シールドは運ゲーか?
「相手のレア強すぎて負けた・・・シールド運ゲーすぎる」
このような気持ちになったプレイヤーは多いと思う。
しかし、運ゲーというのが「プレイヤーの腕が介入する要素の少ないゲーム」だと定義するとシールドはまったくそう思わない。むしろ腕が出る場面が多い。そのことについて書いていく。
プレイング
対戦中のプレイング全てを指す。打ち消しを警戒して出さないべきか、コンバットで何体攻撃するべきか、土地を置くのか置かないのか、判断に迷った事はないだろうか。リミテッドの盤面は対戦ごとに違い、どうプレイするのが正しいのかわからなくなる事も多い。多くの対戦を通じて経験値を得たプレイヤーの方がそのような場面で間違える可能性は少ない。腕が出る場面は多いが上手いプレイヤーは総じて似たプレイになり差がつきにくいともいえる。
デッキ構築
プレイングより腕が出るのがデッキ構築である。スタンダードやパイオニアでも思った事はないだろうか。「デッキ強すぎてプレイ下手でも勝てた」と。シールドも同じでデッキが強ければプレイングミスを挽回する事ができる。ここが同時に運ゲーと呼ばれる理由で強いレアがたくさん入っているプレイヤーに負けた時感じる事である。
シールドのデッキ構築は孤独である。6パック剥いてその中から組みあげる。テーブルトップの競技イベントでは助言を求める事もできない為、全部一人で考える必要がある。他のフォーマットであれば事前に情報収集し強いデッキを組んだり、チームを組んでデッキ調整をする事もできる。シールドは自分の経験だけしか持っていけないので個の実力が最も出るといえる。ただ、プールによってはメインボードはこう組むしか余地がないだろうと感じるぐらい強い/弱い事もある。
サイドボーディング
もっとも腕が出ると言っていい。ここがシールドの真髄である。
メインボードを組みあげるのはさほど難しくはない。90枚の中から強いカードの組み合わせを23枚程度選び土地を入れる。組み方に上手い下手はあるが全プレイヤーができる事だろうと思う。しかしサイドボーディングは途端に難易度が跳ね上がる。普段の構築では15枚しかないサイドボードがなんと67枚もあるのだ。もちろんメインボードに入れなかったのだから弱いカードがほとんどであろうが、対戦相手によってデッキを変える機会があるのだから活用しない手はない。以下に私自身がよくやるサイドボーディングを書く。
相手より少しだけ重くする
重いカードの方が強い。相手のデッキが十分に強く、急に変わる事はないと感じた時は土地を調整し軽いカードを数枚重いカードに変える。先手でも後手でもできるロングゲームを意識したサイドボーディングである。
相手の除去を腐らせる
自分がメインは飛行ビートデッキを組んでいたとする。当然、サイドボーディング後の対戦相手は飛行除去を入れてくる可能性が高い。そこでこちらは飛行クリーチャーがまったく入っていないデッキに変えるというサイドボーディングである。アーティファクトやエンチャントでも同様の事がいえる。はまれば大きいがリスクも高い。メインボードからデッキのパワーが下がっているのは明らかなので無理なく変えられる時に検討する事。
アグロ
軽量のクリーチャーとコンバットトリックを多めに入れテンポで押すプラン。自分が先行をとれる時に考える。メインボードでお互いゆっくりした展開で負けた際に決まりやすい。注意したいのが本当に隙をつけるアグロデッキになっているかである。メインボードで対戦相手が軽量の壁をデッキに入れていたら止めておいた方がいい。アグロを過剰に対策する事はないがガードを下げる事もない為、そのまま入れっぱなしである事がほとんどである。
他にも有用なサイドボーディングがあるだろうが普段からできているのはこれぐらいで67枚フルに活かせているとは到底思えない。
終わりに
シールドについて私自身の考えを書いた。今回のnoteを書くきっかけは市川佑樹さんが『ファイレクシア:完全なる統一』のカードリストを様々な視点から見る!赤いカードから - Twitch 31分~よりシールドについて話しているのを聞いて触発されたからである。自分はあっさりとした記事を書いたが市川さん自身のシールド論にはとても興味がありnoteが出たら購入したいと思っている。
今月のウィークエンド予選は2月25日~26日にファイレクシア:完全なる統一のシールドで行われる。運ゲーだと切り捨てず研鑽を重ね挑んでみるのもどうだろうか。もちろん練習して挑んでもあっさり負ける事もあるだろう。それもまたMTGである。
余談
リミテッドで最強のプレイヤーは誰?と言われるとrizer(@rizer1891)さん / Twitterの名前があげられることが多い。私もそう思う。Rizerさんが何故最強と呼ばれているか配信を見ていて特に感じるのがデッキ構築・サイドボーディングの上手さである。自分では思いつかないようなデッキ構築、細かいサイドボーディングがなされており勉強させてもらっている。他のプレイヤーの名前が上がりにくいのはRizerさん以外でハイレベルなリミテッドイベントを配信しているプレイヤーが少ない事があげられる。上に書いたがデッキ構築とサイドボーディングが最も腕が出ると感じているシールド戦でそこを公開しているプレイヤーは少ない。自分のデッキやサイドボードプランがばれると致命的だからである。リミテッドプレイヤーの実力が可視化しにくい中でRizerさんは配信しながらPTQでTOP8に入るのだから怪物である。
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