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新年早々に完成したのは、これまで幾度となく彫ってきた「 草履に蛙」。 この古典的題材についての詳細な話は、過去記事(本稿末尾にリンク有)に譲らせて頂くことにして、ここでは本作ならではの部分について、淡く触れさせて頂きたいと考えています。 お時間の許す方は、どうぞお付き合いくださいませ。 草履に蛙 人の親になって以降、自分の身上よりも若人の平穏無事を願うようになりました。それは、日常生活に因らず、作品のテーマやモチーフを決める時にも影響しているようで、折に触れて「草履
新年 明けまして おめでとうございます。 今年も宜しくお願い申し上げます。 稀有で酔狂で賢明なる読者の皆様の健勝と平穏無事を祈念しております。 達磨禅師と言えば「面壁九年」。 「面壁九年」とは、一般的に「物事を忍耐強くやり遂げること」と解釈されているようですが、禅師ご自身は「壁を睨んでいるだけでは、壁に穴を穿つことはできない。」と悟ったとか、悟らなかったとか。 娯楽性の高い時代小説を多く発表した山本周五郎もまた、「面壁九年」をモチーフに「松風の門」を紡ぎ出して