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”プロ野球”をPEST分析|節税、日米年俸、ファン人口、IT技術
こんにちは、へりおです。noteでは読書記録や本の紹介、Twitterではマルチな情報発信をしています。
ワンテーマPEST分析をしていきます。
PESTで扱う観点は、政治、経済、社会、技術といった4つになります。マクロ環境(外部環境)を分析するマーケティングフレームワークで、このような観点を持つことで、正しく世界を見ることができると考えています。
今回のテーマは、、、
”プロ野球”
です。
4つの観点から、PEST分析。
それでは、ひとつずつみていきましょう。
Political 節税制度
″節税、プロ野球″
— へりお ☀️つぶやき教養 世界のミカタ【PEST NEWS】 (@Helio_PEST) March 22, 2022
昭和29年からのプロ野球だけの特例。
12球団の親会社やスポンサー企業が球団に金を出すと、広告宣伝費として税務処理できた。球団の赤字も補填できた。しかし、2020年にサッカーを始め
全てのスポーツに広がると明言。コロナ禍厳しいチームの活動資金を増やす国税庁の見解だった pic.twitter.com/25IPizo5wS
野球は球団に社名が入るが、サッカーは入らないことが節税制度を適用するか引っかかっていたようですが、サッカーを始め、他のスポーツにも転用されることは喜ばしいことですね。
Economic 市場規模と年俸
プロ野球もサラリーマンと思ったら。今年の最高は約9億円のマー君。常人で考えられない年俸。だけど、メジャー時代では22億円をもらっていた。つまり、海外のスケールは日本とは比べものにならない。海外に飛び立つチャレンジ精神があるか、ないか。それがデカいチャンスをものにできるかに直結する。
— へりお ☀️つぶやき教養 世界のミカタ【PEST NEWS】 (@Helio_PEST) March 23, 2022
投稿では、いわゆる給料に焦点を当てましたが、先に市場規模についておさらいしておきましょう。
だいたい年商100億~200億円の球団が12球団と考えると、日本のプロ野球リーグ全体では、約1,500~2,000億円が市場規模と考えることができます。
次に、売上について。
○総資産1位はソフトバンク1134億円。2位はDeNA164億円
○セ・リーグ最少はヤクルト44億円、パ最少はオリックス22億円
○コロナ禍の20年、単年収益(当期利益)は7球団が赤字転落
○直近2年の連続黒字はDeNAのみ。黒字転換は楽天だけ
○自己資本比率は日本ハムの93%が最高、最少はオリックスの4.1%
○巨人、中日は球団単体での決算公告の開示なし。オリックスの当期利益は非公開
日刊スポーツ
球団経営においてスタジアム保有がひとつのポイントなようですね。
最初に球団の収入と支出をまとめると、収入源は「チケット収入」「テレビなどの放映権」「広告などスポンサーシップ」「グッズ販売」が柱となる。支出の主なものは「選手年俸」「人件費」「移動費用」が挙げられる。ほかに球団が球場を保有しているかどうかも、業績を左右する大切な要素となる。ヤフオクドームを保有するソフトバンクや、指定管理者制度をもとにZOZOマリンスタジアムの営業権を握るロッテなどは球場内の広告、飲食などを自由にコントロールできる。一方でヤクルトが本拠地をかまえる神宮球場や、日本ハムが使用する札幌ドームでは球団の経営に制限があるのが現状だ。
ベールボールオンライン
このようなプロ野球の経済の輪郭を捉えたうえで、年俸をみていきましょう。
☆田中将大(楽天)15年9億円 372試合181勝90敗3セーブ(日米)
でトップです。
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ただ、規模が大違いなメジャーリーグと比較すると、最低年俸が5倍ほど。選手にとって日本が魅力的にみえるのかは疑問ですね。
メジャーは新協定で22年の年俸最低保証額が70万ドル(約8100万円)と21年より日本円ベースで約1400万円アップした。5年間は毎年2万ドルずつ増え、26年には78万ドル(約9000万円)になるという。日本の1軍最低年俸は1600万円で、選手会が発表した2021年度の年俸調査では12球団の支配下選手(外国人選手を除く)の平均年俸は4174万円だった。
【参考】
Socio-cultural ファン人口
プロ野球ファン人口は、2,279万人で昨年比″184万人″減。2012年の67%に過ぎない。小学生のなりたい職業1位は野球選手からサッカー選手に。ただデータを見ての通り、サッカーも芳しくはないだろう。近年の盛り上がりを見れば、バスケや卓球など他のスポーツに食われていることが想像できる。 pic.twitter.com/5fMxqnNLhH
— へりお ☀️つぶやき教養 世界のミカタ【PEST NEWS】 (@Helio_PEST) March 24, 2022
2021年スポーツマーケティング基礎調査によれば、プロ野球ファン人口は、2,279万人で昨年比184万人減なようです。しかしながらスタジアム来場者数は増えている。一因として、球団のファンマーケティングが秀逸であることが挙げられるでしょう。
Technological プロ野球とIT
プロ野球の色んな技術5選
— へりお ☀️つぶやき教養 世界のミカタ【PEST NEWS】 (@Helio_PEST) March 25, 2022
① 投球の軌跡やバッターのスイングなどの″映像分析システム″
② ″ 顔認証″を使ってカンタンに入場
③ 360度パノラマの″VR球場″
④ 競技の音だけを強調する″ターゲットマイク″
⑤ 名シーンを”NFT”販売
映像分析や音声処理、拡張現実など。リアルが追求され続けています。 pic.twitter.com/b2zCP05M74
facethruによる入口の「顔認証入場ゲート」では、ディスプレイに顔を近づけると、事前登録した顔画像と入場券の情報と照合して本人確認が行われる。
新たな収入源としてのデジタル商材、NFTも注目!
「パ・リーグ Exciting Moments β」は、パ・リーグ6球団の名場面やメモリアルシーンの動画コンテンツを、自分だけのコレクションとして保有できるサービス。
まとめ
日本のプロ野球のPEST分析でした。
節税制度のみならず、球団のネーミングなど企業側にはメリットが多いですね。プロ野球を含むスポーツ業界全体に資金が流入する施策であり、コロナ禍で厳しい今、必要な取り組みでしょう。引き続き、民間からの資金流入が続けば、国外への人材流出を止めるため、または国外から有名選手を受け入れるために給与水準を高めることができるようになるでしょう。スポーツが多様化するなかで、ひとつの競技のファンが減ることは致し方ありません。しかし、女性にターゲットを絞ったり、地域に根付いた施策を行ったりするようなファンマーケティングは秀逸で、他のエンタメ産業や地域振興のベンチマーキングとなるでしょう。さらに調べていきたいものです。最後に技術ですが、やはりスポーツの正当性を上げるホークアイといったカメラは必要です。さらにそれは細かなフォーム修正など選手の育成にも貢献しています。一方で、顧客体験の向上のためにも技術が多用されています。顔認証によるスムーズな入出などプロセスのイノベーション。プロダクトをみれば、新たにNFT商材がつくられるようになりました。
野球観戦の体験の質の向上と、地域マーケティングによってファンを創出する。そのためには資金調達が必要で、節税制度がひとつの取り組みである。
そんなPESTの繋がりに気づくことができましたね!
ここまで読んでいただきありがとうございました。