アスリートの引退後について考える。
体育大在学時代、たくさんの若手アスリートに囲まれていた。
これから活躍を期待されている、未来のエリートだ。
(もはやその時から世界で活躍する人達がたくさんいたが…)
そんな中で育った私は、スポーツ観戦をしながらよくその人達の引退後の人生のことを考えることが多い。
一流と呼ばれるほど活躍して、知名度があればそれでなんとかなるだろう。
ただ、アスリートの中には、そこまで結果を残すことができずにやめていく人もたくさんいる。
その人達は、どのように第二の人生を歩むのだろうか。
そこでまずは、私の周りのアスリートがどのように第二の人生を考えていたのか、それについて考えてみた。
こう語るのは、競輪選手の女性だ。
ガールズ競輪はそこまでまだ知名度も人気もない。
その中で、長く競技を続けるというのは、なかなか難しいのかもしれない。
選手期間中に散財をせず、不労所得を作っておくというのは賢い選択だろう。
これを聞いた時、彼女はまだ20代前半だった。
本当に、しっかりしていると感じた。
このように語るもの、ガールズ競輪の選手である。
このような発想はアスリートには珍しい。
「好きなことで、生きていく」というよりも、
「得意なことで、生きていく」という状態だろう。
たしかに、夢への道のりを考えた場合に、これが最適だったのかもしれない。
こう話していたのは、マイナー競技でプロとして活躍する選手だ。
マイナー競技でどれだけ成績を残したとしても、やはりその収入は一般のサラリーマンと大きく変わらない。
だからこそ、第二の人生を早めに考えておくのは重要ということだろう。
ただ、このように考えられる人ばかりではない、というのも事実だ。
実際に私が大学に通っていた時、英語の授業ではABCすらまともに言えない特待生もたくさんいた。
スポーツに集中してきて、勉強などはおざなりになってしまったというパターンだ。
実際にプロとして活躍した選手の中にも、引退後は何もできることがなく、仕方なく大型免許をとってトラックに乗りだしたという方や、第二のスタートが切れずに酒浸りになってしまったという方もいる。
このようなことから、アスリートという特殊な環境下でお金を稼ぐからこそ、その後どのように生きていくのか、どのように新たな人生をスタートすればいいのか、それをサポートする場所も必要なのではないかと思う。
「スポーツでお金を稼ぐ」
競技をして、という面では難しくなってきたからこその引退かもしれない。
それでも、スポーツをもっと多角的に見てみれば、自分が入れるスキマが見つかるかもしれない。
そうすれば、もっと競技を盛り上げつつ、アスリートが引退後も活躍できる環境を作ることができるのではないか。
アスリートを育てる際には、その後の人生にもつながるようなサポートを行う専門家が必要になってくるだろう。
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