秋晴れ 父の詫び状 隣人の匂い
1、今日の読書
父の詫び状 向田邦子
「隣の匂い」というテーマの章
向田邦子さんは幼少期父親の仕事で20回ほど転勤を繰り返したそう。
そこまではいかないが、僕も転勤をしていて小学校は3つ通っている。
この転校というのは子供心にかなりのインパクトで、
比較的記憶の薄い僕でも覚えている。
川崎→秋田→横浜という転校だったのだけれど、
川崎→秋田のときは都会っ子っぽく扱われた。
まだこれはその通りなのでいいのだが、次の秋田→横浜の時の田舎者という扱いはどうにも納得がいかなかった。
たしかに秋田から引っ越してきたことは間違いないのだけれど、
その前は川崎だし、という思いがぬぐえなかった。
けれど3年近く秋田に住んでいると、順応しやすい年ごろとしては、
東北の訛りや方言も多く使い、まぁ田舎者だったのだと思う。
川崎も秋田も団地に住んでいたので、近所の子といっぱい遊んだ。
昔はどこもかしも同じようなもんだったのだと思うが、
小学生たちは年齢関係なく全員一緒に遊んでいた。
必然的に年長の者が下の者をつき従えるようになり、一方で守護者でもあった。
不思議なもので中学生になった瞬間に、昨日まで公園で全力で一緒に遊んでいたお兄さんやお姉さんが、
制服を身にまとった日から、急に一緒に遊ばなくなるのは子供心に大人の線引きだったと思う。
この本の「隣の匂い」という章の中で、隣人のアメリカ人の奥さんが作る香辛料でまだ見ぬアメリカを感じたというくだりがある。
アメリカではないけれど、僕にも「匂い」の記憶があり、
それは夕方の団地で、どこからか漂う焼き魚の匂いだった。
団地の中庭で野球をやっている夕暮れ時、5時の音楽が鳴り、焼き魚の匂いが漂う時間が、僕の中での「隣人の匂い」である。
2、今日のJazz
昨日のHurry Slowlyに続いて、この曲も好き。
秋っぽい。でも昼ではなく夕暮れ時。
Robert Grasper
“ Written in Stone ”
Album:( ArtScience )
https://music.amazon.co.jp/albums/B01JR9NAFG?trackAsin=B01JR9O0LO&ref=dm_sh_86d7-a157-dmcp-6fac-22fab&musicTerritory=JP&marketplaceId=A1VC38T7YXB528
3、今日のトレーニング