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200km 3400UPのブルベに出た話
9月30日に行われたランドヌール宮城主催、BRM930二口林道200に出走しました。
ブルベへの出走は今まで平坦基調の200kmを一回走ったのみで、2回目です。
今回のブルベは副題が「R宮城史上最強の200」。200kmなのに3400mも登らされます。
秋保二口峠(934m)を超えて山形に降り、盆地を横断。南下した後よりによって帰りに蔵王エコーライン(1597m)を登って帰るコースレイアウト。
このブルベへのチャレンジについて書いていきます。
準備編
このブルベは、個人的に相当に準備を重ねていました。
まず、昨年コースが発表された時点で、なんて頭の悪い(褒)コースなんだ!と思いこれを来シーズンの目標に設定します。
4月にもう一つの200kmブルベに出走。
ミスで認定外になったりはしましたが、荷物を積んで200km走る経験をここでします。
山形に行って帰ったこともなければ蔵王も登ったことがないので、夏に本格的な練習を開始。
獲得標高多めのコースを走るのを心がけ、蔵王は計4回(宮城側3、山形側1)登りました。
蔵王に登った後山形に降りたところで熱中症になりDNFしたことや、3000UPを目指して近場の丘を走りまくった際2300UPくらいで限界を迎えたことも。ハードルの高さを感じます。
本番2週間前に笹谷峠を登って山形に降り、山形エコーラインをフルで登って宮城に帰るライドがなんとか成功。いい緊張感で練習に取り組めたと思います。
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装備
Domane AL4 Disc改
アルミのエンデュランスモデル。前回からコンポーネント(Tiagra→105)とブレーキシステムの変更(油圧→機械式)をして操作性が上がっています。
カスタムについてはこちらをご覧ください
サドルバッグ削除
考えることを減らすため今回はナシにしました。
・サドル後ろの装備を普段と変えたくない
・揺れ対策が面倒
・登りのダンシング時邪魔になる
で、個人的にはあんまり好きじゃないんですよね。
結果フレームバッグがパンパンになり、すぐ脚がバッグに当たってしまうシリアスレーサー発狂モノの仕上がりになりました。鈍感で良かった。
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走ってみると荷重も悪くなく、乗り心地が良かったです。
サイコン
前回ガーミンのナビがおかしくなったため、予備サイコンのIGS320を持参。
便利機能はなにもないですが、35H稼働するので充電について心配する必要がありません。
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ガーミンEdgeについては、登りで「あと○○km?」と考えて辛くなるのを防ぐために、クライム用画面を作成。
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他にもいらない画面・機能を断捨離したり、ボタンクリック回数・考えることを減らすよう努めました。
省スペース化
モバイルバッテリーを薄型にする、予備チューブのうち一つをTPUにする、軽量輪行袋を使うなど、荷物の省スペース化を実施。
走行編
後ろの方からスタート
いざスタート。蔵王ダウンヒル以降が雨になるとのことで、40人近くのエントリーでしたが出走は20人ちょっと。
前回は自分より少し速いくらいの速度の人に合わせて走ってしまい後半失速した反省から、少し遅く、皆がスタートし終わったかな?くらいのタイミングでスタート。
自分よりスローペースの集団がいたら先に行かせていただき、自分と同じくらいの走力の集団は目指さず、両者のちょうど真ん中あたりでソロライドを目指します。
交通ルール
後ろから少しずつ前に移動しているといろんな集団(ブルベなので2〜4人程度)の近くを走ることになるのですが、歩車分離式信号の進行の仕方や、T字路の右折の仕方がイマイチな場面に何度か遭遇(事故に繋がりそうな場面こそありませんでしたが)。
自分はロードバイク初心者側ですから、誰かと一緒に走ると周りのムーブに合わせたくなりますが、ベテランそうだからといって何も考えずについていくのはよしたほうがいいな…周りの人がどう動こうが、普段通りの動きをしよう。とか思いながら先に進みます。
激坂
小さい峠を超えた後の序盤に最大斜度の激坂区間が用意されています。奥羽山脈の山岳を二つ超えるのに、そこより斜度がキツイ。なんで…
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ここを通らない経路は何パターンかありますが、いろいろと事情があるのでしょう。
ここを超えて秋保に着くと、延々と続く緩斜面。本番の峠が来る前にまぁまぁダメージを食らわせるコースレイアウトになっています。さすが一筋縄ではいきませんね。
二口峠ってこんな辛かったっけ
二口峠に到着。
ここは短い期間しか空いていない峠ですが、景色がよく自転車乗りに人気です。紅葉の時期なんか最高です。
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昨年友人とゆっくり登って無理なく登頂し、友人に至ってはパーカーを着て登ってたので、ブルベのペースならまぁ二口は余裕やろと思っていました。
記憶とは美化されるもので全然余裕ではなく、ほぼ10km/h未満でのんびり登ることに。綺麗なフォームのおじさまにどんどん抜かれていきます。こんなに10%以上の区間の割合多かったっけ…
途中参加者のおじさまに話しかけていただいたのですが、こちらの耳がよくないのと向こうも方言混じりでほとんど聴き取れず、適当に返してしまいました。すまん。
山形側の景色最高
下り始めるといい景色が広がります。天気が悪くてもこれだから今度は晴れた日に行きたい。
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ダウンヒルは冷えますが、次のPCまでノンストップで行く計画だったため、ジャケット出し入れを渋って我慢して下ります。
山形の平坦走りやすい
県道をひたすら西進する区間は、車通りが多いものの路肩が広く、全く恐怖を感じることなくノーストレスで走れました。宮城にもこういう道が増えたらな。
ここでは大変爽やかなランドヌールのお兄さんが気さくに話しかけてくださいました。
後ろから見るフォームも綺麗で道路交通の中でのアティチュードも素晴らしく、こんな感じのサイクリストになりたいなぁ〜と思いました。
二口の疲労がじわじわと
PC1を通過して平坦を走っていると、向かい風でもないのに、何も考えていないと23kmくらいしか出ていません。おかしいな…
ここで頑張るのも違うし、平常心で一定のペースで進み続けます。
また、この辺になると通過チェックで顔を合わせる面々も固定されてきます。ベテランランドヌール二人組、ソロのご年配ランドヌールがお二人。
いざ山形エコーライン
ハイ、着いてしまいましたエコーライン。
練習で一回登ったので、どれだけキツイかわかっています。でも、なんとなく登れることも分かっています。この「なんだかんだで登れる」という安心感は絶大で、試走して良かったと感じました。
・あと何mUP?は考えるな
・序盤の街中に急に10%超えの区間が少しだけ出てくるので頑張るな
・蔵王猿倉レストハウスまではなんかつらい。 迷ったら休め
・山頂付近は、勾配も緩むし景色でテンション上がるから余裕
・1500UPくらいだから2回休憩すれば実質500UP
と、過去の自分がアドバイスをくれたので安心して走れます
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また、サイコン画面を作って先を見ないようにする戦略を準備編に書きましたが
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このさくらんぼ野郎がご丁寧に全部教えてくれやがるので計画がパーになりました。
ほんとにいいデザインだなこれ
ベテランも辛そう
秋保あたりで余裕そうに走っていたベテランランドヌールの方が、かなりしんどそうに走っているのをお見かけしました。
ランドヌールって、どんな距離と登りを与えても、1日2Hくらい仮眠の時間さえあれば笑顔で完走してしまう恐ろしい生命体だと思っていたので、なんだかそれをみて勇気が出ました。自分はその人たちでもしんどいレベルでハードな場で頑張ってるんだ!
前半で死にそうになってた脚もだんだんマシになってきたので、少しだけペースを上げます。
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山頂到着前濃霧と雨
山頂が近づくととにかく霧が濃い。
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山頂まであと1km?というところで雨も本降りに。
しかしもう後ちょっとで山頂のフォトチェックで停車するからと、停車せずそのまま走り続けます。
山形の地上で挨拶を交わした爽やかランドヌールとも再会。先に行かせてもらいましたが、山頂で装備を着替えてる間に一瞬でフォトチェックを済ませ先に霧の中へ消えていきました。そういえば彼はコンビニでの停車時間もメチャクチャ短かかった。勉強になります。
頂上に着く頃には全身しっとりと濡れてる状態に。まぁ、レインウェアを着て風が当たらなければ大丈夫だろう・・・
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濃霧・雨・風の三重苦ダウルヒル
もう、予報通りでしたがダウンヒルはマジでコンディション最悪。しかも全身濡れてると雨具なんか装備してても瞬く間に体温が下がって行く。当たり前です。15分前くらいの自分を殴りたい。
宮城蔵王は勾配がキツく、特に麓がきついのでダウンヒル目線だと丁度疲れてきた頃に落下するようなダウンヒルになるので最悪。
つらすぎて、「やめてくれーーーー!!!!」と叫びながらのダウンヒル。濃霧が晴れた時は「っしゃー!!!」と声が出ました。一つ辛い要素がなくなるだけでも最高にありがたい。
リムブレーキのランドヌールは手を酷使したとのことで途中休憩していました。
コンビニに長期滞在
蔵王を降りたところにコンビニがあるので、急いであったかい肉まんを確保。食べ終わってハンドルを握ると手の震えが止まらず、あったかいコーヒーを追加。20分くらい停車してしまいました。
山頂や登りで出会った方とも再開。ひどい状況を共有し合うと、少し楽になります。
また雨ブルベかよ
ここから岩沼市あたりまでの道のりは趣味の週末ライドで幾度となく走っているので、ルートに不安は一切ありません。
しかし最初の数キロはまだまだダウンヒルのため、どんどん身体が冷えて精神的にも肉体的にも削られます。
さっきは山だから荒天なのかと思っていたら、出発しても全然雨が止みません。あれ?仙台は小雨じゃなかったっけ?また春と一緒で雨ブルベじゃん、あーあ洗車も大変だしホイールもぶっ壊れるかもしれないしめんどくせー。とネガティブワードしか頭に浮かびません。
このブルベのテーマである登りはポジティブにこなせたのに。ダウンヒルと冷えはそれを遥かに超えてキツかった。
もっと登りたい(錯乱)
あんなに登ったはずなのに、この辺りではひたすら登り区間を渇望していました。身体を温めるためです。
短い登りを見かけては、「ヨシ!!」と踏んで身体を温める。もう坂なんて見たくもないくらい登ったのに・・・
前回のブルベは雨の中大幅にミスコースをし、完全に途中でメンブレしてしまいましたが、今回もダウンヒルから身体が温まるまでの間はややメンブレ気味でした。
ちょっとミスコース
名取市に入り、もう「速く終わりたい」の一心で飛ばしていたら痛恨のミスコース。
当日朝のブリーフィングで「歩道走行推奨」とされていた道を走っているつもりが、そのさらに横の側道を間違って走っていた。ミスコース地点まで戻り余計に2km弱走る羽目に。
やはり焦るとダメ。ミスコースの少し前に縁石に激突しそうになったのをすんでのところで避けたこともありました。ブルベは最後まで平常心で落ち着いて走る必要があります。
ゴール
ミスコースしている間に先を越されていたランドヌールの方と合流し、同時にゴール。
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ゴール受付は前回のコンビニ勘違い不認定事件があるので緊張しましたが、無事認定。良かった〜。
メダルは買わないつもりでしたが、このハードなブルベクリアは何か形に残したいと思ったので購入。
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反省
フィジカル面
1月前まで2500UPもできなかったのでよくやったと思う。ダンシングがもっとうまくなりたい。
メンタル面
よくやったと思うが、雨が降ったら即レインウェアを着るべきだった。
装備面
フレーム
エラい。最安グレードのアルミフレームでも超級山岳ブルベは完走できる。
足回り
ホイールはRovalのカーボン下位モデル、タイヤはAGILEST DURO(F:28c・R:30c)、maganeのTPUチューブという組み合わせ。
リアのタイヤは直前に28→30に変えたが、乗り心地もよく重くもなく、メチャクチャ良かった。
TPUチューブも変えてから1300kmの間不具合なし。乗り心地至上主義でなければオススメ。太めの30cタイヤで乗り心地悪化を緩和させるのが1番いいかも。
サイコン
イマイチ。2つのサイコンを持って行きましたが、ガーミンの方は大幅に距離が乱れ、206km走ったのに169km扱いでした。獲得標高も200くらい足りない。頼みの綱のサブサイコンも196km・・・
思い返すとガーミンは180km地点くらいでも169と表示されてました。後半の雨でやられていたのかもしれません。
ライト
Olightのフロントライトを2灯、ボントレガーのフロントライトを1灯取り付けていました。
前者は公称ランタイムより大幅に短い時間で消灯。前回のブルベでは問題なかったので、バッテリーの劣化でしょう。モバイルバッテリーのお世話になりました。次回は使わないかな。
後者は、雨で大量の水が入ってお陀仏に。
やはり安心安全のCateyeにするしかないのか…
終わりに
今回のブルベも、猛烈に生を実感したというか、しんどくて最高に生きてる心地がしました。
今までの自転車生活でやってきたこと全てが役に立ったし、対処が難しいところは勉強になる。やっぱり自転車総合力テストだなと思った。
R宮城運営の皆さま、道中話してくださった皆さま、ありがとうございました。