方についても書いていきたいのですが、本題に辿り着かなくなってしまうので割愛します。ぜひ別の機会にも書いてみたいと思います!)
1.ヒアリング
まずはクライアントに「どうしてロゴデザインが必要になったのか?」をお聞きします。
依頼する背景としては、
・○周年記念だからリニューアルしたい
・新しく事業を始めるのでロゴが欲しい
・今度独立するので、自分の名前をロゴにしたい
などの様々なものが考えられます。
全ての背景に共通するのが、「このままではいけないと思っている」という点です。
ただ、何が問題かを理解しデザイナーに伝えることのできるクライアントは少ないと言えます。
これは、主観と客観では見える問題が違うからです。
だからこそ、デザイナーは中立的な立場で問題を客観視し、ロゴデザインで何を解決すべきかを把握する必要があります。
2.アウトプット①(キーワードの選定)
先程のヒアリングから、デザインするにあたって何がキーワードになるかを選定します。
例えば、ヒアリングの議事録が以下だった場合
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パン屋を創業して80年、地元のお客さんには知られているものの、もっと若い人にも知ってもらいたい。
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以下のキーワードが考えられます
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・若者ウケ
・老舗感
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作業としては簡単なものですが、最終的にデザインの方向性を見失わないための道標として後々大事になってきます。
ちなみに私個人的には、ラフスケッチなどのイメージで残しておくと主観的なものになってしまうため、面倒でも言葉で残しておくと他人とも共有しやすいと思っています。
3.アイデア収集
先ほど出したキーワードをもとに、参考ロゴを収集していきます。
集め方としては、
・同ジャンルのロゴデザイン
・過去に表彰されているロゴデザイン
・同業他社などのロゴデザイン
などから幅広く探すやり方があります。
ちなみに、ラフスケッチをしていくのにも役立ちますが、クライアントに「同業種や同ジャンルでこのようなロゴが存在している」ということを参考にしていただくために共有する時にも必要になります。
おすすめサイト
ピンタレスト
ロゴギャラリー
ロゴストック
4.アウトプット②(ラフスケッチ)
アイデア収集とヒアリングからのキーワードをもとにラフスケッチしていきます。
「ひとめで分かる・でも被らない」カタチを作ることはすごく難しいです。
具体的には、アイデア収集したものから
・どんな色が使われやすいか
・どんな形が使われやすいか
などの傾向を書き出して参考にしてみたり、逆を描いてみたりと、とにかく数を出してみることが重要です。
デザイン・メイキング等、著名なアートディレクターやデザイナーのラフが集められた本を読んだりしても、「そこからのアプローチがあるのか!」などの発見があって楽しいです☺️
5.アウトプット③(清書)
ラフスケッチでは紙面に出さず省略していたイメージを、様々なツールを使って表現していきます。(色鉛筆・グラデーションなど...)
その時、ラフスケッチの段階で、なぜこのロゴにしようと思ったのか?のチェック項目を見直してみると、もともと表現したかったものが表現できているかの確認ができます。
6.社内共有
6番目にはしていますが、実は工程のつど社内共有・クライアント共有しておくことが重要です😅
出来あがって見てみたら「なんか違った...」という事態は誰も幸せになりません。
ヒアリングに同席していた人がいれば、その人に印象を判断してもらったり。
ヒアリングから抽出するポイントは違くとも、クライアントが何を表現したいか?を聞いていた仲間に率直な印象を聞いてみましょう。
7.クライアント共有(完成)
いよいよ完成です。
ロゴだけを提示して「どう?カッコいいでしょ?」ではなく、
「クライアントへのヒアリングから、こんなキーワードをこのカタチ・色味で表現したんですよ」
「このロゴデザインによってこんな未来があるはずです」というところまで、言葉でお伝えすることが大事だと思っています。
おわりに
新人デザイナーから見たロゴデザインができるまで、いかがだったでしょうか?自分の制作経験含め、先輩の隣で勉強させてもらったことを書き出してみました。
新人の立場から書ける経験は貴重だと思うので、「webデザインができるまで」や「出版物ができるまで」もどんどん書いていけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
テナアダムのたなでした〜