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梅仕事と耕作放棄地③

みんなと一緒に梅仕事をしたいねと始まったtelecookの梅仕事の企画。縁あって、和歌山県紀の川市でフルーツと野菜の直売所を運営されているおいけファームさんの活動と繋がりました。

耕作放棄地の再生という話を聞いたときに、農家の方が高齢になって、梅の実が収穫できず、草茫々に放置されている梅畑が浮かび、今回梅の実を購入することで、その高齢化問題をちょっとはサポートできるのかな、くらいに考えていました。でも、耕作放棄地の問題は、私が思っていていたより、とても深刻な問題でした。

なぜ耕作放棄地が地域課題なのか

梅の仕込みをした翌日、私達に梅を届けてくれたおいけファームのあややさんからメッセージをいただきました。

私うっかりしていて、なんで耕作放棄が地域課題なのかってこと話してなかったなーと思ったので、ここに簡単に書かせてもらいますね。

放棄地での(空き家や空き地も含めですが、)一番の問題は害獣が住み着くことです。
猪や鹿は果樹を荒らしたり、アライグマやアナグマ、もぐらは畑を荒らします。
耕作放棄地となった畑は周囲の生産者さんに被害を与えるのです。

耕作放棄地があると、その周りの畑が被害にあう。

都会に住んでいるせいで、人間やペット以外の動物のことをすっかり忘れていました。当たり前だけれど、鹿や猪、もぐら達は、ここからここは手入れされている農地だから入らないでおこう、ここからここは耕作放棄地だから楽しもうと、場をわきまえて区別するわけないんですよね。

そして、害獣被害を受けた農家や地域住民と、その原因となった放棄地の持ち主の関係を想像すると切ない気持ちになりました。

地方はこの現実を目の当たりにしており、他にも空き倉庫や空き家から出火したとか、誰かが住み着いてるなど、人的なことによる被害もあるそうです。

周囲で暮らす人たちが不安にならないよう、今回の梅の売り上げはこれらを持続して管理していく活動の費用としていきます。

お買い上げ頂いた方々に、心より感謝申し上げます。

自分たちの暮らしの楽しみとして梅を買い、telecookという場を通じて、一緒に梅の仕込みをしたという小さなつながりが、地域の課題を知ったり、解決することにも繋がっていく。とても豊かでありがたい経験。

素敵な社会って、こういう緩やかなつながりの中で生まれるんだろうな。

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