3分で読める本日の注目ニュース(2024年11月29日): 経済、芸能、スポーツ、話題
経済ニュース
・ ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長が、ユニクロは中国・新疆産の綿花を使っていないと初めてBBCに認めた。
かつては世界三大綿と呼ばれていた新疆綿だが、中国政府が新疆ウイグル自治区で、イスラム教徒が大部分を占める少数民族ウイグル族を収容施設に収容し、民族迫害をしていると報じられるようになったことを背景に、2021年から多くのブランドが新疆綿の使用を中止し、アメリカ政府はそれを使った製品の輸入を禁止した。
しかし懸念を発表した企業に対し、中国では製品の不買運動が広がった。
当時、柳井氏は「政治的な質問にはノーコメント」などと明言を避けてきた。
中国での反発を避けようとするのは柳井氏に限ったことではない。
映画「バービー」は、中国が主張する南シナ海の領域を示す「九段線」を描いた地図を使用し、ベトナムで上映禁止に。またアップルも、中国政府に譲歩していると長年批判されている。
柳井氏が新疆綿について明言しなかった結果、ユニクロは中国市場での人気を維持し、過去最高の業績につながっている。
BBCは今月、東京で柳井氏にインタビューし、環境・人権を念頭にサプライチェーンを改革しているのは、新疆綿が理由か聞いた。
「それは使っていません」と柳井氏。「どこの綿っていうことを言ったとしても……」と続けたのち、「まあこれ以上言うと政治的になるんでやめましょう」と答えた。
それ以上語らなかった理由は、インタビュー前半の柳井氏の発言に隠されているのかもしれない。
中国はユニクロにとって消費者市場としてだけでなく、製造拠点としても大事なマーケットだと、柳井氏は説明した。
■中国で「3000店舗はいける」
ユニクロは近年、欧米で積極的に出店しているとはいえ、柳井氏いわく「世界で知られていないブランド」。その知名度はアジアの方が高い。
中国には日本を上回る数の店舗があり、中国国内の消費が冷え込んでも戦略を見直す必要はないと言う。
「14億人、人がいますから。まだ900から1000くらいしかないでしょ、店舗が。僕は3000店舗ぐらいは行けるんじゃないかなと思っている」
一方で、2009年の時点で、ユニクロが毎年作る5億点の製品のうち、8割が中国で製造されていた。
当時のインタビューでは、中国での製造コストが高くなってきたから、もっと安いカンボジアに移そうと思っていると語った柳井氏。
現在は、その自分のコメントに笑いながら、中国の製造技術を他国でまねることは難しかったと言う。
「一朝一夕でできるようなもんじゃないんで、たとえば工場を作ったとしても、カンボジアもそうですし、ベトナムもそうなんですけど、やっぱり中国資本みたいなものがそこに一緒に入っていくっていうことと、現地資本みたいな人を中国の人が指導するみたいなことでやっていかないと、なかなかね」
■「ファストファッションの将来はない」
アパレル業界は競争が激化し、中国発のファストファッション企業の「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」が人気だ。
しかし柳井氏は「ファストファッションの将来はないというふうに思います」と言う。
「やっぱり安易に物作りしすぎですよね。着てもワンシーズンで終わり。そういうのはやっぱりあまりにも地球の資源を無駄にしている」
自分の着ている洋服を指差し、「我々の服っていうのは何シーズンも着られるんで、僕のこういうシャツとかセーターみたいなものも何年前のものか分からないし」と笑う。
ユニクロの増収増益の秘訣(ひけつ)の一つは、消費者が毎日の生活で必要なものに焦点を当ててきたことだ。
東レとのコラボレーションにより、ヒートテックやエアリズム、ウルトラライトダウンといったヒット商品を世に送り出し続けてきた。
創業40周年の今年、売上高は過去最高の3兆円を突破した。そのことについては、「一番最初ね、父親から今の企業を継いだ時は、1億いかないぐらいですよね。それが3兆円できたんですから」と柳井氏。
次の目標は売上高10兆円、そして「ZARA」などを展開するスペインのインディテックスを抜き、アパレル企業の売上高世界一になることだ。
75歳の柳井氏に、現役のうちに達成が可能かと聞くと、「達成したいなっていうふうに思っていますし、達成しないといけないんじゃないかなというふうに思っています」。
しかしそのためには、中国だけでなく、人権問題を重視する消費者が増えている欧米での成功も必要だ。
中国事情に特化したビジネス調査会社「ストラテジー・リスクス」のアイザック・ストーン・フィッシュ最高経営責任者は、企業には中国とアメリカの両方から圧力がかかっていると強調し、こう続ける。
「もはや政治的中立を保てる大企業は一つもない」
「中国もアメリカも企業に対し、どちらの側につくのか決めるよう求めている。日本はこの問題ではアメリカ寄りの姿勢を取り続けるだろう」
今後、第2次ドナルド・トランプ米政権の下で、米中貿易摩擦の悪化も予想される。そうした中、柳井氏の政治的中立を保つ綱渡りは、いっそう難しくなるかもしれない。
芸能ニュース
・韓国のガールズグループ「NewJeans」が11月28日、YouTubeで緊急記者会見を実施し、11月29日0時をもって大手芸能事務所「HYBE」の傘下である所属事務所「ADOR」との契約を解除すると発表しました。
「NewJeans」問題の背景
HYBEは4月に、ADORの元代表で同グループのプロデューサーであるミン・ヒジンさんを「業務上背任」の疑いで刑事告発していました。さらに8月には、ミンさんを代表から退任させ、HYBE出身のキム・ジュヨンさんをADORの新代表に選任しました。
この背景から、グループは事務所に無断でYouTubeで生配信を行い「いじめがあった」「元の環境に戻してほしい」などと、HYBEに対して訴えていました。
その後、ミンさんは11月20日にADORを退社。また、グループも、ADORに内容証明を送り、「この書簡を受け取った日から14日以内に専属契約の重大な違反事項をすべて是正し、これを受け入れない場合に専属契約を解約する」と要求しており、11月29日0時に期限を迎えます。
緊急会見で「契約解除」を発表
会見でメンバーのミンジさんは、「私たちが一緒に仕事してきた事務所は違う姿になって、HYBEの好みになってしまった」とし、「改善の余地はなく、是正は行われず、態度に誠意がなく疲れたので、0時を期して尊属契約を解除します」と発表。
今後は「ADORから出て、やりたい活動をします。これまでのスケジュールや広告は予定通り行います」としました。
また、求められている多額の違約金に関して「払う義務はない」とし、NewJeansというグループ名に関しても「NewJeansという名前は使えなくなるかもしれないが、NewJeansを放棄する意思もないです。この名前を使える権利を確保することに努めます」と話しました。
ミンさんとの合流は
終盤では記者との質疑応答があり、「このあとすぐにミン氏と合流するのか?」という質問に対しては「可能であればご一緒したい」と表明。「一方的な解除になると思うが?」「HYBE側から訴訟を起こされたら?」という質問には「HYBEはうそばっかりだった」「対話もしたし内容証明も送りました。それでも変わらなかったから解除します」「今更話したいというとしたら、『(世間に)見せるため』の話だと思います」と答えました。
また、NewJeansが望む「自由な活動とは?」という質問にダニエルさんは「自分たちが好きな音楽、好きな人とやっていきたいという意味です。代表(ミンさん)が望むのであれば一緒にやっていきたい」と話していました。
スポーツニュース
・バスケットボールB1千葉ジェッツの渡辺雄太(30)が、日本代表の盟友、NBAレイカーズの八村塁(26)が日本協会(JBA)と男子代表を率いるトム・ホーバス監督(57)の批判を繰り広げている騒動について初言及した。
「隠しようがありませんが、塁とトムの関係性が良くなかった。事実として実際にあります」
28日、都内で記者団に対し、そう切り出した上で、確執の発端に関して「昨夏のワールドカップ(W杯)が終わった後の記者会見でトムが発した発言について、変な切り取られ方をして、それを塁が目にして、怒ったところです」と明らかにした。
当時、何があったのか。
2023年9月3日。日本の沖縄などで開催された男子W杯で、翌24年のパリ五輪(オリンピック)出場権を獲得した日本代表が歓喜の一夜明け会見を開いた。
この大会は八村が出場辞退。世界最高峰NBAで活躍するエースが不在だったが、日本は一丸となって自力で切符をつかみ、対戦国のレベルが格段に上がる五輪に向けて、ホーバス監督が質問されていた。
「どう八村とコミュニケーションを取っていくか」
答えは、こうだった。
ホーバス監督「彼がやりたいなら、彼から声をかけてくるべきだ。私たちのスタイルは変わらない。彼が来るなら、うちのバスケットをやらせる。彼には入ってほしいけれど、やらないなら、このチームでいいチームをつくる。自信があります」
報道を通じ、この発言を知った八村が腹を立てたといい、関係悪化を知った協会は、会見の19日後に異例の補足、釈明に追い込まれた。
「会見当日の発言がホーバスHCの母国語ではない日本語での発言・対応だったことにより、本意とする内容とは若干内容が異なる形で広まってしまったことから、あらためて、その内容・真意についてご説明をさせていただくことを目的とするもの」として、重ねての誤解がないよう、ホーバス監督の談話を、英文で、書面を出した。
JBAが参照用として用意した日本語訳によると「私の発言が、私の意図とは違う意味でメディアによって報道されていることに気付きました。また日本語の表現も少し違っていた部分があり、誤解のないように英語で訂正した方がいいと思いました」。
続けて「私が日本語で、もし代表チームでプレーしたい場合は『彼が私たちに電話するべきだ』と言ったことは、八村選手の日本代表での将来について混乱を招いてしまいました。実際のところ、JBAは八村選手や彼のマネジメントチームと定期的に連絡を取り合っていますし、彼はいつでもチームジャパンでプレーする権利を持っています。彼のこの10年間に渡る代表への貢献は、チームジャパンの成長には不可欠なものでした」と釈明した。
1年2カ月後。関係はこじれたままだった。過去発言は尾を引き、今年6月に米ロサンゼルスで直接面談した後も、収拾がつかなかった。
この日、日本協会の会長や技術委員長ではなく、選手として矢面に立ち、両者の“仲裁”に入った渡辺は、次のように明かした。
「その後、僕はすぐ塁に連絡を取って、あの時のトムの発言内容は塁を敵にする発言ではなかった、と説明したんですけど、塁からすれば『仮にそうだとしても、世間からそう思われている時点でトムの発言はまずかった』と話していました」
以降も継続的にコミュニケーションを取ってきたが、手打ちには至らず。八村が突如、今月13日(日本時間14日)に米国から発した体制批判によって、不仲が表面化した。
話題のニュース
・オーストラリア議会上院は28日、16歳未満のSNS利用を禁じる法案を賛成多数で可決した。法案は27日に下院を通過しており、近く連邦総督の裁可を受けて成立する。豪政府によると成立後、1年の猶予期間を経て施行される。
豪政府は「世界をリードする法律を導入する」と強調しており、各国のSNS対策に影響を与えそうだ。
SNSを介した子供のいじめや性犯罪、有害な投稿の閲覧を防ぐのが狙いだ。規制強化を求める保護者団体の訴えを受け、アンソニー・アルバニージー政権が21日に法案を提出した。SNSを運営する企業に対し、子供がアカウントを持つことを防ぐ合理的な措置を求め、違反した場合は最高4950万豪ドル(約50億円)の罰金を科す。保護者や子供への罰則は設けない。
X(旧ツイッター)やTikTok(ティックトック)、インスタグラムなどが禁止される一方、健康や教育関連のサービスにあたるとされたユーチューブは禁止対象から外れた。
Xは豪議会に提出した意見書で「法案が可決されれば情報にアクセスする権利が侵害され、子供の人権に悪影響を与える」と反対していた。