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謹賀新年 25’
新年 明けまして おめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。
稀有で酔狂で賢明なる読者の皆様の健勝と平穏無事を祈念しております。
本年の開口一番は「瓢箪鯰」です。
丸くてツルツルした瓢箪で、ヌルヌルした鯰を押さえる・・・それは正に、要領を得ない人間の有様を表しているのです。
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『要領を得ない』と言えば、いつまでたっても自然災害を予知することができない人間、そして、国土強靭化を謳いながらも見通しがつかないまま右往左往している我が国のことを思い浮かべてしまうのです。
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そして、この元日を機に思い浮かべることと言えば・・・。
そうです。昨年の元日の夕刻に発生した能登半島地震(M7.6 )のことを忘れるわけがありません。
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それは、彼の地に暮らす多くの人々の
人生を・・・
営みを・・・
記憶を・・・
変えてしまう辛苦の出来事でした。
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この能登半島沖地震は、穏やかな元日を過ごしていたであろう全国各地の人々に、『人間の設けた暦や都合を問わず自然災害は起こり得る』という至極当たり前の現実を、否応なしに見せつけてきたわけです。
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かく言う私もまた『地震国・地震列島』と称される島国に生れ落ちた人間の一人として、大規模な地震災害と無縁でいられるわけがありませんでした。殊に、建築という仕事を志した自分と大地震の関わりを考える時、何とも表現しようのない『強力な接点』を感じずにはいられないのです。
真っ先に思い出すのは、阪神淡路大震災(1995年1月:M7.3)が発生した年に一級建築士の試験を受験したことです。
二次試験の作図課題が、件の大震災に特化した内容になったこともあり、自然災害と建築の分かち難い関係を強く認識させられた機会となりました。幸いなことに、その年の試験に合格することが叶ったのですが、酩酊を味わうよりも先に、有資格者が担う責任の重さに眩暈を覚えた私なのでした。
そして、建築士事務所として独立(2000年)して以降、宮城県北部連続地震(2003年7月:M6.4)、岩手・宮城内陸地震(2008年6月:M7.2)といった震災に一建築技術者として直面してきたわけです。
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しかし、それらの地震とは趣を異にする強烈な接点を持たざる得なくなりました。私は、その出来事によって『それまで記憶に留めていた大切な日』を否応なしに刷新させられたのです。
2011年3月11日
『この日』のことを、一日たりとも忘れたことはありません。
東日本大震災は、私の人生に消しようのない点を刻んだのでした。
今後、『この日』を超える出来事が私の身に起きるのか?
この問いを思い浮かべる時、私は曰く難い悪寒を覚えるのです。
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おめでたい元日に相応しくない話をしてしまいました。
その点につきましては、ご一読を賜った皆様にお詫び申し上げます。(さわさりながら、意図はご理解賜れたことと信じております。)
もし、ご都合がよろしければ、以下に掲載した『お願い!』もご一読賜れれば幸いです。
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§ お願い!
時は、正月休み。いつもより余裕がおありの方も多いことでしょう。
この様な時にこそ、ご自身が暮らしている地域に潜む危険性や、有事の際の避難経路・避難場所を把握するために、各都道府県当局のHPが告知しているハザードマップを参照してみるのは如何でしょうか?
(※既知の方は、最新情報をチェック!)
ハザードマップには、河川の洪水時や津波の発生時の浸水範囲を示すマップだけではなく、急傾斜地・崖地の指定区域か否かが分かるもの、或いは、新興住宅地における盛土・切土の種別を提示しているものなど、様々なタイプのマップが存在しています。
一例として、私が暮らす仙台市のHPを覗いてみましょう。
仙台市HPのトップページを開いてから、【くらしの情報】→【くらしの安全・安心】→【防災・災害対策】→【ハザードマップ(以下リンク先)】といった具合に、相応の回り道をして辿り着くことになります。
※『サイト内検索』を使うのも手ですね。ただ、検索の途中に有用な情報がある場合もあるので、その点を考慮して活用してみて下さい。
なお、内閣府(防災情報のページ)や国交省のHPにも、災害情報や被災時の各種支援制度について掲載しているので、心に留めておくと良いでしょう。(※双方ともに、お世辞にも見やすいサイトではないので、定期的にチェックして見慣れておくのも有効ですね。)
どうか『災害は時と場所を選ばない』ことを胸に、自分たちが暮らしている場所・地域の状況を知り、そこから推測される災害を想定し、減災に繋がる準備をしておきましょう。こうした地道な準備の課程こそが、危機意識を醸成してくれるものと私は考えております。
§ 自然災害に関する過去記事
お時間のある方はどうぞご一読下さいませ。