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2024.12.07 晴れ間
上司が出張に来る前に、どこかで時間とって二人で話をしようと言われていた。
正直、何が語られるものかとヒヤヒヤした。
バタバタとして1週間の中で、どうにか最終日の朝に時間がとれた。
ホテル近くの朝9時から開店しているカフェを適当に探した結果、少し怪しいグリンチのキャラクターが扉に飾ってある店に席を取ることになった。
「スロバキア生活、半年経ったけどどう?」
取り止めのない返答をしていると、上司からプロジェクト・マネージャーの仕事について語られた。
昨日ケジュマロクからの帰りの電車の中で、別の同僚にトレンチンで感じた、自分の無力さや虚無感を伝えていた。上司はその時、横で寝ていたはずだが、もしかしたら起きていたのかもしれない。
「マネージャーは、あくまでマネジメントだからね。できるだけ、現場に行ってスタッフや裨益者の方の声を聞いて、事業に反映させるのが仕事だと思っている。それと同時に、こちらはどうしてもドナーという立場だから、時には逆手に取って、きちんとこちらの意向に持っていくのも大事。
定期的にマネージャーが現場にいくと、スタッフのモチベーションにもなると思うんだよね。ちゃんと見てもらえてるって。」
それを言われて、なんとなく自分の中にふに落ちるものがあった。あまりそういう感覚を持って仕事をしていなかったが、ある意味、私は各センターにいるコーディネーターの上司なのだ。できるだけ彼女たちがスムーズに運営できるよう調整しつつ、事業としてもより質が高いものにしていくことが私の仕事だ。
これまで目の前にあった靄が、少し晴れたような気がした。