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忍者と極道 第92/93話感想
不定期忍者と極道感想です。
歪罹井戦全体の感想ですね。
【KILL ME BABY】
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麻薬(ヤク)キメる前から自分が妊娠できない身体なのなら寄生虫を子供替わりに宿して患者(にんぷ)の気持ちを理解しようという大変キマっていた人であった……。
※※※
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92話のこの時点で産婦人科に務めていたのなら大体何があったのかを察することはもうできてはいた。
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ただ、歪罹井さんがここまで気に病む必要はないのもまた事実なのである。
※※※
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突然のパンプキンシザーズからの引用で申し訳ないが、歪罹井さんの医療信念たる「患者の気持ちになる」はこのあたりを履き違えてしまったが故の悲劇と言える。
この世に産まれ出ずる赤ん坊に救うもへったくれも無いのだが……しかし。
このパンプキンシザーズでの台詞は、発言している伍長の父の言葉である。
この父は娼館お抱えの闇医者だったので、歪罹井さんの立場とは案外近い。
※※※
また酷な言い方になってしまうが、どんなに歪罹井さんが真面目に真摯に誇りを持って仕事をしていたとしても、子供を産む選択権は患者である母親たちにあり、そしてその仕事を医者は果たしただけである。
看護師である彼女は出産というイベントに携わった行きずりの他人でしかない。
産まれた子供たちへ干渉する権利が無いかわりに責任も無い。
なのに彼女は責任だけを感じてしまった。
全く、真面目で不器用だという元同僚の評は的を得ている。
責任を感じたら最終的に行き着く果ては権利の行使となる。
それがKILL ME BABYなのはなんとも悲しいお話じゃないですか……。
【傲慢を司る悪魔 ルシファー】
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救済なき医師団は堕天使(ルシフェル)を自称しているが、正に言い得て妙である。
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というのも、炸羅も言っていたわけだが、救うというのは傲慢な行為なのである。
ギリシャ神話のアスクレピオスは優れすぎた医術で遂には死者までをも蘇らせ、冥王ハデスの訴求により死ぬこととなった。
紀元前の神話の時点で(生死がより身近だった当時だからこそかもしれないが)、行き過ぎた医術は生死という神の領域を侵犯する行為だという考えがあったと見て良いだろう。
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権利と責任は表裏一体の1セットなわけだが、それ故に行き過ぎた責任感から生じる、行き過ぎた権利の行使。
救済なき医師団とはそういう意味で傲慢の大罪を犯す慈愛の堕天使というわけである。
※※※
歪罹井さんはそういう意味で、この世全てへの赤子に対して責任感と罪悪感を持ちすぎた。
彼女の心境、背景を読み取るとこういうことを書くのは本当に酷なのだが「貴女が取り上げた赤ちゃんは貴女の子供ではない」と諭して支えてもらえる人がいなかったのは不幸と言える。
聖華天は大人故の苦しみとは言いつつもなんだかんだで若い頃は他人様に大迷惑かけてもケロっとしていた腐れ外道であった。
割れた子供たちは子供故の無力さで運命に抗いきれず、無限の可能性を外道に突っ走って使い切ってしまった哀れな犠牲者であった。
今までの敵を省みて救済なき医師団全体を見ると「ちゃんとした大人になった」「人を救うという素晴らしい可能性を開花させた」という立派な人間になりつつも、そこまで成功してもなお、いや成功させるほど人格的に素晴らしい人物だからこそ堕ちる外道があるというお話に発展しそうである。
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イヤホント今回はめちゃくちゃ業が深かった……。
今後こんなんばっか続くとか近藤先生の心身が心配ですよ!?
三週間きっちり休んでくだされ……。
※※※
斗女たん側視点やバトル内容についても書きたいのですが、歪罹井さん視点での感想がなんか上手いこと区切りよくついてしまったので、今回はこれでひとまず一つの記事と致します。
三週間も間が空くのでたぶんもう一回くらい感想は書けるだろう……艦これイベントとかもあって余暇時間色々忙しいんだけどまぁいけるやろ……。