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私のゴミカスバレンタイン集

高校3年生の受験期真っ只中。当時付き合っていた人に、
「バレンタインなんだから、チョコくらい手作りしろよ。」
と言われてから私はバレンタインが嫌いだ。排便の時間も惜しんで勉強しているというのに、茶色い物体を溶かして固めている時間など到底なかった。しかしこの出来事は私の、バレンタイン嫌いエピソードの序章に過ぎない。

バレンタインに関するトラウマがもう一つある。小学校4年生の時、クラスで一番かわいかった女の子と友チョコを交換する約束をした。その子はとにかく顔が可愛くて、密かに盗み見て憧れていた。バレンタイン当日、その子と手作りチョコを学校でこっそり交換。憧れの子が作ったチョコを食べられることが嬉しかったし、その子が作ったチョコを食べることで自分も可愛くなれるような気がしてしまう。

嬉々としながら帰り道、その子の作ったチョコを口に運んだ瞬間、口の中全体に”車庫”の味が広がった。どうしてチョコから”車庫”の味がするのかわからない。軽くパニックになった私はショックと絶望で泣きながら家に帰った。

考えてみれば、この時から私のバレンタインデーはオワわっていた。多分、バレンタインデーにチョコを手作りしてばらまく無意味さに気が付いてしまったからだと思う。

固形チョコを買い、湯銭で溶かし、またそれを固めたものを100均のラッピングで飾りたてて人に配る。わけがわからない。正直この過程を経て板チョコより美味しかった試しがないのだ。みんなそれにうすうす気が付いてる。

小4以降のバレンタインも散々だった。結局渡したい人にはチョコを渡せなかった。3年間気持ちを伝えられなかったF君、まだ生きてるのかな。

大学生1年生、当時付き合っていた彼にあまじょっぱい系のお菓子をプレゼントしたら、「俺あまじょっぱい系ピンポイントで嫌いなんだよねw」
と軽くあしらわれた。

大学2年生の時に付き合っていた彼氏には、熱しすぎてカチカチになったマフィンをプレゼントした。素直にまずいと言えばいいものの、無言で食べてくれるやさしさが逆に泣きたくなる。後になって、「全然おいしいって言ってくれなかったよね!」と逆ギレしてしまい申し訳ない。

今年はどうしよう。詩集でもプレゼントしようかな。

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