メレオロジック・アグリゲーターを使いたかった話(前編)
(※これは「ユニオン・キャリアー」の追悼記事です。)
・挨拶
皆さん、「メレオロジック・アグリゲーター」使ってますか?
登場時こそ様々なコンボで騒がれたものの、現在では「ドラグマ」や「月女神の鏃」によって直接EXデッキから墓地へ落とされる役割に落ち着いている一枚である。それだけランク9は出しづらい(出すにしてもVFDくらいのパワーが欲しい)。
だが筆者は思った。
めちゃくちゃカッコイイな、コイツを軸にデッキを組みたいな、と。
↑思わずプリシクで集める筆者
・デッキ草案
とはいえ、見ての通りフィニッシャーではなくTHE コンボ向けのカードデザインである。ならば方向性は2つ。
・使い切りとして派手なコンボの軸に据える。
・盤面に維持して継続的にアドバンテージを稼ぐ。
前者としては虹光やアプカローネなどの強力なサーチ効果のトリガーとしたり、墓地融合の素材を用意したりなど、それこそ発表時によく考えられた使い方。
後者としては「オーバーレイ・ネットワーク」で任意のモンスター回収に用いたり、効果で墓地へ行く必要があるモンスターのトリガーとするなど。
今回は自身に耐性がなく、素材なしで蘇生しても素材供給効果を使えないことから前者での運用を図る事とした。
EXデッキから落としつつ1ターンに1度の使用制限もなく次の一手に繋がるモンスターと言えば、ここまででも既に名の挙がった「虹光の宣告者」がやはり最優であろう。おあつらえ向きな事に、同弾で星9儀式かつ2体で1対となる「冥占術姫タロットレイス」及びその儀式魔法である「冥占術の儀式」の収録も公開されている。フィーチャー元となる「聖占術姫タロットレイ」はアニメARK-Vにおいて方中ミエル(CV悠木碧)が召喚し、主人公を追い詰めたエースカード。期待不安の未来が動き出したばかりの作中での活躍は目覚ましいものだった。当時は「シャドール」と合わせる構築が一般的だったが、今なら違う方向からのアプローチも可能だろう。筆者のモチベーションは、アグリゲーターを用いて2体の占術姫を並べることへと向かっていったのである。
さて何やかんやしてアグリゲーターをX召喚し、レイス&冥占術を回収し、あれやこれやしてレイを墓地送りから儀式召喚、エンド時の効果を使ってレイスをセットする。肝心のランク9を立てる方法を考えた時、過去に「星杯の神子イヴ(禁止カード)」に頼った展開しかしてこなかった筆者は行き詰まった。
遊戯王wikiに答えが載っていた。
これは筆者に限った話では無いだろうが、デッキ構築に困ると片っ端からwikiの関係ありそうなページを読み漁る。その中に「宣告者の神巫」1枚からランク9を出す方法が紹介されていた。
神巫召喚時の効果で「トリアス・ヒエラルキア」を墓地送り。トリアス効果で神巫をリリースコストにあてて1体目の星9を用意しながら、神巫がリリースされた時の効果で「ワルキューレ・セクスト」をリクルート。セクストも特殊召喚時に別名の「ワルキューレ」モンスターをリクルートできるため、2体目の星9である「ワルキューレ・シグルーン」が出せるというもの。これで何やかんや部分はクリアとなる。
更にもう少し「ワルキューレ」要素を増やせばシグルーンをデッキから直接出すのではなく、「ワルキューレ・ドリット」のサーチ効果で一旦手札に抱えて下級ワルキューレ2体でリンク2を出した後、シグルーン自身の手札から特殊召喚する効果でセクストを蘇生して盤面のリンク値を増やせるようになった。
となればシグルーンから出した時に、よりアドバンテージが取れる「ワルキューレ」を積みたい。筆頭は「ワルキューレ・フュンフト」。任意の魔法・罠を墓地へ送る、「おろかな副葬」と同じ働きをするモンスターだ。ここで「救いの架け橋」の墓地効果から好きなフィールド魔法へアクセスしたい。それならば星9同士のシナジーを見込める「ジェネレイド」の「王の舞台」ではないか。もう一方の「宝玉獣」サーチを「宝玉獣 エメラルド・タートル」にすれば「憑依覚醒ガギゴバイト」から「轟の王 ハール」のハンデスコンボに繋がる……、このようにサブプランまで考えを膨らませながら星9&天使軸でデッキを固めていく事になった。
さてお忘れではないだろう。あれやこれやの方が1ミリも解決していない事に。できるだけ光属性天使属2体で出せるリンク2モンスター1体で星9光属性天使族儀式モンスターを墓地へ送りたい。真っ先に「ユニオン・キャリアー」で装備を経由する方法が浮かぶも、そのターンに出せないので当然ボツ。その後も遊戯王ニューロンのカード検索と格闘しながら道を探すも、答えが見えず3日経った。
「あーあ、光属性版終末の騎士とかいないかな」
いた
8期ごろに各属性版の○○の騎士が登場した事は覚えていたが、発動条件が難しくて使われないというところまでしか記憶していなかった。さて彼の発動条件は、フィールドからの墓地送り。キャリアーによる装備状態からも発動可能。場合の任意効果。コストで墓地へ送ってもタイミングを逃さない。今ここに「曙光の騎士」は文字通り長い夜の終わりを告げる光明となったのだ。
・完成(?)
曙光の輝きによりメインルートが確定し、そこに肉付けをしていって一先ず固まったものがこちら。
神巫を出さない事には始まらないため、リクルート手段として「ダウンビート」を採用。「トランスターン」との比較として、コストがリリースか墓地送りかという点が大きく、神巫と併せて引いた際の爆発力が違う。また星3光属性天使族モンスターとして、「神碑」速攻魔法から呼べる「神碑の翼ムニン」、「宝玉獣」モンスターとして積まなければならない「宝玉獣ルビー・カーバンクル」、これらの存在もある。星1になると意外と単体で仕事をするカードが少なく、更にコンボ色が増して事故率が跳ね上がるためこちらに絞った。特に「神碑」速攻魔法は単体で1妨害になる点が心強い。
レイスから伏せるモンスターとして「真空イタチ」と「禁忌の壺」を選択。自分エンドフェイズと相手ドローフェイズで計2回壺を起こし、ピーピングハンデスで相手の攻め手を絞る。返しでイタチの魔法罠封殺から相手のリソースを削り取る立ち回りをする。
「月女神の鏃」はオシャレ要素。相手の盤面次第ではあるが、足りない除去を補いながら「旧神ヌトス」で追加除去・「PSYフレームロード・Ω」でジェネレイド再利用・「鉄獣戦線 徒花のフェリジット」の手札交換と器用に立ち回れる。ヌトスはアグリゲーターで更に使い回せる可能性があるのも良い。
逆に削った要素としてはタートル→ガギゴバイトプラン。事故札を増やしたリターンが壺1回と同等で、他に役割も無いため泣く泣くカット。更に案の1つとして「究極封印神エクゾディオス」を採用する事でデッキ回復&ダウンビートでハール展開というものがあったが、これまた月女神Ωを優先して没となった。
以下は神巫ルートの文字起こし。
後は未所持のカードを集めるだけ、そう思っていた筆者は知らなかった。この後、自身の想定の甘さを痛感させられる事態になると……(後半へ続く)
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