「生命式」 食人というモチーフの先にあるもの Herbie Hancock "Cantelope Island"
1、今日の読書
生命式
「食人」という忌避的な行為をモチーフに、正常という認識は普遍ではないというテーマ。
最近読んだ「絶滅の人類史」で人類史的(700万年前に人類が誕生した)にはごく最近まで「食人」を普通にしていた痕跡が明確にあるということを思い出した。
また、世界の一部の文化では数百年前まで、文化として残っていたし、2000年以降も事件としてはいくつも散見される。
族内の食人は、死者の魂を自身の中に入れるという愛情的な意味合いが強かったらしい。
軽くググっても、食人をモチーフにした書籍だけでも山のようにでてくる。
個人的には、食人について最初に記憶に残っているのは
「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター。
怖くて夜にトイレに行けなくなった。1991年の作品なので、12歳のころ。
ただ、単純に、人を食べるという行為が、生理的に気持ちが悪かった。
誰に習ったわけでもないのに、生理的嫌悪って起きるんだ。と今は冷静に思う。
さて『生命式』
死者を弔い、未来の生につなげる為の儀式として、食人が当たり前になった世界。
読み進めていく中で、やはり生理的嫌悪を覚える。
できれば、本を閉じてしまいたい思いにとらわれる。
同時に、どういう終わり方をするのかも気になる。
この矛盾する気持ちを起こしているだけで、十分作者の考えに乗せられている。
引き込まれる文章には共通点があって、その情景やシーンが、何も考えずに頭の中に構築されていることが多い。
今回のラストの海のシーンもそう。
(勝手に?)夜の海だけれど、月明かりがまぶしいくらい。その中で受精をしている主人公。
まったく静かではない海のはずなのに、なぜか静寂が包む不思議。
そんなシーンをイメージしました。
記憶に残る短編だと思います。
2、今日のJazz
昨日のUs3の曲の原曲です。名曲。これをアレンジするって、勇気がいるなぁと思いました。完成された曲のアレンジって怖そうです。
Herbie Hancock
“ Cantelope Island”
Album:(empyrean isles )
Amazon Musicにあるハービー・ハンコックのカンタロープ・アイランドを紹介します https://music.amazon.co.jp/albums/B0045PIGWK?do=play&trackAsin=B0045PMGTO&ref=dm_sh_K22r5MtJVd9UL3wUDZvsdDUgT
ちなみにyou tubeでHerbie Hancock と Pat Methenyの共演があったので、ぜひこちらもお聞きください。
https://www.youtube.com/watch?v=XrgP1u5YWEg
3、今日のトレーニング