夫婦それぞれの結婚式体験談 ①プロポーズ編(新婦視点)
このノートは、2018年の末に結婚式を挙げた夫婦がそれぞれの視点で結婚式の体験談をしたためたものです。
ルールはこんな感じです。
1.同じテーマについて二人が同時に書く
2.二人とも書き上げるまでお互いの内容は見ない
3.完成したらお互いに内容チェックして投稿
これから結婚式を考えている方にとって、ささやかなヒントになれたら幸いです。
その1 プロポーズ編(新婦視点)
「僕と結婚してください!」「はい!」のやりとりに憧れて数十年。
二十代も終わる春、とうとうその日がやってきた。
何かと危険な香りがする恋愛ばかりしていた私が、当時付き合っていた彼氏と別れた直後
「普通の人と結婚したい」
そんな思いから24歳から婚活をはじめ、結婚相談所から街コンからネットアプリと運命の人探しをした矢先、ネットアプリを通して現在の夫と出会った。
3回のデートの末、付き合い始め1年程たった2018年の年明け頃から「一緒に住んだらどうなるかな?」なんて話が出始めた。
周囲の友人たちから結婚を前提とした同棲の話を聞くようになっていた私は、「同棲」というものがしたくて仕方なかった。
そのため、彼から「一緒に住んだら・・・」なんて言葉が出たことにより、私も同棲ができるのか!!とウキウキしていた。
しかし私には、というか我が家には一つ問題があった。
「婚姻前の同棲はNG」
理由は一緒に住むなら添い遂げる覚悟をして籍を入れてからしろ、ということだった。
3歳から母に教え込まれていた私にとって、婚姻前同棲したいけれど、この教えに逆らって同棲してもなんか幸せになれない気がする、という気持ちがあった。
25年の刷り込みは簡単には消えてくれないらしい。でもそれ以上に私自身も名前のない関係で一緒に住むのは嫌だった。
ここは正直に彼に伝えてみよう、とそのままを伝えたところ
「じゃあ親に挨拶いって結婚だね、でいつならいいかな?」
ああ、親に挨拶いってくれるのかー、で結婚ね・・・ん?結婚?????
状況受け入れるの早すぎませんか???ねえ???
この人何言ってるんだろう、というのが正直な感想だった。そんなあっさりと結婚しようっていうメンズがこの世にいるのか。
世のメンズは「まだよくない?」って逃げ腰になるところではないのか?
(※ネット記事の読みすぎです)
困惑する私をよそに親への挨拶について話始める彼氏。
私はてっきり、親の挨拶はプロポーズされてからするものだと思っていた。
プロポーズ。
キラキラしたところで、男が跪いて、箱を開けて
「僕と結婚してください!」
そう言われた女は一粒の真珠の涙を流してただ頷く・・・。
というのをプロポーズをしてから二人の人生の幕開けになるのではないのか。
それか「これは誠心誠意の高潔なる求婚だ、結婚するといってくれ」と言われて
唇を奪われたい。
風と共に去りぬのバトラーみたいに。私はスカーレットで。
というのは冗談だが、プロポーズのない結婚なんて麺がないラーメンである。
多分、このままでは彼はプロポーズなんてしてくれない。
そう思って正直に彼にプロポーズをしてほしい旨を伝えた。
が、しかし
「え、面倒くさいし、婚約指輪買うの嫌なんだけど」
き、き、貴様ーーーーー!!!
今、世のプロポーズしてほしい人たちを敵にまわしたな!!!
面倒くさいのはわかる、婚約指輪も結婚式までの数ヶ月(下手したら数週間)しかしないもの買ってどうするんだっていうのもわかる。
結婚していく友人たちの左の薬指にキラキラかがやく婚約指輪をみてきた私は、婚約指輪に憧れもあった。
しかしその反面、母が「婚約指輪の形が気に入らない」と一度もしなかった話を聞かされ続けた。
私は基本的にアクセサリーはいつでもしたい派だ。しないアクセサリーはいらない。
それならば結婚指輪をオシャレでステキなものにして、婚約指輪なしでいいのでは・・・?
と考えはじめ、彼と相談し婚約指輪は無しへ。
しかしプロポーズに関しては「面倒くさい」の一点張りの彼と、されたい私は混じり合わぬまま親への挨拶について決めていくことになった。
そんなこんなで数週間後、お気に入りのディズニーギャラリー、エドムへ。
お世話になっている店長Nさんに夫を紹介したかったため、夫にも同行してもらった。
店内を眺めているとSHOWCASEシリーズの美女と野獣のステキなフィギアがあった。
欲しいな、どうしようかなと悩んでいたところ、夫が
「プロポーズで渡すならこれ?それともミッキーとミニーのウエディングとどっちがいい?」
と言い出した。
プロポーズの話覚えていたんかーーい!
というかしてくれるのーーー!?!?!?
と、困惑と嬉しさがいっぺんに押し寄せてきた。
突然どうしたのか、と聞くと
「プロポーズって、箱パカーってするのは必要じゃない。中身どうしようかなって」
まって、プロポーズって箱をパカーってするのがメインじゃないよ・・・?
というツッコミは本人にはしなかったが、どうやら婚約記念品としてディズニーのフィギアをくれるとのこと。
これならタンスの肥やしになることなく、結婚後も家に飾れるしね、と。
色々考えてくれていたのだな、と思いつつ
美女と野獣がいいなーと言っていたら店長のNさんが
「これが入る箱なら浅草橋とかにありますよ」と会話に入ってきた。
そのまま入れる箱について話し込みはじめる店長Nさんと彼氏。
私はプロポーズしてもらえるんだ!やったー!とルンルンしながらそれを眺めることにした。
1週間くらいで箱を用意してプロポーズしてくれるのかしら?とルンルンまっていたが
1ヶ月経ってもプロポーズはされなかった(しかもこの間に親への挨拶は終わった)
これは、もしかして
忘 れ て る ?
これまで記念日の類を忘れたことがない彼だが、プロポーズのこと、忘れているのか?
彼の親への挨拶ももうすぐで、入籍も見えてきてるこの時期にプロポーズ忘れて、る??
不安でいっぱいだったが、ここで私がトチ狂って逆プロポーズするわけにはいかない。
それに男はせっつかないほうがいい、とかなんかの本に書いてあった!
そう言い聞かせて、私はプロポーズについて彼になにも伝えないことに決めた。
(結構くじけそうになったが)
それから数週間後のある日、彼の家で深夜にすっぴんパジャマで寛いでいたところ
「OKグーグル、美女と野獣のテーマを流して」
突然、彼氏がグーグルホームにそう命じた。
大音量で美女と野獣のテーマソングが流れる中、30cm以上の高さはある白い箱を抱えて、私の目の前に跪く彼氏。
そして箱を開きながら一言。
「僕と結婚してください」
ずっと、ずっと待っていた一言だった。
今すっぴんパジャマなんだけど、と思いつつも嬉しさに涙がこぼれた。
大好きな人からの一言に、私は頷いた。
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憧れのプロポーズを受けたことについて振り返ってみたが、改めて文字にしてみると
考えさせられる点は以下の通りである。
・プロポーズは相手にしてもらうのもうれしいが、無理にさせるものではない
・婚約指輪ではなく、二人で共有できて結婚後もタンスに仕舞わないでおける婚約記念品はあり
・逆プロポーズもありだったと思う
・もし来世でプロポーズしてもらうなら化粧をしているか、可愛い洋服を着ているか確認していただきたい
以上である。