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サンプル記事ー 銅・錫食器の違い|店員目線でのメリット・デメリットを解説

夏や暑い日に大活躍の銅タンブラー。
機能性が高く色柄も豊富で、最近ではたくさんの商品がいたるところで販売されています。

そんなポピュラーな銅食器にくらべて、少し高級なのが錫製の食器です。
どちらも金属製の食器ですが、実際どういうところが違うの?と思いますよね。

わたしはライターを目指すかたわら、和雑貨屋でも働いています。
職場では銅や錫製の食器も扱っているのですが、この2つの違いについてお客様からのお問い合わせはよくいただいています。

そこでこの記事では、それぞれの特徴とメリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。
少しでも興味がある方は、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。


銅タンブラー

・特徴

1.熱伝導率がいい
銅タンブラーをはじめとする銅製の食器は熱伝導率が高いのが特徴。
そのため、冷たいものを注げばすぐにコップ自体も冷たくなり、逆にいえば、熱いものを注ぐとコップがすぐに熱くなります。

2.抗菌作用がある
抗菌作用があるので、水を飲むときなど日頃から銅製のものに入れてから飲むようにすれば、細菌やウイルスから身を守れます

3.耐久性に優れている
また、耐久性があるので、落としてもガラスのように割れたり、壊れたりする心配がありません。


・メリット

熱伝導率がいいため、注ぐ飲み物が冷たければタンブラーも一気に冷えます。
そのため、コップをあらかじめ冷蔵庫で冷やしていなくても、飲み口までひんやりした、冷たい状態で飲み物を味わえます
ビールやお酒が好きな方は、嬉しいポイントです。

また、銅製品に水を入れておくと銅イオンとして成分が溶け出すので、体に必要なミネラルも取れます。
普段から水を飲むときに、銅タンブラーを使うだけで栄養素が補給できるのはありがたいですね。

それから、銅食器は耐久性が高く、長く使えるというメリットもあります。
万が一落としてしまっても、ゆがんだり、割れたりしません。

普段、店員として銅タンブラーをさわっているからわかるのですが、意外に軽いのです
ガラスの食器とさほど変わりません。
錫やほかの金属製の食器とくらべても、軽くて扱いやすいのもメリットです。

・デメリット

熱伝導率の良さによって、結露が激しいことがデメリットとしてあげられます。
特に氷を入れて使用するとびしょびしょになるので、ビールなど氷で割らない飲み物には向いているかもしれません。

熱い飲み物を注ぐのも注意が必要です。
熱伝導率が高い銅は、熱いものを入れると、持ち手や外側の部分まですぐに温度が上がってしまいます。

やけどの危険性や、冷めるまで持てなくなることも、デメリットの一つといえるでしょう。

また、銅は酸化して色が変わりやすいという面もあります。
人体に影響はないですが、黒ずんだり緑青(青緑色のさび)がつくことで、なんとなく使いたくないと感じる方がいるかもしれません。

それも使っていく中で出てきた「味」とすれば、メリットともとらえられますが、気になる方はお手入れをしてみてください。
しっかり掃除をすればもとに戻せます。


錫タンブラー

・特徴

1.熱伝導率がいい
錫製の食器も、銅と同じく熱伝導率は高いです。
冷たいものを注げばタンブラー自体もよく冷えて、よりおいしく飲み物を味わえます。
逆に熱いものを入れると、食器自体が熱くなるのでやけどには注意してください。

2.抗菌作用がある・さびづらい
銅と同じく抗菌作用があるので、微生物の繁殖をおさえられ衛生的です。
さらに錫は銅と違ってさびづらいので、見た目の劣化が少ないのもメリットの1つ。
さびにくいということは、有害物質が溶け出すことがないため安心安全です。
この特性を活かして赤ちゃん用のスプーンまで販売されています。

3.柔らかい
錫はとても柔らかい金属なので、手でも簡単に変形できるのも特徴です。
柔らかい=傷つきやすいということなので、扱いには注意しましょう。


・メリット

錫のメリットとして、まずあげられるのが、飲み物を美味しくしてくれることです。
錫食器に入れた飲み物は、錫イオンの効果で雑味がなくなり、まろやかでよりおいしくなります。

特に辛口の日本酒を入れると、まろやかになったことを感じやすいです。
ただの水を錫食器に注いで一日置くだけでも、飲みやすさやおいしさが変わってきます。

それから、錫はさびづらくお手入れも簡単です。通常の洗剤で、他の食器と同じように洗えます

ただし、たわしや硬い素材のスポンジで洗ったり、食洗器に入れたりするのは避けましょう。
錫は柔らかい金属なので、小さな衝撃で傷がつきやすいです。

その点さえ気を付ければ普段通りに洗うだけなので、面倒なお手入れは不要です。

またなんといっても、錫は見た目の美しさにも癒されます。
金、銀に次ぐ高価な金属でありながらも、いやらしさのない控えめな光沢感が特徴です。
テーブルに置くだけで、食卓が華やかで特別な空間になりますね。

・デメリット

錫食器のデメリットとしては、高価であることがあげられます。
錫そのものが希少であることに加えて、加工も職人が手作業で行っているからです。

例えば、同サイズのタンブラーで比べると、銅タンブラーが、だいたい¥3,000~¥5,000なのに対して、錫タンブラーは¥8,500~¥17,000くらい。
大切なお祝いやプレゼントにはいいかもしれません。

もう一つ錫食器のデメリットとして、変形しやすいことがあげられます。
錫はとても柔らかい金属なので、落としたらゆがむし、とがったものでこすったりすればそれだけで傷がつきます。

逆手にとらえれば、柔らかいということはゆがんでも、もとに戻しやすいです。
実際、手の力でも形を変えられます。
しかし高価な食器なので、せっかくなら変形させないよう注意しましょう。

スタッフ目線!おすすめポイント

ここまで銅・錫タンブラーについて、ご紹介してきました。
次に、日頃から和雑貨屋で働いているわたしの視点で、それぞれの良さをお伝えしていきたいと思います。

銅タンブラーは先ほども言ったように、思ったより軽いです。
というのも、全体的に薄手に作られているからです。
飲み口の部分を親指とそれ以外の指で挟むとよくわかります。

飲み口が薄いと、飲み物が一気に口の中に広がり、香りを感じやすくなります。
唇を当てた時の印象もシャープになって、よりおいしく飲み物を味わえると思いますよ。

錫食器の多くは、ざらざらとした質感になっています。それも魅力の一つです。
もちろん加工の仕方によって、すべてがそうとは限りませんが、錫器で有名な「能作」さんの商品はざらざらしているものが多いです。

そのため、指紋や水滴の跡がついたりする心配がないのもいいところ。
手に馴染みやすく、どこか温もりが感じられます。

錫はやや重量感がありほかの食器とくらべて重たいですが、この重みもまた良いところです。

持つときやおろすときに適度に気を使うことで、仕草も上品になると思いませんか?
いつもの食事がワンランク上の上品な時間になりますよ。


銅と錫の違い

銅と錫の違いやメリット、デメリットを紹介してきました。それぞれの違いや共通する部分をまとめたいと思います。

銅と錫に共通している部分は
「熱伝導率の良さ」
「抗菌作用がある」
「イオン効果がある」こと。

違う点は、
「見た目の変化(さびやすさ)」
「耐久性」
「値段」です。

つまり、性能の面ではそこまで変わらないですね。
一つあげるとすれば、イオン効果で得られるメリットが違うということ。
銅イオンはミネラルの摂取になるだけですが、錫イオンは飲み物自体の味に変化をもたらしてくれます。

見た目の変化が気になるなら錫食器はおすすめですが、値段や耐久性が気になるなら銅食器もいいですね。

迷ったときは、見た目の好みや、どんなシチュエーションで使いたいのかを基準に判断してみてください。
贈り物なら、ビール好きには銅、日本酒好きなら雑味をなくしてくれる錫がおすすめですよ。

まとめ

いかがでしたか? 銅と錫、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介しました。
共通する良さもあれば、違った良さもありましたね。
ぜひ、お気に入りの銅、錫食器を見つけて、素敵な時間を過ごしてみてください。

参考
銅製タンブラーおすすめ9選 有名メーカー品紹介、手入れ方法や金属中毒についても | イエコレクション iecolle | インテリア、雑貨情報が満載のWEBメディア
錫タンブラーや酒器のメリット・デメリットを比較|おすすめブランドも紹介! | 伝統工芸品ならBECOS (thebecos.com)
錫製の高級タンブラーおすすめ8選|メリットや取り扱いの注意点まで詳しく解説! | 伝統工芸品ならBECOS (thebecos.com)


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