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なま乾きの段階で、線をいれる。
茶陶の水指とかで、まだ柔らかい作りたてのうつわに、へらでぐいっと力強い線が入っているものがある。伊賀でも、備前でもいいものには、そういうものが備わっています。
やってみると分かるのですが、あれ、なかなか出来んのですよ。
白い紙にぐいっと書く「書」の世界とも、きっとよく似ていると思う。ああいう度胸というか力量というか、そういうものを今持っている人は案外少ないと思う。達人ですよ。
その線が生きていれば、いい焼き物になるし、生きていなければ、普通の焼き物になってしまう。
一発勝負のような世界。そんなものをやれるようになりたいし、そんな線を描いてみたい。
今度の薪の窯には、入れますとも。
2021.1.25.