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ソニーの話

引き続き電機メーカーの業績を見ていきます。今回はソニー。

貸借対照表

今回からは利益のみでなく、貸借対照表(Balance Sheet)も見ていきたいと思います。とはいえ詳細を示す意味はあまりないので、簡単にグラフでまとめています。上が資産側、下が負債・資本側となっています。金額の合計値は一致するので単純に%で比較することができます。これを見ると
1. 資本の割合は小さく、負債中心で資金繰りをしている。
2. 投資・貸付金の割合が非常に多い。金融ビジネスを保有していることによる。固定負債も同様の理由。
3. 流動負債と流動資産を比較するとやや流動負債が多いが、それほど問題にはならないレベルでは。(資金の流動性)
4. 有形固定資産・その他の資産の割合は減り続けている。どちらかというと金融ビジネスの割合が大きくなる一方で、そこまで投資をしていなかったり、減損処理をしていることにより、固定資産の割合が減っていることによるが。
個人的には、想像以上に金融ビジネスの割合が多いんだな、と思いました。CMでしか見たことないのですが、利用者が多いんでしょうか。また次調べてみたいですね。

利益(損益計算書)

過去5年間はずいぶん低迷していますが、FY17はかなり良くなっていますね。というかFY16は熊本地震の影響もあったようなので、実力はFY16あたりから付いてきているものと推測できます。今年度の売上高が高いのは、ゲーム事業(PS4/Playstation Plusの加入者増)と家電系(デレビの高付加価値モデルへのシフト)、為替影響が主な要因として短信にまとめられています。

キャッシュフロー計算書

さて今回はキャッシュフローも見ていきたいと思います。まずは全部合計の推移ですが、圧倒的にFY17は多いですね。現金を使わずに溜め込んでいることになります。確かに貸借対照表上でも現金や利益剰余金の額はかなり増えています。FY16とFY17を比較してみましょう。

営業活動・投資活動・財務活動の3点から、FY16と17を比較してみましょう。まず営業活動がかなり増えていますが、これは前述の通り利益が増えていることによります。さて投資活動を見てみると、FY16に対してかなり減っていることが読み取れます。これは金融分野の貸付が減っていることによるとのこと。また細かく見ると、固定資産の購入も少なめで、そういった影響が現れているようです。
利益面の改善をしながら、積極的な投資には出なかったFY17。さてFY18以降どうなるか、会社がどの方向に向かって進むのか、要チェックですね。
注)2つのキャッシュフローのグラフは為替影響分を下のグラフに織り込んでいないため、数値は一致しません。

ソニーの事業

前述の金融含め、いまどんな事業をしているのかを見てみましょう。まず売上高の割合ですが、

色分けがうまくできておらず申し訳ないですが、以上9事業になります。特に売上が大きいのは、ゲーム&ネットワークサービス、ホームエンタテインメント&サウンド、金融になります。
さて、各事業の代表的な商品を挙げてみましょう。

モバイルコミュニケーション: スマートフォン, So-net
ゲーム&ネットワークサービス: PS4, PS VR, Playstation Plus
イメージング・プロダクツ&ソリューション: 一眼カメラ(ミラーレス),  放送用システム
ホームエンタテインメント&サウンド: テレビ, ウオークマン等家電
半導体: カメラ用センサ等
映画: Sony Pictures
音楽: Sony Music
金融: ソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行
ソニーグループ概要より抜粋

改めて整理してみると、どれも身近なものですよね。ただ、事業の売上高の割合でみると、金融事業が3番目なのが意外に思えます。かつては種々の家電で影響力のあったSonyですが、今後はどうなるでしょうか。ここにデータは載せていませんが、FY16からFY17で唯一売上高減だったのがモバイルコミュニケーション事業で、この事業は事業再編があったとはいえ減収を続けているので、今後Sonyがどう扱っていくか注目ですね。かつては、モバイルコミュニケーションが一番の稼ぎ頭で、決算資料でも一番目に出てきていたのですが、今では六番目になっています。

ちなみに、実はFY18の業績予想はマイナスになっています。理由は為替及びモバイルコミュニケーション事業の減益になります。それでも、売上高83,000億円でほぼFY17と同程度、FY17のような状態を維持できるのか要チェックです。

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