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2024.09.21大都会!ウィーン!

よーうやく!スロバキアの一時居住許可証が発行され、国外に出られるようになった。
ついにウィーンに行く。

以前住んでいたシャハウスの隣人で、オーストリア人のバラに会う。
先月はブラチスラバまで来てくれたが、今日は彼女の母国を案内してくれる。

バスで1時間半揺られ、徐々に7階建ぐらいの連結した建物が見えてきた。
壁には装飾がつけられ、華やいで見える。街を歩くと、様々な国籍の人とすれ違う。OPECやUNIDOなどの国際機関の本部が据えられているウィーンは、スロバキアよりもグローバルシティであると実感した。

先日の洪水の影響もあり、バラは予定より遅れると連絡がきた。
そのため、国立図書館に寄ってみた。1年半前に旅行でウィーンに訪れた際、閉館していて行けなかったが、今日は開いていた。

ウィーン国立図書館は、数ある「世界一美しい図書館」とされるものの一つである。
以前アイルランドのトリニティカレッジのものも見たが、足を踏み入れた瞬間、それ以上であると、すぐさま感じた。左右に並べられた古書と、頭上には美しい絵画があった。

中央のパネルが、少々台無しでした…。

展示にも目をやると、ワーグナーの楽譜が飾られていた。
19世紀を生きた作曲家のため、残っていても不思議ではないが、しれっと展示しているので驚きを隠せなかった。さすが、音楽大国。

1時間もしないぐらいで見終わったので、街中を散歩し、バラとの集合場所のシュテファン大聖堂の前に向かった。教会前は、多くの観光客で賑わっていた。外に置かれたグランドピアノで演奏している人もいる。近くには馬車がずらりと並ぶ。田舎から出てきた人間にとって久しぶりの、「大都会」である。

こちらにも、大きなパネル….。

バラと、彼女の元教え子のコウキくんと会った。バラは、相変わらずの笑顔と上手な日本語で迎え入れてくれた。個人的にザッハトルテよりもおいしいと思う、カイザーシュマン(ふわさくの小さなパンケーキに、たっぷりの粉糖とジャムで食べるデザート)のお店に連れて行ってもらった。

同じに見えて、実は別ものを3つ頼んでいます。

バラは弁護士の卵であるが、その仕事は忙しい上にストレスフルなことも多い様子だった。コウキくんは社会人一年目で、仕事は楽しくやっているとのこと。社会人になっても、一泊二日で海外旅行をしているらしく、そのフットワークの軽さを、今の私は失ってしまったなと感じた。

ウィーンっ子の憩いの場である、ドナウ川の川沿いを闊歩し、フンデルトヴァッサーハウスへと向かった。ガウディ建築に似た雰囲気を醸し出す建物は、なんとも可愛らしい。中には入れないのが残念だが、代わりに近くの土産物屋を物色した。

クリムトの接吻が描かれた鏡、傘、絵画などが売られているのを見て、コウキくんがベルヴェデールで実物を見たいと言い出した。40分強歩いたが、天気が恵まれている中だと微塵の苦痛も感じなかった。

物価の高いウィーンで、以前見たことがある絵画に入場料を出すのを躊躇ってしまい、彼が見ている間、別行動をとる事にした。荷物を一度ホテルに置いて、夜のコンサートの準備をしようと思い、私は宿へと向かった。

場所はすんなりと見つかり、入り口のドアも本来は鍵がかかっていそうだが、扉を押すとすぐに開いた。目の前には双子と思われる男性が二人、スマホを深刻そうに見つめていた。
ネットでは、「オンラインチェックイン」と書いてあったので、私も部屋番号や、入り方の指示を探し始めた。が、何も出てこない。
二人に声をかけると、「あなたもホテルの詳細もらっていない?俺たちも、それが理由で、すでに2時間、ホテルに電話している。本当に最悪だよ。」と愚痴をこぼし始めた。
おっと。嫌な予感。私もすぐさまホテルに電話をかけたが、繋がらない。ドイツ語でアナウンスが流れる。もしかしたらスロバキアのSIMカードだからダメなのかと思い、後でバラと合流した際、彼女にかけてもらうことにした。最近、何かとスムーズに行く旅行ができていないなと思いつつ、まぁお金さえ出せば、どうにでもなると楽観的に考えていた。

バラに電話してもらったが、ホテルには通じず。アゴダにもかけてくれた。
さすが弁護士の卵。交渉術が見事だった。
「ホテルにはスタッフがおらず、部屋に入れない。今すぐリファンドして欲しい。」
「ホテルに交渉している間に、私のスマホの充電が消れるから、今すぐ対応してほしい」
「今この会話の記録を、後できちんとメールで送ってほしい」
強気だけど丁寧な口調で、自分の言い分を主張するのは、いい勉強になった。

返金の方向に持って行ってくれ、私は別の宿を予約した。
お茶でも奢るよと言ったが、バラの電車の都合もあったので、そこで別れることにした。

夜は、以前から少し気になっていたモーツァルトコンサートを予約していた。観光客向けという噂は聞いていたが、のだめカンタービレが好きな私としては、一度モーツァルトの衣装で音楽を奏でる姿を見てみたいと思っていた。ウィーン楽友協会にも入れるのも、魅力だった。

観光客が多いためか、2階の安い席をとってしまったからか、観客のマナーは気になった。席から離れ、柱の近くで立ち見する人、演奏中に写真撮る人、挙句に話し出す人...。だが、対照的に演奏は素晴らしかった。飽きさせないために、さまざまな楽曲の章を抽出して演奏していたが、オペラやフルート協奏曲なども聴けたのはよかった。

演奏終了後は撮影OKと聞いて、パシャリ。

一方で、「大ホール」では演奏できない演奏者たちが、コスプレさせられて、音楽のことわかっていない観光客相手にしていると思うと、少し心が痛まれた。昼間に、大聖堂前でモーツァルトの服装をした人が、チケット売りをしていたのを、見たからかもしれない。それでも、総じて満足度は高かった。
せっかく近くに住んでいるから、色々と音楽に触れたいと思った。

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