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2024.05.13 夢が叶う瞬間
飛行機の窓際の席で、徐々に近づく砂漠っぽい「現地」に心躍り、「うあー、ようやくここまで辿り着けた!」と叫ぶ姿を鮮明に思い描いていた。
現実。通路側の席。モニターの地上映像で、広がる草原を眺める。
国際協力を志す人の多くは、いわゆるGlobal Southで現地の人と協力し切磋琢磨するのを夢見ると思う。私もそうだ。希望は中東で駐在したかった。だから、砂漠っぽい地を想像していた。だが、今は希望し通るほど、自分の経験や知識が熟していない。だから、このスロバキアの地でまずは緊急支援の経験を積む予定だ。
とは言え、10年間夢見てきた「緊急支援の駐在」。
長年の私の夢が叶った瞬間である。案外、ぬるっとしているものだなと思った。
ここ数ヶ月引き継ぎをしていても、こうして「現地」に辿り着いても、「ウォー!やるぞー!!」という気持ちが湧き上がってこない。自分の中でも不思議な感覚だ。これまで、各国の紛争の映像を見て、幾度となく激しい憤りを感じ続けてきた。「早く、現場にいって支援をしなければ」と焦燥に駆られていたのに…。実際に、紛争の被害にあった方たちと接する中で、感情が揺さぶられると信じたい。
ここから、8ヶ月間の新たな旅路が始まる。