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爺さんの柿の木
いつもの茶飲み友達の家で中身のない
好き勝手な話に華を咲かせて居た午後
ふと目をやると庭の柿がちらほら色付き
今年も良い吊るし柿が出来そう
私らが子供の頃は嫁ぐなら柿の木が
ある家にしなさいと親に言われたが
今ではすっかり柿なんか食べへんな
もっぱらカラスの餌だと友人は笑う
この柿の木は友人のご主人が中学生の頃
植えた物で、梯子がないと上には手が
届かないほど立派な木、残念ながら本人は
94歳で他界されてしまったけど
柿が色付く頃にはいつもその話をして
昔を懐かしみ偲んでいる
人は何かを成し遂げたり、何者かに
なれなかったとしても、この柿のように
次の世代へと紡がれて行く
そう気張らずとも良いのかもしれない