最高裁判決文を読む。第二回。
こちら、まことさんのnoteと判決文を今日ずっと読んでいる。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/191/092191_hanrei.pdf
(判決文、補足意見全文)
前回、判決文を補足意見まで含めて読んだ私の解釈はこちら↓
補足意見を除いて読んでみる
「補足意見」は法的効力を有するのだろうか?
有しないとすれば、
判決は「調査しないまま制限措置してたことは違法」ということのみに限るのであって、
「今からでも調査し”特段の配慮をすべき”女性が確認できれば、再度検討なり制限措置や禁止措置するなり、あらためて新規裁判起こすなりしたらいいよ」
ということにならないだろうか?
すべては譲歩から始まった。のでは?
読めば読むほど、少しでも譲歩したのが間違いだと思う。
二階上の女子トイレは認めてしまったこと。
戸籍記載を変えれば制限を解くつもりであったこと(これは法律のせいだが)。
これによって、本来突っぱねるべきであった「男だが、女と同じ扱いをしろ」の要求を「”特段の配慮をすべき”女性が居るか、調査すべき」の遡上に載せてしまったのではないか。
前回のnoteで書いたこととも重なるが、
譲歩したなら、「場合によっては男性にも女子トイレを使わせることが善であるのが大前提だ」と認めたことになってしまう。
そこからは「じゃあどんな男性なら、どこの女子トイレまでならOKか?」という話にスライドするのは道理だ。
そこで、「でもいつまでも、それを決めるための調査は行っていませんでした」だったから
「それじゃ怠慢であり、公務員法的にも違法じゃん」となってしまったのだ、と。
そういうことなのではないだろうか。
「全職員にとっての適切な職場環境」の審議範囲とは?
つまり。
公務員法86条「全職員にとっての適切な職場環境」についてだが、 特例法と「二階上の女子トイレなら……」の譲歩によって
本来なら当然のこととして言葉にもされずに共有されていた、
「事実にもとづいた女性保護のための大前提(例:男を女として扱え、など突っぱねるべき要求である)」が崩れた世界にされてしまった、
その上での審議そして判決なわけだろう。
たとえば女性の尻をさわらないと心の安定がはかれない職員が居たとしたら、彼の「適切な職場環境」のために「触られたくない”特段の配慮をすべき”女性職員がいるか」調査を行うか?と聞きたい。
ふざけていて極端なたとえだと怒るだろうか?
私にとっては、現状がこれくらいふざけていて極端だと思っているよ。
男性を女性として扱え、受け入れろ、と強制されること、
どんな男性ならいいのかと打診されること、
なぜ嫌なのか調査が必要とされること、
「”特段の配慮をすべき”」女性だとして具体な証明を迫られること、
このすべてがふざけていて極端だと思わないか?
数年前まで想像もしなかった地獄だよ。
女性にも尊厳がある。確認すべきこと。
私の職場で判決の話をしたら男女ともにかなり苛烈な言葉を使って
怒りと心配を表現していた。
そのように「ふざけんな、使わせるわけないだろ」と言葉にして、互いに大前提を共有していることを、日々確認することも大事だと思う。
女性の尊厳侵害であること、女性ですらそれをすぐに譲ろうとしてしまうから、
何度でもしつこく確認してほしい。
こちらのツイートのように、「女子トイレ使わせて」という男性個人が現れる前に、ルールをしっかり定めておくのも有効だと思う。
もちろん一律NGで!
一歩も譲ってはいけないよ。
経産省も、さっさと女性職員の声を(個人が特定できないよう安全に配慮して)調査してほしい。
もちろん新人が入るたびに全員に調査するんだよ!