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2024.12.05 相手を知りたければ、まずは自己開示すべし
スロバキア国内のウクライナ避難民への支援を続けて、およそ2年ほどが経つ。
日本人スタッフが入れ替わり立ち替わり、各センターを訪問し関係を築いてきた。
スロバキアでの生活はどうか、支援内容に満足しているか。
いつも裨益者の方に、私たちが質問を投げてきた。
だが、今回は立場が逆転した。
出張者が多くきているのもあり、今日は私たちが日本について話す。
相撲や着物、富士山などの写真がスライドに流れてくる。その一枚一枚に、子どもも大人も食いついていた。
「日本人はみんな細くて、健康に気を遣っている印象なのに、どうしてお相撲さんは大きいの?」
「日本の文化が、今の人たちの生活にどういう役割を与えていると思う?」
鋭い質問も飛んでくる。それだけ、興味を持ってくれているという証だ。
暗い部屋の中、スクリーンに照らされた人々の表情からも、その真剣さは伝わってきた。
その後、お辞儀の練習をしたり、筆ペンで日本語を書いたり、箸体験をしたり、日本の文化にも触れてもらった。じっと同じ場所に留まり、何度も何度も名前を書く練習をしているおばあさんもいた。
仕事をしていると、どうしても相手の話を聞き出すことばかりに集中してしまう。
何に困っていて、どんな支援を必要としているのか聞き出すのは必要なことではある。
だが自分のことを開示するのは大事だと改めて気がつかされた。
ベテランの同僚は、いつも裨益者にインタビューする前に、自分の母の話をするという。
「90歳近い母親でも、日本に暮らしているため、日々納税をしている。そのお金は、周り回って皆さんの元に支援という形で使われている。だから母に、どのような人たちに、何のために使われているのか、報告する必要があるんだ。だから、あなたたちのことを教えてほしいんだ。」
きちんと、自分が何者であり、何のために話をしたいのか、自己開示がなければ相手も心を開かない。
今回のワークショップを通じて、改めて実感した。