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2024.09.17 自らに課した任務

今日もまた、イルマと一緒に出張。
ブラチスラバから1時間半ほど、車で行ったところにあるトレンチンという街。

近場なため、午後から移動を開始し、現地に着いたのは16時半だった。
2ヶ月ぶりに、建物の中に足を踏み入れると、大部屋の隅に25人ほどの若者が円になって座ってゲームをしていた。私が入った瞬間、まるで授業参観の日、後ろが気になる子どもたちのように、なんだか彼らもソワソワしているのが伝わってきた。

これまでは、6歳以下の子どもたちが5〜6人遊んでいたり、スロバキア語講座を受講しにきた大人たちが勉強している姿しか、このセンターでは目にしてこなかった。だから、私も多くの若者が集まっている状態に、驚きを隠せなかった。

ゲームの様子をモニタリングもしたかったが、まずはやるべきことをやろうと、イルマとインタビューを開始した。
ー12歳の娘を持つ母。
ー29歳の女性。
ー高校生の男の子4人組。

テンプレート化してきた私の質問と、聞き覚えのある回答。自分の中に、新鮮味が薄まってきたのを感じた。今行っているような形式的なインタビューではなく、雑談から拾い上げる方法や、質問力・コミュニケーション能力を高める方法を模索しないといけないと思った。

善は急げ。せっかく時間もあるので、帰りの電車でイルマを実験台とさせてもらった。
ブラチスラバまでの帰路、1時間。会話を途切らさないというミッションを自らに課した。他の投稿にも書いたが、イルマから質問されることは一切ないため、こちらがいかに議題を多く振れるか手腕が試される。

「私もインタビュー下手くそだけど、日本側が求めている情報が何か、なんとなく同行出張したことで理解できた?」
「正直、個人的にPMとして今後センターをどうしていきたいと思っているの?」
「今日本資金以外で、なんの仕事しているの?」
矢継ぎ早に、次々と質問をした。
日本資金の活動に関する会議を持つと、否が応でもスロバキア事務局長まで参加し、イルマの本心を聞く機会がなかなかない。その点でも、ぶっちゃけた話を聞いてみたいと常々思っていた。

共産主義を経験したスロバキアの地では、本音を話すというのは、ハードルが高いのかもしれない。しかし、ある程度の人間関係構築した上で、もう少し突っ込んだ話ができないと、関係性に深みは持てない。

「ウクライナ危機が起きた時、続々と到着する難民の受け入れの仕事をしていたの。一人5分とかで捌かないといけないし、スロバキア語通じない。対ウクライナ人の仕事は向いていないと思って、仕事辞めたんだよね。
今の仕事も、最初は全体の調整の仕事って聞いて、入職した。なのに、またウクライナ避難民の仕事をすることになるとは思っていなかった。まぁ、今は言語も少し学んで歩み寄って仕事しているけど。」
「本当は、全部一人で完結できる仕事の方が向いているのよね。上から指示出して、全体掌握するのではなくて。その点で、今のPMをしている事業は早く終わってほしいのが個人的な思いだけど...。ただ、ウクライナ人にとっては、センターが必要だと思うから、自分の気持ち以上に頑張らないとって思っているけどね。」

聞けば、時に笑顔をこぼしながら答えてくれた。ネガティブも含め、彼女の率直な思いを聞けたので、私の満足度は高かった。

最後の方は、スロバキアでおすすめの冬の過ごし方など、雑談にも花を咲かせられ、なんとか任務は達成できた。
以前同僚が、「相手と過ごした時間は、親密度に比例する」と言っていた。ここ最近、業務の関係ではあるが、イルマと過ごす機会が多かったことによって、個人的に関係性が深まったように感じる。

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