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カンボジアでハッピーになる話

はじめに


この記事は、親友である男から執筆の提案を頂き書いたものです。以下のURL を参照。

https://note.com/sasamor/n/n8270113a8bff

https://note.com/sasamor

彼の話もぜひ読んでください。


今回の旅の大きな目的は、東南アジアの美味を味わうこと、由緒正しき遺跡を一目見ること、銃を撃つことだが、そんな高尚なものだけでもなく、ただ異国に出て新鮮なものを感じたいだけで外へ出てきた。ベトナムでのライフル銃体験も面白いものだったが、また別に記すことにしよう。

カンボジアのシェムリアップに到着した翌日、朝四時に起床し、トゥクトゥクでアンコールワットに向かった。道中の薄暗い中でも木の先から見える塔に心が踊った。少しばかりの湖に咲く花の力強さに裏打ちされた美は、なんとも言葉にしがたい。
朝日が地平線から悠然と昇り始めると、塔の間付近からオレンジ色から青へのグラデーションと塔の外郭、湖面に映るシルエットは抜群である。

近くにいたスペイン人に言わせてみればアメイジングでインプレッシブ(巻き舌で)な光景が広がっている。

アンコールワットの朝日


もちろんアンコールワットの中もクメールの文化を知ることができたし非常に面白い。バイヨン寺やタ・プローム遺跡も言うまでもない。仏教とヒンドゥー教の融合した文明は奥深かった。美術検定の勉強で出てきた、クメール美術を実際にお目にかかれて光栄という感じだ。

始まり

さて、この物語はカンボジアでハッピーになる話である。

どうやら、カンボジアには食べるとハッピーになれるピザが売っているらしい。 

その名も
「ハッピーピザ」

注文する際に、ハッピーになりたいというと大〇がトッピングされるかもしれないと聞く。確かではない……

元々、カンボジアはマリ〇ァナには寛容な国であるようだ。

普通に料理のスパイスとして使われるようだし、トゥクトゥクのおっちゃんたちがパケを持ってることだってある。(カンボジアでも所持販売は違法です)

実際、このAmokと呼ばれるクメールカレーには、スパイスとしてほんの微量入ってるらしい。(体感はない)

Amok


飲み終わった後に、それっぽいものが…見えなくもない。


僕はアンコールワットやその周りの遺跡群を軽く見廻ったあと、目的地である「ハッピーシェムリアップピザ」に向かった。

シェムリアップのパブストリートと呼ばれる飲み屋街の少し路地裏に進むと何ともニヤついた顔の黄色い顔が出迎えてくれる。なんともウザい。

☀の中心に😁のような歯、それと見開いた目👁をしたキャラクターが書いてある。すまねぇ、写真とるの忘れた…

メニューは普通のピザ屋さん。ナイフもフォークも揃ってに出てきたし、店員さんは若い女性だ。

本当にここは裏と繋がっているのか?

とりあえず、一番安い3ドルのピザで挑戦してみることにした。

「ハッピーになりたいです!!」

精神年齢が退行したような言葉を発すと、1スクープ2ドルだけどいい?と訊き返される。

もちろんすぐにOKする訳だが、それだけでいいの?と言葉が返ってくる。
 
初心者には負担が大きそうなので1スクープで我慢した😭

さて数分経って出てきたピザはこんな感じある。

ハッピーピザ…チーズの下には〇〇が…


チーズの下にはしっかりと緑が見える。

あぁ。ほんとに出てきた。

当然このピザを僕は食べ〇訳だが、感想は、ちょっと苦いマルゲリータだ。

直後はあまり変化がわからない。猫が隣でゆっくりと日向ぼっこしている。
それを見ながら僕はピザと戯れた。

用を済ますと、5ドルを出して僕はハッピーシェムリアップピザを出た。

どうやら噂によるとピザを食べてから、1時間ほど効果が出るまでかかるらしい。

さっきアンコールワットで出会ったハッピーピザを食べたイタリア人もそのようなことを言っていた。

ということで、時間に余裕があるので街中を散策することにした。

初期


夕方頃にピザを食べたのだが、まず最初に、友人たちへのプレゼントを買いにスタバに行った。
スタバにはご当地の商品が売っている。かわいい……

そこでいくつかのカップを買って、今シーズンのドリンクを頼んだ。店員さんは日本同様に話しかけてくれる。

ドリンクカップには、 「handsome ^^」の文字が……

クメール語で名前を書いてくれた。神!


どうやらHandsomeの定義は、万国共通のようだ🤔

さて、スタバゆっくり飲んでいるとなんだか少し頭がガンガンしだした。

これは、初めてお酒を飲んだときと同じ感じだ。

ハッピーになるには苦痛が伴うということか?

あぁこれはやばいやつかもしれないと思ったが次第に痛みもとれ、無意識に店内の音楽に乗って頭を軽く揺らしていた。

頭がぼんやりしだして、ふわふわした感じになる。
これがハッピーっていうことか??
そもそもハッピーってなんだ??
この気持ちがハッピーってコト?

などと、変にループしていた訳だが、そこから思考に進展は何もない。

店内にはフラペチーノを飲んでいる、AirPodsを両耳につけたお坊さんがいた。

坊主に袈裟という厳格さと、フラペチーノ+AirPodsとかいう現代物のアンマッチさが妙に面白可笑しい。

そんなこんなで1時間位スタバに滞在した。

頭がふわふわした状態が続いてはいたが、次はオールドマーケットに向かった。

オールドマーケットにて


オールドマーケットは、いわゆる商店街である。
特に目的も何もなかったが、歩いてみることにした。

普通に歩いていると、色んなところに客引きがいて、声をかけてくる。

何も買う予定もなかったから、スルーしていたのだが、フットマッサージの看板娘も例外ではなくおしとやかな声で僕を招いてきた。

もちろん僕は、スルーして素通りしたのだが、横を通ると彼女が急に大きな荒々しい声を出した。

僕は、驚いて振り返ると彼女は、机に隠れて笑っている。
どうやら僕は、ハメられたらしい。

彼女は驚かしたあとひょっと顔を上げて、フットマッサージどう?と言う。

一発やられた。

最初は断ったが、勝負に負けて潔くないのはカッコ悪くないか?と思い結局30分のマッサージを頼んだ。今考えると意味がわからない。

ピザのおかげで気分も悪くなかったし、まあ良しとしよう。

マッサージ中に彼女に、さっきなんて言ってたんだと尋ねると、どうやら、道端のお母さんを呼んだだけらしい。

途中、僕が一人で来たことに対して、なんで一人なの?家族とか友達とかガールフレンドとかいないの?などと聞かれた。やはり一人で旅行する人は少ないのだろうか?

とりあえず、彼女は英語が流暢で学校の成績も良さげらしい。優秀な彼女こそ世界で活躍してもらいたいものだ。

なんだかんだで毎日結構外に出て歩き回っていたし、なれない異国の地にいる疲れもあったのかマッサージが身に沁みる。

フットマッサージも、30分だったのを60分に延長サービスしてくれて優しい子だった。とりあえず最高に気持ち良いマッサージだったのでおすすめしておく。

追記:
友人から「本当に "フットマッサージ" か?」と質問が来たが、多分そうだったと記憶している。多分……


ピザのおかげでいい思い出が一つできた。


悪夢 


マッサージが終わったのは午後6時半ほど。
ピザを注文してから2時間半くらいだろうか。
最高に仕上がってきた。

そういやすごく喉が乾くし、時間間隔もない。
5分くらい経ったと思ったら1分しか経ってないことも、10分くらい経ったと思ったら40分くらい経ってたこともある。足取りも重い。歩みを進めると同時に振動で頭も痛くなる。瞼もピクピクし始めた。顔面神経が刺激されているのかなどと大学の講義で習ったことも思い出す。


頭痛はないが集中力が弱まっている感覚がある。一つのことしかできなくなって、マルチタスクができない。CPUが格段に落ちた感じだ。ブレインフォグとは文字通りの感覚だ。

しかしそれ程不快ではない、どちらかというとハッピーである。これがチルってことか……
確実にピザの効果が出ていると実感できる。はぁ。チルっちまった…

しかし、街中で倒れるわけにも行かないということで、投宿先のホステルに向かうことした。ホステルの一回には陽キャ御用達プールとバーがあった。

僕は、かえって寝るつもりだったのにも関わらず、声をかけられたが最後、お酒の席についてしまった。僕は生粋の陽キャ()なのかもしれない。

ハッピーピザに、お酒は、最高に頭がぼやける。
隣のドイツ人とアルコールを交えて談笑してると楽しくなって、目の前にはカラフルなカクテルが何度も消えては現れてしまう。ワールドカップの話や過去訪れたことのあるMunich(発音直された)の話もしたと思う。

1時間で結構飲んだ。流石にこれ以上はまずいということで部屋に引き上げることにした。すまない、ドイツの兄ちゃん……また会おうな……

早く起きなきゃいけないというのも、なんせ明日は7:40集合のツアーに申し込んでいるのである。カンボジアでの50ドル近くのツアーは結構でかい。流石に逃せない。

しかし、ハッピーピザは僕を逃してくれない。ハッピーピザとお酒のダブルパンチは頭を抉る。本当に思考できない。

それ故、僕は、この旅最大の過ちを犯してしまう。

そう、僕は、水道水を飲んでしまったのだ。

口をゆすぐつもりがいつの間にか胃の方へ…
しかも気づかず結構飲んだ……と思う。

まだカンボジアの水道水は飲んじゃだめだと行きの飛行機で聞いていたのにな…

その当時は、ハッピー故に、まあいっかなどと気にも病んでいなかったのだが、胃腸に関してはあまり自信のない僕には当然、悪夢が夜中にやってきた。

深夜1時から1時間ずつ4回は起きた。お腹を下して便器と格闘する一夜であった。時を経て、身体の中で内戦が勃発した訳だ。

ホステルの二階のトイレに入って右から2つ目の便器にはお世話になった。សូមអរគុណ(クメール語でありがとう)
胃腸薬をリュックに潜めていた過去の自分にも感謝。

そして、昨日買った、かぜ薬(たぶん)を飲んだのだが、今思えばエグい色している。怪しい……
何となく、クメール語で説明を書かれているがあえて翻訳をかざしていない。そもそも、胃腸の荒れに風邪薬は効かないと思う🫠

沢〇エ〇カ様が使用していたものにも見える

将来、医療を志す者としては落第である行動だがまあ、学生のうちは無罪放免であろう。ハッピーピザは、大体摂取してから5時間から6時間は効果が出るらしい。寝る前くらいにちょうどその6時間を迎えたが、まだまだもやもやしている。

ハッピーになりたい人がいたら、ハーフスクープをオヌヌメする。というか、ピザは食べない方がいい。これは、啓発記事である。マジで食べないほうがいいよ。

結局、ほとんど床につくことは叶わなかったが、最後7時半には起きることができ、ツアーに向かった。頭のふわふわ感はだいぶ和らいだ。睡眠不足もあるがなんとか悪夢を乗り越えたのである。正直ホッとした。

その後


ハッピーピザを食べたのがほんの少し前のことに思えるが、密度の濃い一日であった、最後の方はやらなきゃいけない課題とかやりたい勉強とかあったのに頭がぼんやりしすぎて何も手につかず、もう早く元の生活に戻ってくれなどと感じていた。

そんなこんなで無事ツアーに参加した訳だが、そこでツアーで素敵な日本人大学生と出会うことができた。

これも昨日徳を積んだおかげである()。
夕方、一緒にパブストリートでお酒を飲んだりクメール料理を食べたりして親交を深めた。

その後、共にゲテモノ料理を探しに行ったりもした。僕がサソリやタランチュラ、蛇などを食べたいと言って、共にしてくれる人なんて、素晴らしい!!!

結局、珍味を食すことは、屋台が見つからず叶わなかったが、各地を旅した話や大学生活についてなど色々なお話をした。最高!!ゴイゴイスゥ!!

現地の人や外国の人と話すのも、もちろん楽しいのだが、旅先で日本人と話すのも、格別である。

次の旅行先こそ、ゲテモノを食したい…🥴ジュルリ

パブストリートでの夜も最高のものとなった。

少し路地に入ると、カラフルな傘が!!☂

最後に


確かにハッピーになれたしいわゆるチルを感じられた。しかし、その分苦しい思いもしたので、もうこりごりである。

何度でもいうが、海外であっても危険な食べ物などには、手を出してはいけないよと、注意しておく。ちゃんと反省している。以下のサイトを時間があるときに読んでほしい。気をつけてな…



しかし、総じて、偉大な遺跡の近くでなんともエキサイティングな経験を何度も味わうことができ、思い出深いカンボジア滞在になりましたとさ。


それでは…… 

※これの物語はフィクションです。多分。

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