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少年ジャンプ+連載 「スケルトンダブル」紹介

ジャンプ+で8月末頃から連載始まったスケルトンダブルが中々面白いので紹介したいと思います。
コミックスは12月2日発売だそうです。
とりあえず今この記事書いている10月時点では全話無料です。

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ちなみに作者のコンドウ十画先生の過去読み切り作はこちら。

【隠された二面性】

本作は男子高校生の主人公「荒川ヨドミ」の下に、上記画像の頭蓋骨「山本さん」が配送されてきて透明人間化する能力を得たことから始まる、結構正統派の能力バトル漫画。

と言っても第一話当初はこんな感じだったが…

これは主人公の荒川が無欲で善良な人間な故、能力を悪用しないのだ――と山本さんは受け止めていた。七話まで進んできた現在もその認識なのかどうか怪しいが。

このページでは実に爽やかなことを言っているが『足るを知る』を高校生の時点で会得している時点で既に人格や過去に闇を抱えているのである。

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荒川の父は衆人環視の下で凄まじい変死をしている(その場面は第一話冒頭場面なのでわざわざ画像引用するのも面倒なので省略します…)。
その変死によって受けた世間からの偏見や好奇の眼差しから耐え、形成していったのが荒川の表向きの好少年の仮面であって、本人の自評は

こうである。

私的には社会的理不尽に義憤し、隠蔽された真実を暴くことで落ち着くべきモノを落ち着く所に落とし込むことを望む良くも悪くも子供らしい好少年なのだとは思うが、一度刻まれた精神的外傷はそうそう癒えることはないのだろう。

【スケルトンの意味】

この漫画のタイトルに使われているスケルトンは、作中でいくつもの意味が示唆されている。

能力バトル漫画なので、能力者をスケルトンと呼んでおり、作中の意味ではそれだけである。
だが上記リンクを参考にしていただいたうえで本作を読めばわかるが

  • 骸骨

  • 透明化

  • 透明の意味からの派生としての真実の隠蔽

  • そして隠蔽された真実を透明化して暴く

とまぁかなり色々な意味を持っている。
持っているが、実際読むとわかりやすく

政府側の公的組織

非合法の研究組織

の二つがどちらも荒川(というか山本さん)を手元に置きたがっており、その争奪戦が行われている最中というのが現状。

そしてこの二つの組織は目的やスケルトンへの対応の仕方は違うとしても、どちらも同じく「現社会にスケルトンのことを公表するつもりはなく、独占して隠蔽している」という点では共通しているのである。

だが荒川はそれを暴き立てることを目標としており、どちらの組織でも最終的に居場所がない。
現状「成り立て」の未熟な能力者なので口ではどんなに威勢のいいことを言っても、あっという間に鎮圧できる力が両組織にあるため荒川の意志は軽んじられ、山本さんの管理権を重視しているのだが、まぁお話のセオリーとしてそうこうしているうちに足元すくわれるもんであろう。

【私的な良い点悪い点のお話】

ざっくり紹介させていただいたが、私的に本作で一番気に入っている点は荒川の朴訥な善意の少年であることと、自分たち家族を偏見に晒した世間への怒りから生じる後先を顧みない凶暴性の二面性である。
この二つは両極端だが、ようするに単に荒川という少年が家族想いの普通の好少年であったのが、父親の変死を境に歪んでしまっただけで根幹は家族への愛情であり矛盾なく一貫性がある。

また、ドクロの山本さんがあのナリで山本さんなんていうめちゃくちゃ普通の名前で、これまた素直に自己肯定しない優しい人物であり、荒川&山本さんのバディものという側面もある。

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絵は引用画像でもわかるように画面が全体的に白くて見やすく、読みやすい。
手抜きで白いのではなく描き込むべきところは描き込んだうえでの白さなので、読みやすい――と感じる(私はただの漫画好きであって、漫画絵の専門的なことはよくわからないので……)。

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現状ハッキリ言える残念なところは、絵自体は上手い方だと思うのだが女の子キャラの顔の描き分けがあまりできていないところ。
ここでは画面の白さが仇となって一瞬、女性キャラが誰だかわからないシーンもあったりする。

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いずれにせよ現状毎週楽しみにして読ませていただいています。

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